盲導犬情報 第28号(2001年1月)


内容 新世紀のスタートにあたって


盲導犬に関する調査委員会からの提言

−「盲導犬に関する調査」結果を踏まえて

『盲導犬情報』では、第22号から5回に分けて「盲導犬に関する調査」結果報告書の概要を掲載してきました。この調査を行った「盲導犬に関する調査」委員会では、この調査後、テーマごとに3つの分科会にわかれ、1999年8月から2000年1月までの間に各分科会ごとに討議を行っています。各分科会のテーマは、第一部会は「盲導犬育成システムの共同化・共通化・多様化の推進」、第二部会は「視覚障害者とその生活に関わる人達及び一般社会の盲導犬に関する意識の向上・理解促進・情報提供」、第三部会は「盲導犬の快適な利用環境の形成」でした。
  それぞれの部会では調査結果からみた日本の盲導犬事業の現状を踏まえ、第一部会では、より良い盲導犬の安定供給を目指す「共同繁殖センター(仮称)」の検討や、盲導犬訓練士や歩行指導員の養成のあり方、また、高齢視覚障害者や盲ろう者を含む重複視覚障害者の盲導犬利用への対応について討議されました。第二部会では、視覚障害者への情報提供、視覚障害者の生活に関わる人たちに対しての盲導犬に関する情報提供、一般社会への盲導犬に関する情報の提供のあり方について討議されました。第三部会では、ホテル・旅館などの宿泊拒否及びレストラン・飲食店などへの入店拒否についてといった具体的な問題に対する対策などの他に、関係団体・関係省庁への要請、また、盲導犬との離別に対する使用者への心のケアやその他の盲導犬使用環境の整備について討議されました。
  これらの討議を経て、「盲導犬に関する調査」委員会では、次のような提案がなされています。

 
1.「盲導犬総合センター(仮称)」構想の提案

この盲導犬総合センターは、「共同繁殖センター部門」「盲導犬訓練士・歩行指導員養成センター部門」「盲導犬情報センター部門」の3部門を主要組織とする盲導犬に関する総合組織とし、

2.「盲導犬事業推進プロジェクト(仮称)」の設置

今回の「盲導犬に関する調査委員会」を受けて、新たに「盲導犬事業推進プロジェクト(仮称)」を立ち上げ、実現のための基盤作りを行う。

盲導犬に関する調査委員会では、これらの提言の最後を次のようにまとめています。「視覚障害者がより快適に生活するための有効な方法として“盲導犬”があり、その盲導犬育成事業がさらに拡大・推進していくためには、今までつちかわれてきた“概念”にとらわれず、盲導犬を提供する側も利用する側も、更にその生活に関わる人達も、盲導犬に関わりのある者全てが一体となって努力していく意識、意欲がまずあってこそ、今回の“報告書の内容”の意義と実現可能性があるものと考える。」

今回ご紹介したのは、「平成11年度 盲導犬に関する調査委員会報告書」の一部ですが、詳しい内容は『盲導犬に関する調査研究報告書』(日本財団(ニッポン) 2000.8)に掲載されています。墨字版・点字版があり、ご希望の方にはお送りしますので盲導犬情報室までお申し込みください。但しあまり在庫がありません。品切れの際はご容赦くださいますようお願い申し上げます。

病院に盲導犬を入れることについてのアンケート調査(1)

