盲導犬情報 第6号(1995年7月)



内容


「全国盲導犬施設連合会」発足


【全国の盲導犬育成施設が手を結ぶ】

「全日本盲導犬使用者の会」が発足したのが昨年秋。あれから半年が経過し、全国でまとまろうという盲導犬ユーザーの熱意が、いよいよ盲導犬育成施設にも波及することになりました。
  平成 7年 4月 1日、全国8施設により「全国盲導犬施設連合会」が発足したのです。わが国における盲導犬事業は、国産第1号の盲導犬チャンピーが昭和32年に誕生して以来、全国8ヵ所に盲導犬育成施設が設立されながら、決して順調に発展してきたわけではありません。各施設がそれぞれ財政的にも人材のうえでも苦労を重ね、ここへきてようやく横のつながりを強化して盲導犬事業を全国的に盛り上げていこう、という気持ちになることができたのです。

【連合会発足の経緯】

今回の新しい連合会が発足する以前、やはり全国の盲導犬育成施設が加盟する「全国盲導犬協会連合会」という組織がありました。今でこそ盲導犬は自由に電車に乗ることができますが、1973年に旧国鉄(現在のJR)の規定が改正されるまでは、盲導犬を伴って乗車する 1週間前までに盲導犬訓練施設がその旨届け出なければなりませんでした。その際の連絡窓口を1本化してほしいとの旧国鉄からの要請で、全国の盲導犬育成施設が結成したのが「全国盲導犬協会連合会」でした。しかしこの旧連合会は外部からの要請でできたもので、旧国鉄の規定が改正されてからは実質的な役割もなくなり、有名無実化していました。
  今回発足した新連合会は、当事者の自発的な意志で生まれた相互協力組織であるという点で、たいへん画期的なものです。この発足を機に旧連合会は発展的解消をし、新しい気持ちで再出発することになりました。名前も、8つの団体それぞれ、○○盲導犬協会というところもあれば、△△盲導犬センターというところもあり、(社福)日本ライトハウスという施設もあるので、「全国盲導犬施設連合会」ということで落ち着きました。

【連合会発足の目的】

8つの盲導犬育成施設は、それぞれ設立の時期や経緯などが異なり、これまでは、各施設が独自に犬の繁殖、訓練、そのほか啓発活動や募金活動を行ってきました。しかし、ひとつの施設が行うことにはやはり限界があります。また、地方自治体の許可のもとに設立されている盲導犬育成施設においては、おのずと活動範囲が制限されてしまいます。
  そもそもそれぞれが独立した法人であっても、盲導犬を育成し、視覚障害者福祉に寄与する、という基本理念はどこも同じです。8つの小さな力がひとつにまとまれば、社会的な影響力をも大きくなります。盲導犬育成施設の活動は、盲導犬の育成、視覚障害者への歩行指導をはじめ、社会一般に対する啓発活動、行政機関への働きかけ、そしてこれらの活動をより効果的・合理的に行うための調査・研究や国際交流、情報交換など、非常に幅広いものがあります。ひとりでも多くの視覚障害を持つ方に盲導犬をお渡しできるよう、連合会加盟施設一同知恵を出し合って、今後の発展のための体制づくりに努力していきたいと思います。

【今後の活動】

連合会としての活動は、当面は啓発活動や募金活動が中心になります。全国チェーンのスーパーに募金箱を設置し、これまで(財)日本盲導犬協会が毎年 4月から 6月までの 3ヵ月間、行ってきました「全国盲導犬普及キャンペーン」も、今年からは連合会が引き継いで行っています。今年のキャンペーンのテーマは、「盲導犬のいる街、やさしい街」。盲導犬と一緒に安心して暮らせる豊かな社会が、日本中どこでも見られるようにしたいという願いが込められています。
  また、昨年全国のお店や施設に配布した「盲導犬同伴可」ステッカーをタクシーにも貼ってもらおうと、今年は縮小版を作成して、掲示を呼びかけています。
  今後の盲導犬事業の全国的発展のため、連合会の社会的認知、そして将来的には連合会そのものの法人化を目指します。当面はその基金づくりが連合会の活動の中心となりますが、この間に加盟施設の交流・情報交換を活発にし、各施設の足腰の強化に努めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

