盲導犬ユーザーからのメッセージ

ウールは、町のアイドル。島村冬子

島村冬子さんの写真  ウールと私の二人暮らしが始まって10ヶ月が過ぎた。  体育館、公民館、市役所、病院、どこへでも、好きな時間に二人で出かける。  先日は料理屋さんにも行った。新年会で。  一度は断られたけど、「法律でどこでも行けるようになっているはずですけど」と言ったら、「どうぞ」とひと言。店でのウールが立派だったので、帰りは「また来てね」と笑顔いっぱいで送ってもらった。ウールはどこへ行っても笑顔で迎えてもらう。私は、いつも鼻高々。  最初の頃は「おう、道路の真ん中だぞ。もっとこっちへ来い」と声を掛けられたり。「こっちって、どっち?右、左?」と私。いつも誰かが見ていてくれる。今は「慣れたな。すごいな盲導犬は」と誰ともわからない人から声が掛かる。  カラオケに4時間も付き合っている。「何だって歌えばいいよ。私はマッサージをしてもらうから」と、マッサージ師のおじさんの側に寝そべっている。  この狭い町で初めての、たった1頭の盲導犬。ウールは、今では町中のアイドルだ


盲導犬ワトソンと歩いて。菊地糸子

菊地糸子さんの写真  盲学校の先生の勧めで、日本盲導犬協会仙台訓練センターの短期リハビリテーションに参加したのは19歳の夏でした。そのとき調理や白杖歩行、点字の勉強のほかに、初めて盲導犬との体験歩行をしました。歩行速度が思ったより速くてびっくりしました。それまで白杖での雪上歩行が困難だったことと、自立して両親への負担を軽くしたいとの思いが、盲導犬と歩くきっかけになりました。  ワトソンとの共同訓練を06年9月に終え、手ごたえを感じたので就職し、11月から親元を離れ独り暮らしをはじめました。以降、1kmの道のりを40分かけて通勤しています。今の課題は通勤時間の短縮です。ワトソンの集中力を高めることが結果につながると、日々努力しています。  仕事は、指定通所介護事業所でのマッサージ。身体の緊張を和らげることを目的に、多い日は10人を担当します。事業所も盲導犬を抵抗なく受け入れてくれ、今ではワトソンを待っている人がいるほどの人気者です。  ワトソンとの歩行や生活のリズムなど、大変だと思うこともありますが、その分楽しい毎日です。ワトソンと健康で安全に暮らしたい。いつかワトソンと沖縄旅行に行きたいと思っています。


GUIDE DOG NOW「住宅、職場、学校における補助犬の同伴状況に関するアンケート調査(全国盲導犬施設連合会)」から

2006年に、補助犬法が発布された後の盲導犬同伴の状況を調べるために、全国の盲導犬ユーザー665名を対象にアンケート調査を実施しました。回答の概略を、簡単にご報告します。
※回答総数  303人/住居については内賃貸住宅等居住者102人

現在の住まいに入居するにあたって、トラブルはありましたか?
あった10人 なかった80人 不明12人

トラブル一例

  • 視覚障害者と盲導犬の二人暮らしを認めるところがほとんどなかった。
  • 自治会から苦情を言われ、県の窓口や協会に話したら、自治会に指導がなされて解決した。
  • 前例がないといわれた。補助犬法を説明して食い下がって、ようやく入居できた。

入居後にトラブルがありましたか?
あった12人 なかった74人 不明16人

トラブル一例

  • 排泄について、水を流すなど色々対処しているが、苦情をいわれる。
  • ペット禁止マンションに入居したが、ペットが敷地やエレベータなどで排泄し、誤解を受けることがある。
  • 入居当初、毛が飛ぶとか臭いといわれた。
  • 5年経ち理解されて、今では盲導犬を住民の人たちもかわいがってくれる。

通勤・通学に盲導犬を同伴してトラブルはありましたか?
あった9人 なかった56人 不明42人

トラブル一例

  • 盲導犬に声をかけたり触れたりされる。電車内で「混んでるのに犬など連れて歩くな」といわれた。
  • バスやタクシーの乗車拒否にあった。勤務先でも食堂に入れてもらえず、一人別の部屋で食事している。
  • 歩道を走る自転車がぶつかったりして恐い。

その他、補助犬受け入れへの意見は?
  • 未だに、飲食店などで入店を断られる。
  • 主たる方の認識不足や犬嫌いの場合は受け入れられるのは困難。もっと社会的な認識を深める活動が欲しい。
  • 乗り物を利用するとき、周りの乗客の人に「いやだわ」といわれたり、不愉快そうな態度をとられることがある。
  • 視覚障害者の就労は厳しいので、もっと国にも考えて欲しい。
  • 盲導犬の取得にあたり、所得の保証がないので困っている。
  • 多くの方が「かわいい」と仕事中の盲導犬に触る。盲導犬についての理解を広めて欲しい。