広島県   折坂 育志

M総合病院の人工透析室に盲導犬を帯同し、ベッドの下に犬をおいて血液透析治療を受けております。平成11年11月から盲導犬と一緒に通院するようになりました。まず盲導犬を同伴して治療を受けるようになった経緯を簡単に述べておきます。
 平成10年の2月に日本ライトハウスのSさんから、来年度になりますが盲導犬を貸与しますとの内諾を貰いました。盲導犬を希望した理由については、盲導犬を同伴して通院することが第一義的な目的であることを、盲導犬希望の申し込みをした時から関係者の皆さんに話して来てあります。
 早速透析室の主任看護士に、「盲導犬を貰えるようになったので病院へ連れて来たい。事務長と会って話し合いをしたい」と申し出ました。主任看護士は何の疑念もなく、来年度だから夏頃話を出しましょうと言ってくれました。その年は私も体調不良で進展は有りませんでしたが、翌平成11年の1月に病院の事務の方に会って話し合いを持つことが出来ました。発言はほとんど私からで、病院へ連れてきた場合果たしてどこへおかせて貰えるかなど検討していただくようお願いしました。その後、連れてきて良いとも悪いとも何処におけるとも返事がないまま、透析室担当の医師二人が交代することになりました。
 さて、新任の先生は着任間もない4月になってから、主任看護士と「折坂の寝台は入り口から近い所に決めてしまい、犬は寝台の下において・・・」と積極的な話になりました。6月に担当医師二人と看護婦長、主任看護士と盲導犬担当の看護婦、事務の方の一人に集まっていただき、私は日本ライトハウスのSさんに応援に来て貰い会合を持ちました。7月には透析患者全員に対して「盲導犬入室についての意見の聞き取り調査」も行われ、その結果も胸にして担当の医師二人と院長が面談され、盲導犬の治療室入室が許可されました。それからは犬の受け入れへ向けて盲導犬担当の看護婦さんは本格的な盲導犬の資料収集に取り掛かり、盲導犬の訓練所まで見学に出張もされました。
 M町内挙げて例年秋に行われる「健康福祉祭り」では、町民に向けて「病院に盲導犬が来ます。盲導犬への対応は云々です」との宣伝も積極的になされました。町内への広報にも同様の案内が掲載されたと聞いています。医師とスタッフを交えた透析患者の定期の勉強会では、盲導犬の治療室入室についての説明も行われています。私は盲導犬と歩行する合同訓練に行って勉強会に参加できませんでしたので、父が出席しておりました。盲導犬受け入れについての病院の準備は隅々まで怠りなく、犬を連れている私の方が驚いたぐらいです。言うまでもなく、手術室を除いて他の診察室などへの出入りは自由になりました。受け付け近くには、盲導犬を解説する冊子も置いてあります。

さて、盲導犬と一緒に透析に通うようになる少し前から、私の地元の町立病院でもしばらくすると血液透析治療が始まるという話題について、仲間内で話されていました。病院は新しい建物になり、人工透析を始めるために経験のある医師を早くから招き、その準備を進めておりました。現実に透析治療が開始されたのは、私がM病院へ盲導犬を帯同するようになってから5カ月後の平成12年4月からです。
 そこで私も透析にかかる時間を節約しようと考え、地元のJ病院へ「盲導犬と一緒に入室して透析治療に通わせていただきたい」と申し出ました。透析治療が開始されて1カ月経った5月の初旬でした。病院玄関脇の応接室で担当の医師と主任看護婦、それに事務の方に盲導犬を連れて会いました。その時は、一応透析室への盲導犬の入室は断られました。犬を別室において貰うことを考えているとのことでした。M病院へ盲導犬と一緒に通っていることはJ病院でも前々から周知のことで、それまでに透析室に盲導犬は断るとの方針を検討済みのようだと、私も人づてに一応聞いてはいました。
 それから1週間後になりますが、私が盲導犬を連れて通院したい家庭の事情や日常生活に盲導犬が力になってくれること、M病院で盲導犬を連れて治療を受けている状況を長々と記述した手紙を病院の受け付けに持参しておきました。透析担当の医師と事務長それに院長に宛てて、ほぼ同じ内容のもので各々400字詰め原稿用紙換算で10枚の文量です。
 何日か経って担当の医師が急に転勤になり、大学にお帰りになったと聞きました。
 6月に入って新しく透析室担当になられたO先生が、手紙は読んだ、折坂に会って話を聞きたいと言って来宅されました。
 その後、O先生は透析室に盲導犬は難しいなと言いながら、盲導犬に対する病院全体の対応を検討するため、盲導犬の事に付いて熱心に調査されたのです。またM病院の私が盲導犬を連れて治療を受けているところにも見学に来られました。無論、M病院の透析室担当の医師と話されています。
 その後、O先生はJ病院の総婦長と事務次長を連れて再度来宅されたりしました。
 8月になって、病院では患者への盲導犬に関するアンケート調査が行われていると風の便りに聞きました。
 O先生は10月に入ってから来宅され、「病院の盲導犬への対応についての方針」をフロッピーディスクのテキストとして渡してくれました。折坂用に電子ファイルとして渡すと約束して貰っていたものです。直ぐにパソコンで読んでみたのですが、その中にアンケート調査の意見欄に患者が書いてくれた「病院と盲導犬への対応についての考え」を抜き出したものがありました。それを読み始めて直ぐに、「これは関係者が参加するメーリングリストに是非発表させて欲しい」とお願いしました。許諾を貰い、先だって視覚障害関連のメーリングリストに投稿させて頂くことが出来ました。それを今回『盲導犬情報』にも掲載することになりました。

