盲導犬情報 第34号(2002年7月)



内容




身体障害者補助犬法成立にあたって

第154回国会において「身体障害者補助犬法案」「身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化のための障害者基本法等の一部を改正する法律案」が全会一致で可決され成立、10月1日から施行されます。
  この法律の内容については、第32号の「盲導犬情報」にも掲載しましたが、今回は盲導犬情報風にこの法律を読み下してみたいと思います。正確さには欠く部分もありますが、大筋を理解するためのものとしてその点はどうかお許しください。

身体の不自由な人をサポートするように訓練された犬に関する法律

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、犬が身体の不自由な人をサポートするように訓練する団体やその犬のユーザーが守らなければならないことを決める。また、国が管理する施設を利用したり電車、バスなど公共の乗り物に乗るとき、ユーザーが犬を同伴できるようにするための対策を考える。こういったことにより、犬の訓練やユーザーがいろいろなところをスムーズに利用できるようにし、そうすることによって、身体の不自由な人が自分らしく生き、社会と関わりを持ちながら暮らしていくことを目的としている。

(定義)
第二条 この法律の中でいう「身体障害者補助犬」とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことである。
2 この法律でいう盲導犬は、道路交通法第十四条で規定する政令で定める盲導犬であって、しかもいろいろな人が利用する施設などに行った時に、周りの人に吠えたり噛みついたり、してはいけないところでウンチやおしっこをしたりして迷惑をかけたりする犬ではないと認められた犬のことをいう。
3 この法律でいう介助犬は、ふだんの生活の中でとても不自由を感じている手や足が不自由な人のために、物を拾ったり、運んだり、服を着たり脱いだりすることを手伝ったり、身体の向きを変えたり、立ったり歩いたりするときの支えになったり、ドアの開け閉めやスイッチを使ったり、いざという時に助けを呼んだり、その他いろいろ手足が不自由だと困ることを手伝う犬で、いろいろな人が利用する施設などに行った時に、周りの人に吠えたり噛みついたり、してはいけないところでウンチやおしっこをしたりして迷惑をかけたりする犬ではないと認められた犬のことをいう。
4 この法律でいう聴導犬は、耳が不自由なためにふだんの生活の中でとても不便を感じている人のために、ブザーや電話の音、人の呼ぶ声、警報などの音を聞き分け、ユーザーに必要な情報を伝え、時にはその音のする方へユーザーを誘導する犬で、いろいろな人が利用する施設などに行った時に、周りの人に吠えたり噛みついたり、してはいけないところでウンチやおしっこをしたりして迷惑をかけたりする犬ではないと認められた犬のことをいう。

第二章 身体障害者補助犬の訓練

(訓練事業者の義務)
第三条 身体障害者福祉法で規定する盲導犬訓練施設を経営する事業を行う者、介助犬訓練事業、聴導犬訓練事業を行う者は、盲導犬・介助犬・聴導犬として適性のある犬を選び、必要な時は獣医師の診断・治療を受け、ユーザーになりたいと思っている人が犬からどんなサポートを得たいと思っているのかをきちんと正しく把握し、その人に合わせた訓練を行い、質の高い盲導犬・介助犬・聴導犬を育てなければならない。
2 ユーザーの障害の程度が進行するために犬が行う作業の内容も変化すると予想される場合、盲導犬・介助犬・聴導犬の訓練事業を行う者は、医療機関と連携をとり、将来どんな作業が必要になるのか適確に把握しなければならない。
第四条 その場合、その犬の使用状況をチェックし、必要に応じて再訓練を行わなければならない。

(厚生労働省令への委任)
第五条 第三条、第四条で規定した犬の訓練に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第三章 身体障害者補助犬の使用に係る適格性

第六条 ユーザーは、他人に迷惑をかけないように自分が使う犬の行動をきちんと管理できなければならない。

第四章 施設等における身体障害者補助犬の同伴等

(国等が管理する施設における身体障害者補助犬の同伴等)
第七条 国や地方公共団体、独立行政法人、特殊法人、その他の政令で定める公共法人は、そこで管理している施設をユーザーが利用する場合、その犬が盲導犬・介助犬
・聴導犬であるという表示がしてあれば、その犬を同伴することを断ってはいけない。
  ただし、その犬を同伴することによって、施設がひどい損害を受けるか、その施設を利用する人がひどい損害を受けるおそれがある場合や、その他やむを得ない理由があれば、断っても致し方ない。
2 国等の事業所や事務所に勤務しているユーザーが、自分の職場に犬を同伴する場
合も同様である。
3 国等が管理する住宅に住む人が盲導犬・介助犬・聴導犬を使用する場合も同様で
ある。

