盲導犬情報 第5号(1995年4月)



内容


盲導犬」との海外旅行

=その手続きと出来事=

JTB東京池袋支店 団体旅行営業部
松本 高行

「アッ!新聞に出ていた盲導犬だ。かわいいね」「賢いんだぜ」「なでてもいいですか」。帰国便を待つシャルル・ド・ゴール空港のロビーで、卒業旅行の学生から声がかかる。スウィート、チャコ、インディ、リー。個性豊かな 4頭の盲導犬。彼女たちは、やや疲れてた仕草で、でも、少し誇らしげに、使用者に振り向く。ハーネスを外された彼女たちは、女学生に頭をなぜられ、うっとりしている。

使用者と学生の間で会話が交わされる。そういえば、彼女たちの仕事ぶり、賢さ、かわいさは、航空機の機内で、フランスのホテル、レストラン、地下鉄、観光地で、イタリア・サンレモの青空市場では地元の人々と、いたるところで自然にアピールされていた。

2月 5日から 8日間のニース・パリツアー。ツアーの感想は、参加者の金さんにお任せするとして、一般募集のツアーを企画・手配した旅行会社の立場から、手配や現地事情の具体的な事例をご紹介してみたい。

1.日本の出入国

必要な書類は「輸出検疫申請書」「輸入検疫申請書」「自宅繋留申請書」。「盲導犬使用者証」「狂犬病の予防注射証明書」は、必須条件。空港の動植物検疫所で申請用紙を提出し、健康チェックを受け、英文の証明書を受け取る。(成田空港動物検疫所の場合、検査時間は約20分。費用は50円)

2.現地の出入国

今回のツアーでは、フランス、イタリア、モナコ公国の 3ヶ国を訪れた。検疫は、フランスのパリで行った。手順は、日本の健康証明を持参して、動物検査所へ。そこでの健康チェックの後、最高裁判所の添書所へ。その証明で日本入国時には、自宅係留が可能になる。(イタリアの国境越えでは、盲導犬用の証明書類どころか、パスポートチェックもなかった。ヨーロッパはひとつになっていく)

3.機内では

盲導犬であれば無料で同伴でき、原則的には頭数制限はない。
 盲導犬が 4頭も乗り込むというのは、日本航空も初めてのこと。どこに乗せるか、トイレはどうする、食餌は、等いろいろ確認することが多かった。彼女らは、12時間のフライトを椅子の下にジッとして、トイレも行かず、実に優秀であった。ときおり通路を散歩させた時にしっぽを振って大喜びをしていたのはご愛敬。なお、「口輪を持参し、他のお客からの要請でいつでも付けること」というのが日本航空の規則。パリ・ニース間のフライトのエールフランスでは、「口輪を付けて乗り込むこと」という規則であるが、今回のツアーでは、口輪はしなかった。それどころか、他の乗客やクルーの人気者であった。

4.現地のホテル・レストラン・観光地

JTBヨーロッパを通じて、事前に調べた結果、モナコのグランカジノとパリのムーランルージュ以外は受け入れについて問題なしであった。

5.バス・地下鉄など交通機関

パリの国鉄・地下鉄・バスは盲導犬であれば無料。モナコの公共交通機関は口輪を必要ということであるが、今回のツアーでは使用しなかった。
 但し、メトロ(地下鉄)の動く歩道は苦手の様子。というのも、フランスでは人が道路の左側を歩くので、通り越す人を避ける命令ででは、どうしても人にぶつかってしまうのである。

6.トイレ

盲導犬の優秀さを感じたのが、航空機内での排泄。トイレシートを用意したが、 1頭も機内でおもらしをしなかった。
 パリの街路で参加者が排便をビニールで後始末をしていると、現地のガイドが「そのままでいいですよ」と、いうくらいフランスでは、ほったらかし。それだけフランス人にとって犬は日常の存在なのだと感じた。