アンケートそのものの設問は項目を細かく分けてあります。質問の大略は、盲導犬を病院へ入れても良いか、どこまでなら良いかを問うてありますが、まず意見欄に書かれた患者や病院職員の意見表明をそのまま書き写したものを掲載いたします。O先生がまとめられたものです。私は転載するだけです。二十一世紀を迎えるに当たって、人々の盲導犬に対する認識を多分網羅するものとして、今後の参考資料にもして頂きたいと存じます。
 J病院とO先生には心から感謝する次第です。また、率直に回答いただいた町の方々に感謝致します。

患者(年齢・性別・意見の順に記載)
91 男 ぜひやってください。
43 女 それぞれが盲導犬に対してもっと理解を深めたいと思います。
50 男 もっと犬に市民権を。
82 女 よいです、盲導犬の犬が入っても。
44 男 一般患者が入室可能な場所なら良い。医療現場の人には盲導犬のことを周知徹底してもらいたい。同時に盲導犬利用者にも日常の清潔に気をつけるよう声かけをしてもらいたい。
78 男 皆、理解が必要。
31 女 犬が院内に入ることで逆に困ることを教えてもらい掲示してくだされば院内どこでも可と思います。例えば玄関までとなったときに、盲導犬が安心して待たせられる場所の確保ができるか、も難しいと思います。多くの方に理解していただけたら本当に素敵ですが、それも難しいでしょう。でも、このアンケート自体素敵なことだと思います。頑張って下さい。
48 男 玄関の清潔、消毒施設が必要。
83 女 今どきあたりまえのことだと思う。
56 男 今までにないよい制度だと思います。
88 女 主人を守る役目だからどこまでも一緒でいてほしい。お互いの信頼関係が第一と思いますが、よくわかりません。
73 女 出来るところから取り入れればすばらしい事と思います。なに事も最初は大変ですが町民の盲導犬への理解の掛け橋になることを願います。
74 女 障害者を助ける盲導犬は益々増やして役立てて戴きたい。
57 男 同じ病気(視力障害)の人が盲導犬を使ってがんばっておられるので透析室へ入ってもかまわないと思う。
18 女 病院に盲導犬が入れるよう頑張って下さい。前、ダニでおじいちゃんがしんどかった事があるので、衛生面で気をつけてくだされば大賛成です。
65 男 病院側が範囲を決めればよい。
92 女 病人に必要なのでおおめにみてあげたい。
50 男 毛が飛ぶのと便を気をつけてもらったらよい。
53 男 盲導犬などの介助犬が一般に受け入れられるようにするのはまず病院などの公共機関から受け入れないとだめだと思う。
76 男 盲導犬についての理解を深める(一般に)対応があるといい。
49 女 盲導犬に対する皆さんの態度、知識のほうを完全にしないと盲導犬を扱う人が困ると思います。
71 女 盲導犬に対する注意点などを広く皆に知らせるべく広報に力を入れると理解も深まると思います。
80 女 盲導犬の事はいいことだと思う。
89 男 盲導犬は、盲目の人にとっては「自分の目」のかわりをしてくれているのだから、もっと盲導犬のことを他の人にしってもらいたいと思います。
73 女 盲導犬は目の見えない人にとっては生活するために必要な体の一部だと思うので、院内どこでも一般の人と同じように出入りできて当然だと思います。
61 女 盲導犬をつれての透析はアンケートの結果如何にかかわらず導入してほしいと思います。アンケート等無しですんなり受け入れてもらえるものと思っていましたので少し悲しいです。ノーマライゼーションやバリアフリーが叫ばれてから久しいですが障害のあるひとにとってはまだまだ生きづらい社会のようです。私達は4月からJ病院で透析が受けられ近くでの有難さに感謝しておりますが、同じ町民なのに盲導犬を連れている為に恩恵を受けられないのを気の毒に思っております。早急に盲導犬を連れての透析を実施してあげてください。人間1人と盲導犬1匹。
48 女 目の悪い人の立場になって考えてみればよいと思う。
52 男 目の見えない人に協力するのがあたりまえ。
75 女 目の見えない人の犬を離してあげたら困ると思うのでとやかくはよう言わん。
65 女 目の不自由な人に光を上げて下さい。
73 女 目の不自由な人はかなりいられると思います。盲導犬の活躍をどんどん取り入れられるとよいと思います。
57 女 目の不自由な方にはとても力強いことと思います。