(公共交通機関における身体障害者補助犬の同伴)
第八条 バスや電車、飛行機、船、タクシー等の公共交通機関やこれらの事業者が管理する施設をユーザーが利用する場合、盲導犬・介助犬・聴導犬を同伴することを断ってはいけない。ただし、その犬を同伴することによって、施設や車両がひどい損害を受けるか、これらを利用する人がひどい損害を受けるおそれがある場合や、その他やむを得ない理由があれば、断っても致し方ない。

(不特定かつ多数の人が利用する施設における身体障害者補助犬の同伴)
第九条 その他、多くのいろいろな人が利用する施設を管理する者は、ユーザーが盲導犬・介助犬・聴導犬を同伴することを断ってはいけない。ただし、その犬を同伴することによって、ひどい損害を受けるか、これらを利用する人がひどい損害を受けるおそれがある場合や、その他やむを得ない理由があれば、断っても致し方ない。

(事業所又は事務所における身体障害者補助犬の使用)
第十条 国などを除く事業主は、その事業所や事務所に勤務している人が盲導犬・介助犬・聴導犬を使用することを拒まないようにしなければいけない。

(住宅における身体障害者補助犬の使用)
第十一条 民間の住宅を管理する者は、そこに住む人が盲導犬・介助犬・聴導犬を使用することを拒まないようにしなければいけない。

(身体障害者補助犬の表示等)
第十二条 住宅を除く施設、公共交通機関を利用する場合、ユーザーは自分の盲導犬・介助犬・聴導犬が自分のために訓練された犬であることがわかるような表示(厚生労働省令で定めたもの)をしなければならない。
2 また、その場合、その犬が吠えたり噛んだりウンチをしたりするといったおそれがないことをハッキリさせるための書類(厚生労働省令で定めたもの)をユーザーは持っていて、関係者から求められたときは提示しなければならない。

(身体障害者補助犬の行動の管理)
第十三条 これらの施設を盲導犬・介助犬・聴導犬を同伴して利用するユーザーは、自分の犬が周りの人に迷惑をかけることがないように、犬の行動をしっかりコントロールしなければならない。

(表示の制限)
第十四条 どんな人も、盲導犬・介助犬・聴導犬以外の犬を同伴してこれらの施設を利用する場合、その犬に盲導犬・介助犬・聴導犬かと思わせるような紛らわしい表示をしてはいけない。ただし、盲導犬・介助犬・聴導犬としての訓練中の犬や認定を受けるための試験をしている最中の犬であって、しかもそれがわかるようにしてあればよい。

第五章 身体障害者補助犬に関する認定等

(法人の指定)
第十五条 厚生労働大臣は、盲導犬・介助犬・聴導犬の種類ごとに、それらの訓練又は研究を目的とする公益法人で、なおかつ第十六条の認定業務を適切で確実に行うことができると認められるものから申請があった場合、これらの業務を行う者として指定することができる。
2 厚生労働大臣は、指定を受けた法人の名前や所在地を公示しなければならない。
3 指定を受けた法人が、その名前や所在地を変更しようとするときは、厚生労働大臣にあらかじめ届け出なければならない。
4 厚生労働大臣は、これらの届出があったときは、変更事項を公示しなければならない。

(同伴に係る身体障害者補助犬に必要な能力の認定)
第十六条 指定を受けた法人は、盲導犬・介助犬・聴導犬とするために育成された犬で、ユーザーがいろいろな人が利用する施設などに行った時に、周りの人に吠えたり噛みついたり、してはいけないところでウンチやおしっこをしたりして迷惑をかけたりしない犬であると認める場合には、申請によって盲導犬・介助犬・聴導犬としての認定を行わなければならない。
2 指定を受けた法人は、認定した犬が周囲に迷惑をかけたりすると認められる場合は、盲導犬・介助犬・聴導犬としての認定を取り消さなければならない。

(改善命令)
第十七条 厚生労働大臣は、指定を受けた法人が認定業務を適正に行っていくために必要があると認めるときは、その法人に対し、改善のために必要な措置をとるよう命令することができる。

(指定の取消し等)
第十八条 厚生労働大臣は、指定を受けた法人が改善命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
2 厚生労働大臣は、その法人の指定を取り消したことを公示しなければならない。

(報告の徴収)
第十九条 厚生労働大臣は、指定を受けた法人が認定業務を適正に行っていくために必要があると認めるときは、その法人に対し必要な業務報告を求めたり、その法人の事務所等へ職員を派遣し、立入調査や質問をさせることができる。
2 立入調査や質問をする職員は、その身分を証明するものを携帯し、関係者が求めるときにはこれを提示しなければならない。
3 これらの立入調査や質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(厚生労働省令への委任)
第二十条 その他、指定法人や盲導犬・介助犬・聴導犬に関する認定に必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第六章 身体障害者補助犬の衛生の確保等