最後に

過去 3回ほど目の不自由な方の旅行添乗をしているが、盲導犬と一緒に参加されることで使用者の行動範囲が広がっていた気がする。また、参加された方々も楽しんでいただけたと思う。が、それ以上に、盲導犬への社会的関心と啓蒙にすこしでも役に立ったツアーであったのでは、とさまざまな報道依頼を通して感じている。今後、使用者と盲導犬との旅行機会がさらに増えることを願ってやまない。


COME ON SWEET =行って良かった、フランスツアー=

千葉県  金(コン) 孝男

ヨーロッパにいった。フランス・イタリア・モナコと 3ヶ国にいってきた。スイートも私も海外旅行は初めてだった。

3ヶ国とも印象に残っているところはたくさんあるが、紙面に制約があるので特に印象に残っていることを書かせていただきます。

一番印象に残っているところは、パリのロダン美術館で「ロダンの考える人」を見たことだ。あの、考える人があんなにシビアに作ってあるなんて、見えたときには見えなかったことが、見えなくなって初めて見えた。彫刻に手で触れたときに、初めて感じた。筋肉質な体、力強さ、特に足先に触ったときにあんなに力強くふんばっているのが判った。私の指先にしっかりと感じた。今までは、ただなんとなく見過ごしていたのだ。又、美術館の説明をしてくれる人が、ただ説明をしてくれるのではなく、私たちの触りたいまま、感じるままを最初に何も言わず、全体を触らせてくれたことだ。日本ではただ決まり切ったことを説明してくれるだけだ。日本では触れるものが少ないので仕方がないと言えば仕方がないかもしれないが、これからはもっともっと触れるものが増えて欲しい。例えば、高価な物で、触れない物ならそのミニチュアを作って触れるようにしてくれれば、私たちには指先で見ることができる。

フランスからイタリアへ、イタリアは華の街、石の街、人々は気さくな人ばかりだった。
 国境を越えるのはスイートも私も初めて、越える前は警戒が厳しいのではないかと思っていたが、何とただ遮断機のようなものがあるだけで、人っ子一人居ないような静かな場所に国境があった。スイートも国境を越えるときに体半分がフランス、半分がイタリア、生まれて初めての体験をした。
 モナコでは、カジノに行きほんの少しだけ儲けてきた。あの有名なモナコグランプリのコース上にも立ち、エンジン音を想像しながら楽しんできた。

ここらでスイートのことを少し書かせていただきます。

この、フランスツアーに参加することに決めるまで、とても迷ったが、行くことに決めてとても良かったと思っている。
 まず、決めるまでとても心配だったのは、スイートの事だった。何しろ12時間30分の長旅だったことだ。出発の前日夕方に、食事をさせ、当日は飲まず食わずで少しかわいそうだったが、機内での排便が心配だったのでこのような事になった。機内ではとてもおとなしく、心配をしたことが嘘のように私を安心させてくれた。パリの空港に着き、排便をさせ、食事を食べさせたときはとてもおいしそうに食べた。これでまずは一安心をした。   3ヶ国ともスイートには違った匂いがするのか、あっちこっちと匂いを嗅いでばかりいた。スイートも外国の香りを、たくさん感じていたようだった。又、排便は全く心配がなかった。排便の処理をしていると、現地の人が「ソンナコトハ シナイデモイイ ソノママニ シテオキナサイ」と言われたが、習慣で何か忘れ物をしているようで、いつものように処理をしてきた。

今回のツアーでは、私たち障害者でも、自分でできることは自分でやり、できないところを手助けしていただければ、こんなにすばらしい旅行ができる。まだまだ書き足らないところがたくさんあるが、このツアーでは私自身良い勉強をしてきた。

私の目、体、スイートに感謝をしています。

盲導犬情報ボックス  盲導犬を連れて海外旅行に行くには

海外旅行に盲導犬を連れて行く時は、犬の輸出入に関わる動物検疫手続きをとることが必要です。近年、動物愛護や人道的理由によりハンディキャッパーに同行するパートナードッグに対しては柔軟な取扱を行うことが世界的な傾向となっている、とのことですが、それでも犬の輸出入に関わる動物検疫の規則は、概略だけでも 1.日本から出る時の規則、2.目的国に入国する際の規則、3.外国から日本へ戻る場合の必要書類、4.日本に到着してからの輸入検疫の 4種類の規則をクリアーしなければなりません。