62 女 "日本でもA.A.T.,A.A.A.をもっと積極的に取り入れるべきと思います。衛生面よりメンタルな方のメリットに目を向けても良いと思います。"。
82 男 盲導犬のシステムその他報告、啓蒙が必要。
67 男 盲導犬の都合で透析が出来ない方の活路が開きます。出来る限りよい方向に。
62 女 利用者(J病院の患者さん達)の理解や協力などしっかり周知してほしい。
72 女 先日、電車に一緒に乗っているのを見かけましたがじっと座ったまますごくおとなしく、かしこい犬で音にも動じず安心して、人間のほうが見習うべきと思いました。
57 女 病院側としてどこまで許可されるか。
44 男 診察室の前まで。
58 男 不自由な方への盲導犬です。ぜひ進めてください。
76 男 その人にとって盲導犬がいないと困るのであれば、その周りにいる元気な人が非難するのは間違っていると思う。
? 男 盲導犬を院内に入れることに対して町の方病院の方の考え方の説明が必要と思われます。また、どこでも可というのではなく、盲導犬を必要とされている方に対しての病院関係者がされるケアーの問題対応等々いっぱいある中でどのようにされようと思われているのでしょうか。
72 女 どこでもというのには疑問があります。入ってよいところとそうでない所のけ
じめを。
77 男 体の不自由な方の協力をしているので、それをNOと言える人はいないと思う。
72 男 盲導犬としての訓練ができている以上診察室までならいいと思います。
86 男 盲導犬に限らず全てのアシスタント犬を広く認めるべきです。
75 女 衛生的に気を配る必要のある場所は不可。
77 女 犬にガウンを着せないで。
16 女 ガウンを着てるだろうか?全面的に協力してあげたい。
23 女 盲導犬が院内へ入るのを生理的に衛生的に考慮されるのであれば、消毒液で犬の足等を消毒させる等の方法を考えることもあるのでは。
26 女 盲導犬を必要とされるお方にできるだけの事をしてあげることが良いと思います。
25 女 盲導犬自身の清潔は必要です。
39 男 人間の手助けをすることですから。
45 男 病院なので院内全部は難しいと思うが後の介護は人がすればよいので人材確保 など病院の受入が整っていればよいのではないか。
62 男 目の見えない方は大変お気の毒だと思います。大いに利用すべきだと思います。
35 女 一般の方の盲導犬に対する知識が必要と思います。
59 女 玄関とかロビーに犬を入れておくところを作っておけば良いと思います。
76 女 目の不自由な方の通院の際に「院内を犬と一緒につれてあるくこと」がアンケートの意図ですか?
80 男 よく教育を受けた犬です。大歓迎。
48 男 院内ではマスクをつけると良い。
68 女 ぜひ、盲導犬の活躍の先駆けとなるような対応を期待したいが衛生面の配慮は十分に検討する必要があると思います。
41 女 盲導犬を受入れることはよいがそれに対する事故などの点はどうか。
64 女 その人の立場になれば必要なので認めなければと言う葛藤がある。子どもが恐れたり近づいたりするのが目に見える・・・・。
79 女 院内に犬はいりません。
72 男 怖い。
64 女 目の不自由な人には必要だと思うが院内は一寸。院内では福祉を考えるべきでしょう。
59 女 犬が好きでないので少し抵抗がある。
62 女 他の患者さんが理解されるまで時間がかかると思いますが必要なことは行動してみれば案外すんなり行くことも有ると思います。
88 女 入ってみないとわからない。
30 女 抜け毛が多い時期は注意。
63 女 世の中がともに生きる時代ですから。
74 女 盲導犬を連れている方には、犬をあずかって(病院で)病院内では看護婦さんがみてあげる。
44 女 前にかまれたことがある。
72 女 院内に当然とも思うが、どうも犬が好きでないのではっきりと賛成できない。
72 男 今は盲導犬を必要とされている人がたくさんおられます。又公共の場、乗り物にもあらゆる所へいかれるようになりました。病院も例外ではないと思います。そういった設備をされたらある程度の所まで入れるようにしたら身体の不自由な方も助かると思います。
82 女 都会ではよく見かけますが病院内では又田舎では一寸いろいろと考えさせられますが、もし利用できるようになるとすばらしいことと思います。
87 女 怖いからいない方が良い。
73 男 衛生的に注意すること。
75 男 盲導犬で事故があったかどうか知りたい。事故があったようならはいってほしくない。