なお、全国盲導犬施設連合会の役員は以下の通りです。

全国盲導犬施設連合会発足記念式典 開催される

1995年 4月26日(水)、今年の国際盲導犬の日は、今までになく大きなイベントを開催することができました。この度発足した「全国盲導犬施設連合会」の発足記念式典を、全国身体障害者総合福祉センター「戸山サンライズ」(東京都新宿区)で開催したのです。
  連合会加盟施設の代表はもちろん、衆参両院の国会議員や行政関係者、その他視覚障害者施設の代表も出席し、お祝いの言葉をいただきました。海外からも、英国盲導犬協会のシーフォード地区ボランティア支部長のアイリーン=ダイモット氏を招待し、発足記念式典の後、記念講演をしていただきました。
  イギリスでは、各地に盲導犬協会のボランティア支部があり、市民の自発的支援のもとで盲導犬事業が発展してきた経緯があります。ダイモット氏も、地元でちょっとした催しものやガーデン・パーティーなどを開き、住民の皆さんに気軽に参加してもらい、盲導犬育成のための募金活動を行っているそうです。盲導犬や視覚障害者のために何かしたい、そんな皆さんのやさしい気持ちを上手に取り込み、形にしていくイギリスのシステムは、私たちも大いに学ぶべきものがあります。
  これからもよりよい社会を目指して、連合会加盟施設一同、皆様と一緒に努力していきたいと思います。温かいご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

(報告は全国盲導犬施設連合会・茶谷(チャダニ))

阪神大震災の経験から(1)

阪神大震災から半年がたちました。復旧作業も急ピッチで進められてはいるものの、まだ避難所で生活されている方も少なくなく、被災された方々の生活が元に戻るには程遠い状況です。今回の震災による被害の大きさ、自然災害の恐ろしさは、半年たった今でも再認識させられ、決して忘れられるものではありません。また、それと同時に、今までボランティア活動に無縁の多くの「普通の人達」が自発的にボランティアとして活動し、それが大きな力となることを日本中に示したことも忘れられない点ではないでしょうか。
  視覚障害者に対しては、震災直後からHABIE(阪神大震災視覚障害被災者支援対策本部)が積極的な支援活動を行いました。 5月の連休中には、視覚障害リハビリテーション協会の呼びかけにより各地の歩行訓練士たちが阪神地域に集まり、被災地の視覚障害者に対して歩行訓練を実施しました。一方、日本盲人福祉委員会では、震災を想定した視覚障害者用の避難・生活マニュアルを来年 3月に完成させるため、 8月に神戸市内の視覚障害者を対象に大規模な聞き取り調査を行うとのこと。家屋の倒壊や道路の亀裂、道路上の廃材の山は障害物と化すなど、視覚障害者の単独歩行を阻むものは数限りなく、また、生活に関する多くの情報も視覚障害ゆえに入手しにくく極端な情報不足に陥るなど、被災地で生活される視覚障害者はたいへんなご苦労をされているようです。
  ところで、こういった問題は、盲導犬使用者の場合も他の視覚障害者と全く変わりなかったのでしょうか。盲導犬を使用しているがゆえに助かったこと、困ったこと、痛感したことなどいろいろあるのではないかと思い、被災された盲導犬使用者から被災地での生活について、郵送で意見を伺いました。震災当時、西宮市に住んでおられた 4名と、芦屋市・神戸市西区・北淡町各 1名の計 7名の方々にお答えいただきました。

犬の様子について

2月下旬に日本愛玩動物協会が避難所でペットの飼い主 210人から実施した聞き取り調査によると、半数以上の飼い主が、おびえる、食欲不振、元気がない、震えるなど、ペットの犬に地震の後遺症が「ある」と回答しているそうです。盲導犬使用者もほとんどの人が震災後、犬の様子に変化があると答えています。例えば、「おびえる」「集中力に欠ける」「小さな地震に対しても不安そうにする」といった点は複数の人があげていますし、他にも「以前は決して吠えなかったが、人が訪ねてくると激しく吠える」「音に対して敏感になった」「電車に乗ると落ち着かない」「歩いているとき、人の流れを気にする」といった変化があげられています。また、地震直後には「犬がおびえきってしまい、腰を抜かして立たせることもままならなかった」という様子も寄せられました。
  また、前述のペットに関する調査によると、「異常に鳴いた」「落ち着きがなかった」「おびえた」など、ペットの犬が予知行動をとったと答えた飼い主は26%だったそうですが、盲導犬の場合は、 2名の使用者が地震が起きる前に普段と違う様子がみられたと答えています。具体的には「元日早々嘔吐し、その後下痢。10日ほどたって、今度は落ち着きがなくなり、外に出ても喜ばず、家の中では外を気にしている。今まで吠えたりしたことのない犬が強くそれも1度だけ吠えた」「地震が起きる前日の午後、ハーネスをつけて外に出たが歩かなかった」といったことがあったそうです。