上記の規則の中の「2.目的国に入国する際の規則」は各国によって違うので、まず海外旅行を計画したらその国の在日大使館等に問い合わせ、受け入れ条件を確認することが必要です。3.の「外国から日本へ戻る場合の必要書類」についても、どこの国から帰ってくるのかによって、どのような書類が必要かは違ってくるので、最寄りの動物検疫所に問い合わせてみて下さい。

タクシー乗務員へのアンケート調査報告(1)

=盲導犬使用者を乗せたことがありますか?=

1.はじめに

1970年に大阪陸運局から「乗車拒否の構成要件とその具体例についての解釈指針」という通達が出されている。その中には、乗車拒否とは「駐停車中又は客を認めて一旦停車若しくは徐行を行ない、運送の申込みを受けてから、正当な理由なく、これを中断すること」をいい、「運送の引き受けを拒絶する正当な理由がある場合には、その説明をする義務がある」とある。また、拒絶する場合の「正当な理由」の具体例も10項目に分けて説明されている。それらの項目の内の一つ、「物品の持込制限」の要件としては、「死体を伴い、或は、盲導犬及び愛玩用の小動物を除く動物を伴っているとき」と明記されている。つまり、盲導犬使用者がタクシーを利用しようとする時、盲導犬はその乗車を拒否する正当な理由にはならないのである。

しかし、「盲導犬に関する調査委員会」の報告(1990)によれば、 196名の盲導犬使用者のうち、「タクシーを利用しようとしたときにその利用を断わられた経験がある」と答えた盲導犬使用者は、56.7%にもなっている。つまり、盲導犬使用者がタクシーの利用を拒否されるといったトラブルは、あってはならないものであるはずだが、未だそういった事例は起き続けていると言えるのである。

そこで、盲導犬使用者のタクシー利用に関して、タクシー乗務員がどういった不安を持ちその利用を拒否するのかを明らかにし、盲導犬使用者のマナー向上あるいはタクシー乗務員に対するより実際的な啓発活動を行っていくために、タクシー乗務員に対するアンケート調査を実施した。

2.調査方法

(1)手続き

まず1994年 8月に、京都市およびその近郊のタクシー会社・個人タクシー組合、計51団体に文書にてアンケート調査の協力をお願いした。その結果、26団体から協力を承諾する旨の返事が得られた。
 11月に返事のあった各団体に対し調査用紙を送付した。その際、調査対象者・数についての指定はせず、各団体に一任した。
 調査期間は11月14日から12月15日までとし、郵送による回収方法をとったが、期限後に回収したものも有効回答として集計に含めた。
 配布した調査用紙は3190通、回収した調査用紙は1708通、回収率は53.5%となった。

(2)調査項目

質問の内容は、盲導犬使用者を乗車させた経験の有無、盲導犬使用者が利用する場合に不安を感じる点や今後の対応について尋ねた他、回答者の性別・年齢・タクシー乗務員としての勤務年数や、ボランティア活動について関心があるか、視覚障害者に対する誘導方法の講習会に参加したいと思うか、犬が好きかどうか等についても尋ねた。

3.結果

(1)回答者のプロフィール

1) 性別と年齢・乗務員歴
回答者1708人中、男性1580名、女性25名となり、男性が 9割以上を占めている。年齢は、最高齢が75才、最年少が21才で、平均すると53.1才になり、50才以上の占める割合は62.9%となっている。その結果、タクシー乗務員として勤務している年数も、「10年以上」と答えた人が1059名(62.0%)と過半数を占めており、 4年未満が13.7%、 4年以上10年未満が17.7%となっている。