76 男 良識ある行動だとよいと思います。
65 男 聞いたことはありますが見たことがないので良くわからない。
職員
51 女 これからはJ町も協力していって頂きたいです。
22 男 もっと盲導犬について詳しく知ることが出来る機会を作り、知識や注意について理解できればいいと思います。
23 男 院内どこでも可。条件付で。「当院では盲導犬を積極的に支援しております。皆様のご協力をお願い致します。」
28 女 質問の意図が全然わかりません。盲導犬の対応を考えるなら、その前に盲導犬に対する情報や知識について知り、それらを掲示されてから、みなさんへ意見を聞くほうが、より多くの意見が得られると思います。それに、盲導犬も含め社会生活を営んでいるということの意味を考えるべきだと思います。
30 女 バリアフリーという言葉が一般化してきている今日、世間にそれを定着させるべく先導者となるべき病院が、盲導犬を拒否するのはおかしいと思います。ハンディキャップをもった方々がどうすればハンディキャップにならないか、自立できるか、地域の皆様に本当の意味のバリアフリーノーマライゼーションを理解していただく良い機会だと思います。ただ、集団の場であり、特に体の弱い方がこられることが多い場所柄、少しでも患者の皆様誰もが不快な思いをしないよう十分な配慮は必要とは思います。
28 女 院内どこでも可。ただし清潔区域に準ずる所は不可。
41 女 盲導犬に対して日本も欧米並みに理解を持たなければならないと思う。
49 女 病室は、個室以外は同室者の許可を得る。アンケートのみでなく、盲導犬とそれを必要とする人達について広く啓蒙活動を行うことがまず必要。一部の限られた範囲でのアンケートでは不充分。
36 女 病室は不可 日常の犬のケアを確実にされている、主人との関係がしっかり出来ていることが前提だと思います。
39 男 病室可だが同室者の許可が得られたとき。
40 女 盲導犬について患者さん方も注意点を知っておられないと理解してもらえないので、張り紙などして周知してもらう必要があると思う。
24 女 診察室可だが科による。
38 男 処置室、透析室などの清潔度が必要な場所は不可。(Ope室などは論外)
51 男 透析室は狭いので問題があると思う。
53 女 良いことです。
46 女 不自由な人にとっては身体の一部と考えます。透析室内は清潔面から考えると無理と思いますし、こちらで誘導してあげられるので必要もないと思います。家から院内までで透析室外で待機できれば良いと思います。
34 男 自分自身は全く気にならないが、嫌い・怖いなどの感情を持つ患者も存在する可能性がある。やや極端な意見ですが、盲導犬の意義は認めるにしても現時点ではまだ院内導入に時期そうしょうと思います。
46 男 病院に入れる場合も所定の場所につないでおく必要あり。
27 男 現状のままでよいのではないでしょうか(無理にやらなくても) 理由はあえて言いません。
38 女 教育が充分されているアイメイトならよいが、とびついたりするアイメイトは不適切と思われる。(小児や高齢者も多いので)易感染のPtも多いと思うので感染源 になるのではないか?決まった場所につなぐか囲ってほしい。
32 女 盲導犬自体が清潔であればOKだと思います。
46 女 日常の盲導犬の清潔面での手入れはどのようにされているのでしょうか。
38 女 盲導犬は原則主人と一緒に行動するものだと思いますが、病院内の様子が解っているわけではないので、できれば守衛室のような場所(国立病院等にはある)で待機させることができるのが良いのではないかと思います。そのほうが盲導犬を知らずに手を出す人等から犬を守ってあげられるのではないかと思います。Ptは病院に着いたらスタッフが案内すれば良いと思います。
37 男 世論に乗っかるのでなく、現在の医療水準(医療見解)に従うことが必要であると考える。
50 女 不衛生面だけを考えると、ガウン等の対応で良いが、公的の場所で特に身体の弱い人等がいる所では精神面でのことも考える必要があるのではないでしょうか。
42 女 一般患者さんのことを考えると難しい気がするが、どうしても必要なことであれば… よくわかりません。
64 女 自分に盲導犬と医療の知識が浅いので良くわかりません。
58 女 盲導犬の持ち主にとっては目の役割をしているので希望をかなえてあげたい。