(身体障害者補助犬の取扱い)
第二十一条 訓練事業を行う者やユーザーは、犬の保健衛生について、獣医師の指導を受けること。また、犬を苦しめたりせず、愛情をもって接すること等、適正な取り扱いをしなければならない。

(身体障害者補助犬の衛生の確保)
第二十二条 ユーザーは、その犬の身体を清潔に保ち、予防接種や検診を受けさせ、公衆衛生上の危害を生じさせないように努めなければならない。

(国民の理解を深めるための措置)
第二十三条 国や地方公共団体は、教育活動や広報活動などを利用して、身体の不自由な人の自立や社会参加の促進のために、盲導犬・介助犬・聴導犬が果たす役割がいかに重要かということについて国民が理解を深めるように努めなければならない。

(国民の協力)
第二十四条 国民は、ユーザーに対し必要な協力をするように努めなければならない。

第七章 罰則

第二十五条 盲導犬・介助犬・聴導犬の認定を行う法人に対し、その認定業務を適正に行っていくために必要な業務報告を求めたときに報告をしなかったりウソの報告をしたり、その法人の事務所等への立入調査を拒否したり、質問に答えなかったりウソをついたりした場合、その違反行為をした法人の役員又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

附則

(施行期日)
第一条 この法律は、2002年10月1日から施行する。ただし、第二章の「訓練事業者の義務」など「身体障害者補助犬の訓練」の規定のうち介助犬・聴導犬に関する部分は2003年4月1日から、いろんな人が利用する施設を盲導犬・介助犬・聴導犬を同伴して利用することに関する規定は2003年10月1日から施行する。

(経過措置)
第二条 道路交通法で定めた盲導犬については、当分の間、第五章「身体障害者補助犬に関する認定等」の規定は適用しない。
第三条 2004年9月30日までは、第十六条で規定する指定法人の認定を受けていない介助犬・聴導犬でも、その犬に「介助犬」「聴導犬」と表示をすることができる。
第四条 その他、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(新たに身体障害者補助犬が行う補助以外の補助を行う犬が使用されることとなった場合の措置)
第五条 ふだんの生活の中でとても不自由を感じている身体に障害をもつ人をサポートするため、盲導犬・介助犬・聴導犬が行うこと以外のことをする犬が新たに出てきたときは、その使用状況を考慮し、身体障害者補助犬の制度の対象を拡大するために必要な法制上の処置が講ぜられるものとする。

(検討)
第六条 この法律を施行してから三年が経った場合、盲導犬・介助犬・聴導犬の育成状況や、施設、公共交通機関などでの受入れ状況、その他この法律の施行の状況について検討し、その結果に基づき、必要な措置が講ぜられるものとする。

ここまでが平たくした「身体障害者補助犬法」です。一方、本会議における票決の前日に開かれた厚生労働委員会では、これらの法案が議題として取り上げられ、審議されています。厚生労働委員会のメンバーである議員の質問に対して、以下のような内容の発言がありました。

  1. 予算など国の施策について

    (1)公的な助成制度の充実について
      山本幸三衆議院議員「えさ代、獣医医療費等の管理費用に関する公的な助成制度について、障害者の自立及び社会参加を図る上で極めて重要であると考えており、助成制度を是非お願いしたいと思っている」
      坂口厚生労働大臣「犬のえさ代とか、いろいろ費用が掛かると思うが、それらは利用者にお願いする以外にないだろうと思っている。ハーネスについてどうするかというところまで決まっていないが、最初は付いているわけだから、その後はご本人でやっていただくということができれば有り難いが、検討はする」

    (2)身体障害者補助犬の育成、普及のための施策について
      宮路厚生労働副大臣「盲導犬の育成については、都道府県が行う盲導犬育成事業に対して国として補助をやってきている。施設整備、盲導犬の訓練施設の整備についても、新たに国庫補助の対象としてその整備を図るというような努力もしている。ただ、盲導犬を訓練する職員の養成問題、ここのところは実は今のところまだ手が届いていないところであるので、今後その養成の在り方について検討して何らかの手立てを講じていければと思っている」

    (3)予算措置について
      宮路厚生労働副大臣「盲導犬の育成に対する国の支援について、従来から補助事業を行っており、今後更に頭数の拡大等、その内容の充実に向けて努力をしていかなければならないと思っている」