2) 福祉についての関心の度合について
ボランティア活動に対してどの程度関心があるかについて、ボランティア活動について関心が「とてもある」「少しある」「どちらとも言えない」「あまりない」「全くない」の 5項目から一番自分の考えに近いものを選んでもらった。その結果、「とてもある」「少しある」と答えたのは51.6%、「どちらとも言えない」は23.4%、「あまりない」「全くない」が18.1%となった。「視覚障害者に対する誘導方法の講習会のようなものがあれば、参加したいと思いますか」という質問に対しては、「ぜひ参加したい」「参加してもよい」と答えたのは40.0%、「どちらとも言えない」33.2%、「あまり参加したくない」「参加する気はない」は19.3%となった。

3) について
「あなたは犬が好きですか」という質問に対しても、「とても好き」「まあまあ好き」「どちらとも言えない」「あまり好きではない」「嫌い」の 5項目から一番自分に合うものを選んでもらった。その結果、程度の差はあれ犬が好きと答えているのは64.5%と過半数を占めた。逆に犬は嫌いと答えているのは16.9%と少なかった。

(2)盲導犬使用者からの利用受け入れ状況

1) 盲導犬使用者を乗せた経験の有無について
「盲導犬使用者をタクシーに乗せたことがありますか?」という質問に対する結果は、「はい」 427名、「いいえ」 1266名、無回答 4名となった。なお、11名は、「はい」「いいえ」のどちらの設問にも答えていたため無効回答とした。 回答者の過半数が乗務員歴10年以上であるのにも関わらず、盲導犬使用者をタクシーに乗せた経験があるのはアンケート回答者の25.2%でしかなく、乗せた経験がない人の方が74.6%と、圧倒的に多かった。

2) なぜ乗せた経験がないのか
乗せた経験がないと答えた1266名に対してその理由を尋ねたところ、盲導犬使用者からの「利用申し込みを受けていない」と答えたのは92.4%にもなる。「利用を断わった」と答えた人は、2.3%と僅かだった。盲導犬使用者からみれば、この数字は現実に比べて少なすぎるように感じるかもしれない。おそらく盲導犬使用者の利用を拒否したことがある人の多くは、最初からこのようなアンケート調査に協力しなかったことが想像される。 「利用を断わった」と答えた人に対して、その理由を「犬が嫌い」「犬が大きくて乗せるのは無理だと思った」「犬が汚かった」「視覚障害者にどう対応すればよいのか判らなかった」「その他」の 5項目から選んでもらうと、29名中11名が「犬が嫌い」と答えている。次に多い理由は「視覚障害者にどう対応すればよいのか判らなかった」で 7名。「犬が大きい」が 5名。「犬が汚かった」は 2名であった。

3) 乗せた場合に起きた問題点
乗せた経験があると答えた 427名に対して、盲導犬使用者を乗車させたことにより何か問題が起きたかを尋ねた。その結果、74.2%の人が「起きなかった」と答えているものの、25.3%の人が「起こった」と答えている。 どんな問題が起きたかについて「犬の抜け毛がひどく車内を汚された」「犬の臭いが車内に残って困った」「犬が車内でおしっこやうんちをした」「その他」の 4項目から選んでもらうと、「問題が起こった」と答えた 107名の内、77名が「抜け毛により車内を汚された」と答えている。「犬の臭い」を挙げたのは48名。また「犬が車内で排泄した」と答えている人も 4名いた。「その他」を選んだのは 7名で、

といったことが問題点として挙げられた。

−このアンケート調査の結果は、この後 2回に分けて「盲導犬情報」の中でご報告していく予定です。次号では、タクシー乗務員が盲導犬使用者を受け入れる際に不安に感じることは何か、今後どのような対応を考えているのか、といった点についてご報告します。−

盲導犬とのタクシー乗車について

広島市  桑木 正臣

私はタクシー乗車で苦い経験がある。それだけにその後いろいろ工夫し、また乗車の際、運転手に「盲導犬を乗せたことがあるか、また注意してほしいことは何か」を尋ねるようにしている。皆さんもこの乗車については、1度や2度は必ず不愉快な思いを経験されていることと思います。