意見欄の集計はここまでです。次回は、このアンケートの自由記述部分以外の各設問とその回答についてご報告します。

盲導犬を同伴した視覚障碍者の動物園入園に関するアンケート調査結果報告(2)

前号に引き続き、動物園に対して行ったアンケートの結果をご報告します。

2.調査結果(2)
  1. 盲導犬を同伴しての入園が動物たちに望ましくない影響を及ぼすかどうか実際に試してみてほしい、と事前に申し入れをした場合、協力することはできますか?
      職員の都合がつけば協力する・・・・・・・・・20(29.9%)
      休園日であれば協力する・・・・・・・・・・・ 1( 1.5%)
      職員の都合がつき休園日であれば協力する・・・ 4( 6.0%)
      協力できない・・・・・・・・・・・・・・・・12(17.9%)
      その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3( 4.5%)
  2. 盲導犬について知っている事柄について
    盲導犬は目の不自由な人を誘導しているという役割を持つ犬なので、レストランや
      喫茶店の中へも連れて入ることができる・・・・・・・・・・・・・・55(82.1%)
      盲導犬に対して使用者でない人が勝手にさわったりエサをやったりしてはいけない
                    ・・・・・・・・・・54(80.6%)
      盲導犬の排泄は使用者がコントロールしているので、通常の場合、犬が歩きながらおしっこやうんちをすることはない・・・・・・・・・・・・・・・・50(74.6%)
      盲導犬が命令一つで何でもしてくれるというわけではないので、周囲の人の援助や
      誘導が必要な場合もある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48(71.6%)
      盲導犬の食餌・排泄・手入れなどの世話は、使用者である目の不自由な人がやっている                   ・・・・・・・・・・・40(59.7%)
  3. その他の意見
    盲導犬を同伴しての動物園の入園に関する自由記述欄には、アンケート回答者の半数以上である36(53.7%)の施設から意見をいただきました。
      盲導犬を同伴しての入園に対する肯定的な意見としては、
      ・入園可とパンフレットにも明記している
      ・ぜひ来てほしい
      ・積極的に受け入れたい
    といった意見が3件。また、ペットも同伴可能というところも1件ありました。
      ・心配はあるが積極的に取り組んでいきたい
      ・経験ないので分からないが協力していきたい
    といった意見もみられました。
     一方、盲導犬を同伴することも預かることもできないとする意見は、
      ・動物、盲導犬、互いの影響を考えると入園は不可、預かって万一のことがあれば困るので預かることもできない
      ・猪の曲芸に影響する
    というものがありました。
      盲導犬は同伴せず入園してもらうとする意見では、
      ・園の管理上、同伴は困難
      ・放し飼い動物の過剰反応による危害防止のため必要な措置
      ・動物が人間以外の動物に対応できていない
      ・伝染病感染の恐れから盲導犬は預かり職員が誘導案内する
      ・興奮・病気のおそれから受け入れられない
      ・ジステンパーワクチンを接種しているためにレッサーパンダに発症の恐れ
    盲導犬同伴では行ける範囲を制限するとした意見では、
      ・動物とふれあう趣旨で設立した動物園でほぼ放し飼い状態なので同伴は遠慮してほしい
      ・放し飼い施設は無理 
      ・以前に犬を入れたところ大変なパニックを起こした
      ・トラ、キジ類で反応があった
      ・サルのような神経質な動物の所は無理
      主に動物園の動物の反応が理由に挙げられています。これに関することは、盲導犬
    を同伴しての入園に制限を設けないと答えた施設からも出されており、
      ・過剰反応するだろうだが、
      ・動物たちが興奮することに関しては慣れればよいこと
      また、制限を設ける必要があるとしたその他の意見としては、
      ・場内のアップダウンがきつく盲導犬同伴で移動できるのは半分ぐらい
      ・急勾配の坂が多く制限が必要  受け入れる条件として挙げられたのは、
      ・介助者がいれば盲導犬は預かる
      ・係員の指示にしたがってほしい
      ・事前に連絡がほしい
      ・事務所で預かるので前日までに連絡して欲しい
      また、盲導犬に関する条件としては、
      ・ほえなければ大丈夫
      ・生ワクチン接種後2週間以内の入園はさけてほしい  具体的な記述ではないが、不安を感じている意見も出されており、
      ・動物の反応予測できない
      ・動物園スタッフがどのような対応すべきかわからず不安
      ・事例ないので不具合の有無が判断できない
    また、調査結果を知りたい、情報提供を希望するなどの意見も3件出されています。
      ・使用者以外が世話をした場合どういう不都合が生じるのか?
    といった質問もあり、
      ・公式な同行調査を行い結論を出したい
    とする施設もありました。  また、視覚障害者に対しては、
      ・目の不自由な方でも楽しめる動物園というのはあるのか
      ・点字設備なく楽しめないのではないか
      ・必要設備等の情報がほしい
      ・視覚障害者の関心度を知りたい
      ・利用できる場所とできない場所の区別をどうするのか
    などの意見が出されている他、
      ・職員が園内案内も可
    とする施設が3件あった。
      一方、過去に「盲導犬を預かることもできないので入園を断わった」施設から
      ・盲導犬使用者で一部特権意識を持っている人がいる。当園の事情を詳しく説明し
    たが理解してもらえず、関係団体に訴えてやると言い残して帰った例がある
    といったトラブルの例も報告されました。