被災後の生活について

震災後どこで生活されたかを尋ねると、「震災前と同じ住宅で生活した」と答えた人が 2名、「避難所で生活した」人が 1名、「被災していない他の地域で生活した」人が 2名、「震災前と同じ住宅や避難所、他の地域で生活した」人が 1名、「治療所や親戚の家などで生活した」人が 1名でした。また、 7名の内 5名は、一時的あるいは現在も各出身の訓練施設に盲導犬を預けており、預けなかったのは「自宅周辺も家屋の倒壊などの被害はあまりなかった、震災前と同じ住宅で生活した」人と「治療所や親戚の家などで生活した」人の 2名だけでした。

震災前と同じ住宅で生活された人の場合

震災前と同じ住宅で生活された 3名の内 2名は、自宅周辺の様子を「家屋の倒壊などの被害はあまりなかった」と答え、 1名は「一部、倒壊・半壊した家屋があり、自宅周辺は歩きにくかった」と答えています。
  「被害があまりなかった」と答えた内の 1名は、「震災前と同じように盲導犬を使って歩くことができた」と答えています。そして、盲導犬を使って歩いていて困った点として「住宅の取り壊し、修理のための大型車の通行・停車が多く歩きにくかった」ことをあげています。
  2名は「盲導犬を使って歩くことができなかった」と答えており、その理由としては「歩道上に亀裂が入り、状況の変化を把握しきれなかったため」「地割れがひどく、土砂・崖崩れの危険性も高く、通行止めもいたるところで行われていたため」といったことをあげています。

避難所で生活された人の場合

避難所で生活された 2名は、どちらも「避難所での生活で盲導犬を使わなかった」と答えています。 1名は訓練施設に犬を預けているためで、もう 1名は「周辺の道路の状況が盲導犬を使って歩ける状況ではなかったし、家族の車を利用して移動したため」とのこと。
  また、実際に避難所では生活しなかった人の中には「避難所に行きたくても行けなかった。犬を連れていることに対する世間の受け入れの充実が望まれる」という意見を書いてこられた方がおられました。ただ、避難所で生活した人(ただしこの方は昼は自宅にいるなど、ずっと避難所で生活していたわけではない)に「盲導犬を連れていることで、他の住民との間で何かトラブルはありましたか?」と尋ねたところ、「なかった」と答えています。

仮設住宅で生活されている人の場合

現在、仮設住宅で生活されている 3名の内 2名は、今も盲導犬を訓練施設に預けているそうです。「仮設住宅が狭く、盲導犬を飼うだけのスペースがない」「道もガレキの山で危険なので預けている。盲導犬が帰ってきたらどうしようかと思っている」とのこと。
  また、もう 1名の人に仮設住宅での生活で盲導犬に関することで困っていることを尋ねると「環境の変化による不便」という点があげられました。

−次号では、被災後の生活の中で、盲導犬がいてよかったこと、困ったこと、また関係機関に望むことなどについて寄せられた意見をご紹介する予定です。
  いま、阪神地域だけでなく、日本各地で、また海外でも地震が続いて起きています。地震王国と呼ばれる日本、阪神大震災は決して他人事ではありません。その時どうするか、考えてみたことはありますか? 7人の方の貴重な体験を参考に、家族であるいは周囲や関係者の方々と、一度話し合ってみてはいかがでしょうか。

盲導犬情報ボックス(1)

盲導犬のための非常用持ち出し袋の中身は?

「阪神大震災に学ぶ「イザ」という時100マニュアル」(毎日新聞社発行)の中に「ペットのための非常用持ち出し袋」というページがありました。それを参考にして盲導犬のための非常用持ち出し袋の中身を考えてみました。

  1. 最低 3日分の食餌
  2. ミネラルウォーター:「20キロの犬なら最低 7〜10リットルは必要」とのこと
  3. 予備のリード(引き綱)
  4. バスタオル、タオル:ベッドの代わりにしたり、汚れを拭いたり、ケガの処置に使用したりと、「タオルは重宝する」とのこと
  5. シャベル、新聞紙:排泄物の処理のためのもの
  6. 塩素系家庭用漂白剤:排泄物の臭い消しのため
  7. 救急箱
  8. 犬用靴:ガラスの破片などが落ちている道路の上を歩くとき、肉球が傷つかないよう保護するためのもの。試しに市販されているものを足元で寝そべっているわが盲導犬情報室長に履かせてみたところ、彼は非常に迷惑そうで普通には歩けませんでした。市販されている靴をその場で急に履かせて使うのはちょっと難しい、という犬もいるようです。日頃から自分の犬にあった靴を用意しておくといいかもしれません。(ちなみに盲導犬情報室長とは、今年 9才になるラブラドール・リトリーバーです。念のため)