まず不愉快な件であるが、忘れもしない平成元年10月14日、共同訓練から帰って 1週間後、「盲導犬と親しむ夕べ」の歓迎会があり、その後帰宅の際、タクシーでの出来事である。訓練所長夫妻が広島駅で途中下車後の運転手の態度が急変した。
「俺は犬は嫌いだ。犬はペットだからカゴに入れてもらわないと」
こう言い出した。「盲導犬だから」と説明しても
「この後、他の乗客を乗せるのに車を消毒しないといかんから、今日は仕事にならん」
 これには言葉が出なかった。何も粗相したのでもなく、ただ運転手が犬嫌いだけのことである。

次に乗車の際、注意することについて。
 まず、タクシー会社に出向き、盲導犬の乗車をお願いすること。次に利用する際、電話で盲導犬をお願いする旨伝える。乗車の際必ず抜け毛対策として、コートを着せる。雨降りのときなど、座席に犬の前足が当たると汚れるので、ビニールまたは布カバーを敷く。もちろん乗車の際は、ハーネスを外し使用者が先に乗車し足元に誘導し座席には上げないのだからシートを敷く必要はないように思うが、下車するために犬が向きを変える際、前足が座席に当たる場合が多いからである。
 次に運転手に「盲導犬を乗せたことがあるか、又どういう点を気をつけてほしいか」聞いてみて、数人の方から意見を聞いた。それには「犬嫌いの運転手もいるから、前もって電話で知らせてほしい」「雨降りには特に注意してほしい」「コートを着せていないと脱毛期に窓を開けていると風で車内に毛が舞い上がる」「犬の鼻先を注意してほしい」これは犬は鼻が濡れているので、シートに鼻が当たるとシミになったり、ドアのガラスに当たると曇るとのこと。これは言われて初めて気が付いた。また「 1匹なら我慢するが 2匹も乗せるのはちょっと嫌だ」などであった。

私の経験または運転手の意見など総合して、やはり我々使用者も相手の立場になって行動していけば、そんなに嫌な思いをしなくてすむと信じる。

施設紹介(4)

社会福祉法人 日本ライトハウス行動訓練所(盲導犬訓練部)

社会福祉法人日本ライトハウスは、視覚障害者の行く手を照らす『陸の灯台』として、大正11年点字図書館事業に着手したことに始まり、点字出版事業ならびに直接訓練を行うリハビリテーション事業から構成されている総合施設です。盲導犬歩行訓練は、白杖歩行と同様に視覚障害者が安全に歩行する1つの方法として、視覚障害リハビリテーションセンターで行っています。

当法人では、昭和45年オーストラリア盲導犬協会へ指導員を留学させ、その後和歌山県田辺市内に盲導犬訓練所を開設しました。以来、主として東は長野県から西は山口県を中心に13の自治体や各種団体と盲導犬育成事業の契約を結び、盲導犬貸与を行っています。現在までに 200頭の盲導犬を育成し内 120頭が実働中です。

平成 7年 1月、 1頭でも多く盲導犬を育成するため大阪府下千早赤阪村に7200m2の土地を取得、犬舎 576m2ならびに生活訓練棟 834m2を持つ新訓練所に移転しました。新施設は5つの産室と30の個室犬舎、シャワー室、2つの調理室、モニター室などから構成されています。また、犬舎にはそれぞれ独立した運動場がセットされていて、床暖房も完備しています。
 また、訓練所内には長年にわたり主人とともに活動した盲導犬に感謝しその御霊が眠る慰霊碑を設け、供養しています。

今後も、定員 150余名の生活訓練部・職業訓練部・授産部などや、指導者教育を行う養成部で蓄積したノウハウを盲導犬歩行にも生かして、視覚障害者と社会を結ぶ施設として努力してゆきたいと考えています。
 また、移転にともないパピーウォーカー(小犬飼育家庭)をはじめとして、名簿整理やワープロ入力、室内清掃・庭・芝の手入れができる人など様々なボランティアを募集していますのでご協力をお願いいたします。