21世紀の初夢

広島市 清水 和行

2019年1月、久保さんは「日本盲導犬情報センター」で『盲導犬情報』の編集後記を書いていた。実は、この日本盲導犬情報センターは、国産第一号の盲導犬チャンピーが誕生して50年になる2007年に全国の盲導犬協会が統一され、新「日本盲導犬協会」として新たな出発を切った際、盲導犬に関する様々な情報発信基地として京都に設けられた施設なのである。この『盲導犬情報』も1994年1月に準備号を出して以来、一度も休まず記念すべき第100号である。
  こっそり中味を見てみると、特集記事は『全国の盲導犬使用者1万人突破』とある。2000年にはわずか850頭しか実働していなかったのにこの20年足らずの間に10倍以上にも増加したのである。その要因は何と言っても盲導犬歩行訓練士が「日本盲導犬大学」で養成されるようになったことである。卒業生は、日本国内だけでなく、世界各地で活躍するようになってきている。大学の敷地内には「日本盲導犬繁殖センター」があり、犬の遺伝子の研究により健康で長生きする質の良い仔犬が大量に繁殖できるようになった。この技術によって繁殖した盲導犬は理論上約20年は実働するだろうと言われている。
  次は、『ここまで来た 盲導犬ロボット』という記事だ。盲導犬ロボットとはいっても形は犬とは異なり4本足の代わりにキャタピラーで前に進むので、階段程度の段差なら全く問題なく昇ることが出来る。また、衛星を使ったナビゲーションシステムにより、行き先を入力すればどこへでも連れて行ってくれる優れ者だ。私はやっぱり生きている盲導犬を選ぶが、犬の苦手な視覚障害者にとっては朗報かもしれない。
  ページをめくると、今度は『もうダスターコートはいらない 抜け毛が100分の1になるシャンプー新発売』という記事だ。なんでも月に1回このシャンプーで全身を洗ってやるだけ。ブラッシングしてもほとんど毛は抜けないそうである。タクシーやレストランで気を使うことがなくなる分、大変助かる情報だ。
 お知らせのコーナーには、『全日本盲導犬使用者の会 発足25周年記念行事のご案内』がある。何でも沖縄の国際会議場で世界各国から盲導犬使用者や盲導犬訓練士を集めてシンポジウムや研修会を行うとか。今では日本の盲導犬のレベルはかつての先進国であるイギリスやアメリカをしのぎ、世界の注目の的である。さぞ盛大な会になるであろう。
 ところで久保さんの編集後記はというと、まだほとんど進んでいない。毎度のことながら筆は遅々として進まないようだ。久保さんの傍らでは『盲導犬情報』編集長がすやすやと寝息を立てている。4代目編集長はラブラドゥードル(ラブラドール・リトリーバーとスタンダード・プードルの一代雑種)。アレルギー症を持った人にも使用できる盲導犬を育成する試験的な繁殖プログラムにより誕生したこの犬種も、25年以上たった今では盲導犬として一般的な犬種の一つだ。そんな編集長を横目で見ながら、久保さんはこの100号を一つの区切りにしたいと考えているようだが、さて25年間の思い出をどんな文章で締めくくるのだろうか。
 「久保さん、書きたいことがたくさんあって困っているんでしょう。この『盲導犬情報』は私たち使用者だけでなく多くの人達に有益な情報を提供し続けてきたんですものねえ。みんな感謝してますよ。もみじ饅頭でも食べて一息入れてはどうですか。」と熱いコーヒーを机の上に置いた瞬間、目が覚めた。