タクシー乗務員へのアンケート調査報告(2)

=盲導犬使用者の利用に対して不安なことは?=

(1)盲導犬使用者の利用に対する不安

1708名のタクシー乗務員に対し、「盲導犬使用者をタクシーに乗せるとき、どのようなことが不安ですか?」と尋ね、以下の10項目から該当するものを選んでもらった。

その結果、75名(4.4%)は、「その他」を選び「不安はない」と答えているが、1181名(69.1%)が少ない人で 1項目、多い人では全項目を選んでいる。無回答は 452名(26.5%)だった。
  不安な点として一番多くの人が挙げた点は、「犬の毛が抜けて車内を汚されること」で 608名(51.5%)。次に多かったのは、「犬の臭いが車内に残ること」で 561名(47.5%)。そして三番目に多く 357名(30.2%)の人が挙げたのは、実は犬そのものに関する不安ではなく、「ちゃんと道順や目的地を指示してくれるのか」という、視覚障害者に対する不安だった。
  以下、多い順に挙げていくと、「排便等に対する不安」 336名(28.5%)、「使用者への乗車時の対応がわからない」211名(17.9%)、「犬がコントロールできるのか心配」204名(17.3%)、「犬が大きくて車内に乗せられるのか心配」 183名(15.5%)、「視覚障害者にどう対応すればよいのかわからない」144名(12.2%)、「犬が吠えるのではないか」107名(9.1%)となった。
  また「不安はない」と答えた人以外で「その他」を選んだ人は48名(4.1%)おり、「愛玩犬を乗せたときに困った経験がある」「車から降りるとき犬が座席に上がってシートを汚された」「車内に残った犬の臭いがとれるまで30分かかり、その間営業できなかったことがある」といった経験による不安から、「犬が恐い」「暴れないか」「噛まないか」といった犬そのものに対する不安、また「車に酔って吐いたりヨダレをたらして車内を汚される」「犬は車に乗ったら興奮するのではないか」「シートに毛がついたり足跡がついたりして汚される」「雨の日に車内が濡れたり汚される」といった、犬を車内に乗せることへの不安などが挙げられた。あるいは「犬の毛や臭いが車内に残って、次に乗せた客から苦情が出るのではないか」そして「そのような場合に誰が補償してくれるのか」といった不安を挙げる人もいた。また「犬の毛に対するアレルギーがあるので犬を乗せるのは不安」といった健康上の理由を挙げる人も数名いた。

(2)今後予想される対応について

今後、盲導犬使用者がタクシーを利用しようとした場合、どのような対応を考えているのかを尋ねたところ、「全面的に受け入れる」と答えたのは、 1311名(76.8%)、「条件付きで受け入れる」210名(12.3%)、「受け入れられない」72名(4.2%)、無回答 115名(6.7%)となった。
  次に「条件付きで受け入れる」「受け入れられない」と答えた人に対して、「それは何故ですか?あるいは、どのような点が改善されれば受け入れられますか?」と尋ねた。
  「条件付きで受け入れる」と答えた人が挙げる条件の多くは、先の項目で挙げられた不安に思う点の解消で、車内に残る犬の抜け毛・臭いや車内で犬が排泄する心配がないのなら受け入れる、と答えている。だとすると、もっと盲導犬に関するピーアールをタクシー乗務員に対して行ったり、盲導犬使用者の日頃の犬の手入れの徹底、ガムテープやダスターコートの用意などの配慮により、タクシー乗務員の対応を変えていくことはできそうである。

条件として、使用者に望むことを挙げた人もあり、

といった意見もあった。
  乗務員自身の問題としては、

といった意見も出されている。
  また、「条件付きで受け入れる」としながらも

と、実質的には盲導犬使用者の利用に対して否定的な意見も少数ながらあった。
「受け入れられない」と答えた人のほとんどには、こうしてくれれば受け入れられる、という意見はなく、こうだから受け入れられない、といった意見が目立った。具体的に例を挙げると、

といったものだった。

(3)その他の意見

最後に、盲導犬使用者のタクシー利用について感じていることを自由に記述してもらった。盲導犬使用者のタクシー利用に肯定的な意見を述べた人は、約 1割弱おり、「タクシー・サービスとして、視覚障害者の受け入れは当然」あるいは「盲導犬は訓練されており、その利用に不安はない」といった意見が出されている。