財団法人 福岡盲導犬協会

1.当協会の沿革

当協会は、昭和58年 9月設立後、九州電力(株)を初め福博経済界並びに多数の団体、個人のご支援により、昭和62年10月環境抜群の場所に訓練センター建設、平成元年 1月国家公安委員会の指定を、又平成 5年 9月特定公益増進法人の認定を受けました。

2.当面の活動

(1)当協会は、全国 8施設のうち最も遅く設立され、3月末現在盲導犬無償貸与頭数は累計62頭でありますが研修生 4名の補充決定、当面年間最低10頭育成態勢確立を推進中であります。

(2)九州は、他地域に比し盲導犬が少なく、その理解が乏しいので、各種イベントや幼稚園、学校などに積極的に盲導犬同伴出向し、PRに努めています。これは即効を期待し得ないとしても、将来必ずや大きく結実するものと確信しています。

(3)フォローアップの重視
盲導犬増加に伴いユーザーの盲導犬管理、しつけについて、指導員の目が行き届かなくなりますので、訓練スタッフ充実によりその徹底を期することを重点に考えることといたします。

(4) 1日も早く、1頭でも多く
「1日も早く、1頭でも多く」を合ことばとして、みなさまのご指導、ご支援をいただきながら、役職員一同努力を続けてまいりたいと思っています。

こくちばん

手作りチャリティーテープ「盲導犬・ナッチーの武勇伝」(藤原和夫作)のご紹介

尼崎市視力障害者福祉協会(西川泉会長、会員 100人)では活字が読めない、点字も読めない会員のためにテープによる「声の会報」を年に 4回発行して会員相互の親睦を図っています。そのような活動の一つとして作ったのが手作りチャリティーテープ「盲導犬・ナッチーの武勇伝」です。会員の藤原和夫さんの10年間の盲導犬との生活が気取らず普段着のままに綴られており、「声の会報」に好評連載されたものです。今回テープ 1本にまとめ、会員に配布して耳からの読書を楽しんで頂きました。

テープの余分があります。これをチャリティーテープとして希望者に 1本千円でお分けすること、その利益は作者の希望により盲導犬育成のために寄付することになっています。ご希望の方は郵便小為替で申し込んで下さい。郵送させて頂きます。

申し込み先:〒661 尼崎市東園田町5-61 堀口 隆 電 話 06-491-9724

戸井美智子さん(盲導犬使用者) 推薦のことば

“愉快で楽しい「盲導犬・ナッチーの武勇伝」”

本当に愉快なのです、楽しいのです。
 皆さんの中には、盲導犬の本を何冊もお読みになった方が沢山おいでになるでしょう。日本で書かれたもの、そして翻訳もの、それぞれに大きな喜びと共感をおぼえ、新しい希望と勇気を見いだします。この「武勇伝」はそれに加えて、誰もが思わず吹き出してしまうような描写が各所に散りばめられています。特にごく自然な大阪弁(それはナッチーと藤原さん又は猫との会話だったり、ナッチーの独り言だったり)は、大阪弁を愛し興味を持つ者にとってはたまらない魅力です。

藤原さんがナッチーとの毎日の生活を通して得られた様々な経験、考えられた多くの事柄をたくまず綴られた文章に心引かれ、一気に読み通したのはつい 2ヶ月程前のことでした。これを書いています今、近々また読み返したいという思いに駆られているのは何故でしょう。多くの皆さんがこのテープをお聞きになって、私と同じ思いを味わっていただけたらと心から願っています。

編集後記

阪神大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申し上げます。神戸近辺にお住まいの読者には、前号の「盲導犬情報」は送らず今回 4・5号を一緒にお送りしましたが、その点ご了承ください。

今号は、 2月に実施された日本で初めてという盲導犬を同伴しての海外ツアーに参加された金さんとこのツアーの添乗員をなさった松本さんに旅の様子を書いていただきました。参加された他の方もいろいろなところに旅行の報告を書いておられ、なかなか素晴らしい旅だったようです。ただ、旅行中はほぼ問題なく旅行を楽しめたのに、日本に帰ってきた途端、空港内で「犬連れ」を注意された、とのこと。やれやれ、いったい日本はいつになったら…。