盲導犬情報ボックス

新しい社会福祉法・身体障害者福祉法

社会福祉事業法等が改正され、いよいよ今年4月1日から盲導犬育成事業も社会福祉事業として法的に認められることになりました。このことについては何度か『盲導犬情報』でも取り上げてきましたが、実際に4月1日から条文がどのように改正されるのかをみてみたいと思います。

まず「社会福祉法」ですが、第二条の改正により第二種社会福祉事業と定義されます。

第二条 この法律において「社会福祉事業」とは、第一種社会福祉事業及び第二種社会福祉事業をいう。

3 次に掲げる事業を第二種社会福祉事業とする。
五 身体障害者福祉法に規定する身体障害者居宅介護等事業、身体障害者デイサービス事業、身体障害者短期入所事業、身体障害者相談支援事業、身体障害者生活訓練等事業又は手話通訳事業、同法に規定する身体障害者福祉センター、補助具製作施設、盲導犬訓練施設又は視聴覚障害者情報提供施設を経営する事業及び身体障害者の更生相談に応ずる事業 また「身体障害者福祉法」では、第五条で、盲導犬訓練施設は身体障害者更生援護施設の一つとして明文化されます。

第五条 この法律において、「身体障害者更生援護施設」とは、身体障害者更生施設、身体障害者療護、身体障害者福祉ホーム、身体障害者授産施設、身体障害者福祉センター、補装具製作施設、盲導犬訓練施設及び視聴覚障害者情報提供施設をいう。

また、第二十一条は受託報酬、第二十一条の二は支給費用の額、第二十一条の三は社会参加を促進する事業の実施について書かれていますが、この三が四になり新たに次の一条が加わります。

(盲導犬の貸与)
第二十一条の三 都道府県は、視覚障害のある身体障害者から申請があったときは、その福祉を図るため、必要に応じ、盲導犬訓練施設における厚生労働省令で定める訓練を受けた盲導犬を貸与し、又は当該都道府県以外の者にこれを貸与することを委託することができる。

事業及び施設について書かれた一連の条文では、
(補装具製作施設)
第三十二条 −略−
(盲導犬訓練施設)
第三十三条 盲導犬訓練施設は、無料又は低額な料金で、盲導犬の訓練を行うとともに、視覚障害のある身体障害者に対し、盲導犬の利用に必要な訓練を行う施設とする。
(視聴覚障害者情報提供施設)
第三十四条 −略−

費用について書かれた一連の条文で盲導犬事業に関わる部分は、
(都道府県の支弁)
第三十六条 身体障害者の更生援護について、この法律において規定する事項に要する費用のうち、次に掲げるものは、都道府県の支弁とする。
三 第十三条から第十五条まで、第十九条の五、第十九条の六及び第二十一条の三の規定により都道府県知事が行う行政措置に要する費用
(都道府県の負担及び補助)
第三十七条 都道府県は、政令の定めるところにより、第三十五条の規定により市町村が支弁する費用について、次に掲げるものを負担する。
三 第三十五条第四号の費用のうち、当該施設の設置に要する費用(身体障害者福祉ホーム、身体障害者福祉センター、盲導犬訓練施設その他の政令で定める施設の設置に要する費用を除く。)については、その四分の一
(国の負担及び補助)
第三十七条の二 国は、政令の定めるところにより、第三十五条及び第三十六条の規定により市町村及び都道府県が支弁する費用について、次に掲げるものを負担する。
一 第三十五条第四号及び第三十六条第四号の費用(身体障害者福祉ホーム、身体障害者福祉センター、盲導犬訓練施設その他の政令で定める施設の設置及び運営に要する費用を除く。)については、その十分の五

編集後記

21世紀がスタートして1ヶ月がたちました。子供の頃、21世紀と聞くとどんな未来社会になっているのだろうと不思議に思っていました(こんなことを書くとトシがばれますが・・・)。いざ明けてみると、21世紀になったからとて急に何かが変化するわけでもなく、今まで通りの生活が続いていました。
 しかし、何も変化がないわけではありません。盲導犬事業を取り巻く社会も少しずつ変わってきています。法律も育成する施設もユーザーも社会も。もっと良くしたいという多くの人の思いが今のこの状況を作ってきました。今のこの状況は、例えてみれば、やっと畑を耕し終わったところでしょうか。さて、これから種を蒔き、おいしい野菜作りに挑戦!といきたいところです。(久保)