また、前の質問の答えと重複するが、利用を受け入れる条件として、約 5%の人が

といったことを盲導犬使用者に望んでいる。あるいは、盲導犬使用者を乗せた経験から

など、利用者側の気配りを望む意見もあった。
  利用に否定的な意見としては、

といったものがあった。盲導犬使用者の受け入れを「拒否する」と答えている人以外にもこういった意見を述べている人がおり、やはり盲導犬使用者の乗車を拒否するタクシー乗務員は、4.2%より実際はもう少し多そうである。

−次号では、タクシー乗務員の対応の違いには、どういった要因が考えられるのかについて、ご報告していきたいと思います。読者の皆さんのご意見をお待ちしております。−

こくちばん

「障害者や高齢者のためのアクセシブル旅行ガイド(観光施設編(1))」のご紹介

旅行のソフト化をすすめる会から「障害者や高齢者のためのアクセシブル旅行ガイド(観光施設編(1))」というガイドブックが1995年 1月に発行されました。この会は、これまでにも「鉄道・宿泊施設編」や「航空・船舶・道路交通編」といった「障害者や高齢者のため」の旅行ガイドを編集・発行しています。今回発行された「観光施設編」では、全国の博物館、美術館、産業観光、水族館、展望台、城、歴史的建築物等の建物を中心とした1165軒の観光施設の情報が掲載されています。これらの施設の住所や電話番号、開館時間、休館日、交通手段などの情報はもちろんのこと、身障者用トイレやエレベーターなどの設備の有無や手話通訳・ガイドヘルパー・館内案内などのサービスの有無などの情報が載っています。
  ちなみに、1165軒の観光施設のうち「盲導犬の受け入れが可能」という施設は262軒(22.5%)ありました。また、「手でみる絵」や「立体的展示物への接触ができる」「ミニュチュアの用意がある」といった施設は153軒(13.1%)でした。ガイドブックを見ていると、点字や大活字の絵本等がある児童文学館や、盲人用点字星図や大型の点字入り星座盤などを自作している施設があったり、かと思えば「障害者用といわれるものは何もありませんが、入館を拒むつもりもありませんので、柔軟に対応したい」といったコメントを載せている美術館があったり、その対応はいろいろなようです。
  ガイドブックは墨字で3000円。点字のガイドブックはありませんが「○○博物館は盲導犬受け入れ可能ですか?」といった問い合わせにも応じてくださるそうです。ご連絡・お問い合わせは、旅行のソフト化をすすめる会(電話:0426ー37ー8264)までお願いします。

盲導犬情報ボックス(2)

国際盲導犬学校連盟1995年年報より

国際盲導犬学校連盟が1995年年報を発行しました。この年報によると、1994年12月31日現在、国際盲導犬学校連盟に加盟している盲導犬育成施設のある国は、オーストラリア、ベルギー、カナダ、クロアチア、チェコ共和国、フランス、オランダ、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、ニュージーランド、ノルウェイ、南アフリカ、スイス、イギリス、アメリカの18ヵ国だそうです。また、加盟しているのは47施設(日本では、北海道盲導犬協会、栃木盲導犬センター、アイメイト協会、中部盲導犬協会、関西盲導犬協会の 5施設が加盟している他、1995年 6月には日本ライトハウスが新しく加盟した)です。
  これらの47施設の内、ベルギー、イスラエル、アメリカの一部施設を除いた44施設で1994年 1月 1日から12月31日までの1年間に訓練に成功した盲導犬とその使用者の数は1308ユニット。この内、803ユニット(61.4%)は施設内で宿泊して指導を受け、 338ユニット(25.8%)は宿泊と自宅の両方で、また 167ユニット(12.8%)は、すべて自宅で指導を受けているとのこと。そして、1994年12月31日現在で活動している盲導犬とその使用者は7888ユニット。ちなみに1868頭の子犬達がパピーウォーキング中だそうです。

編集後記

阪神大震災で明けた1995年もあっと言う間に半分以上が過ぎてしまいました。この間、世界各地で地震は起きるわ、地下鉄サリン事件やら、一連のオウム真理教関連の事件やら、韓国のデパート崩壊やら、想像を絶する出来事が次々と起こっています。暑い夏の一日の終わりに冷たいビール、こんなささやかな楽しみが果していつまで続くのか、ふと不安になってしまうのは私だけでしょうか・・・。
  ところで、 4月に全国盲導犬施設連合会が発足し、「盲導犬情報」も前回の第 5号から発行が盲導犬情報室から全国盲導犬施設連合会に変わりました。発行だけでなく内容も全国規模にステップアップしていけるようがんばりたいと思いますので、読者の皆さん、よろしくお願いします。(久保)