  2. 身体障害者補助犬について

    (1)身体障害者補助犬に必要な能力の認定について
      金田誠一衆議院議員「身体障害者補助犬を使用する身体障害者に対し公共施設等の利用を保障するためには、その前提として身体障害者補助犬が当該施設等やこれを利用する不特定多数の者に迷惑を掛けないように行動することができる、このことが必須用件であり、第十六条は、そのような能力についての認定制度を設けたもの。具体的には、施設利用に際して、ほえない、かみ付かない、排せつをしないなど、他人に迷惑を及ぼさないよう適切な行動を取るための最低限の能力を認定の対象とした。
      その質の担保については、訓練事業者に厚生労働省令で定める訓練基準に従って訓練をし、良質な身体障害者補助犬を育成すべき義務を課すとともに、身体障害者補助犬訓練事業を第二種社会福祉事業と位置付け、社会福祉法ないし身体障害者福祉法に基づく監督を及ぼしているところである。その義務に違反するようなことがあれば、社会福祉法あるいは身体障害者福祉法に基づく報告の徴収、立入検査、業務停止命令等の監督権限の行使により訓練事業の適切な運営を確保することが可能である。
      なお、第十六条により、認定の申請がなされた犬が補助を行なう能力に欠ける犬であることが明白である場合には、認定を保留する場合もあり得る」

    (2)一般的に犬が人間に対して与える健康面での影響について
      高原厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長「犬が人間に与える健康面の悪影響には、大きく分けて二つあり、動物由来感染症やアレルギー疾患の問題が考えられる。
      人が犬から感染する動物由来感染症については、現代の医学・獣医学的な科学的知見に基づき、対策が必要な疾病に対しては、法律やガイドライン、旧厚生省の課長通知で対策が講じられている。特に狂犬病については、狂犬病予防法に基づき、飼い主にワクチン接種の義務を課している。
      犬等の動物がアレルギー疾患の原因となる可能性については、犬の清潔を保つために、シャンプーや体毛の手入れの必要性について、使用者に対して周知徹底を図るということで対応できるのではないかと考えている」

  3. 身体障害者補助犬を育成する法人について

    (1)身体障害者補助犬の認定を行なう法人について
      金田誠一衆議院議員「身体障害者補助犬に関する認定は、施設等の利用に際して、ほえない、かみ付かない、排せつをしないなど、他人に迷惑を及ぼさないよう適切な行動を取るための能力を認定するものであり、その認定を受けた身体障害者補助犬については施設等の管理者はその同伴を拒んではならないなどの法律上の義務を負うことになる。
      このように、身体障害者補助犬に関する認定は、施設等の管理者に受忍義務を課す等の重大な効果を発生させるものであることから、認定業務はその適正さが強く求められるものであり、適切、確実かつ継続的、安定的に行なうことができると認められる者でなければならない。したがってその指定の対象としては民法上の公益法人及び社会福祉法人に限定することとするのが現時点では適当であると考える。
      認定業務に関して知識、能力を有しているが(社会福祉法人としての)財産要件を満たすのが困難な団体もあると思う。そこで、(法案の)提案者としては、厚生労働省に社会福祉法人の財産要件を緩和する方向で検討を強く要請しているところである」
      青山二三衆議院議員「指定法人の要件については、詳細は厚生労働省令に定められることになるが、第十五条に規定されているように、指定を受けるには、まず第一点目として、身体障害者補助犬の訓練又は研究を目的とする民法上の公益法人又は社会福祉法上の社会福祉法人であること。第二点目として、身体障害者が身体障害者補助犬を同伴して施設等を利用する場合において、身体障害者補助犬が適切な行動を取る能力を有するかどうかに関する認定の業務を適切かつ確実に行うことができることが条件になる。
      指定法人の数については、身体障害者補助犬を利用する身体障害者の利便性を考慮すると、一つよりも複数の団体であるべきものと考えている。ただ、認定は身体障害者補助犬の能力を第三者的な立場から統一的に判定するものであり、指定法人が乱立して認定についてもばらつきができるようなことは避けるべきであると思われる。したがって、指定法人については、中立性と公平性、また認定試験官の能力保持、質の向上のため複数団体の方がよいと考えている」

    (2)会計報告の義務について
      武山百合子衆議院議員「盲導犬、介助犬又は聴導犬の各訓練団体に対する監督上の権限が社会福祉法及び身体障害者福祉法上に規定されているのだから、都道府県知事は、これらの権限を適切に行使することによって、適切かつ透明性のある運営がなされるように監督していただきたい。また、各訓練団体自身も、社会的な責任を負う団体であることを自覚し、情報公開を進め、開かれた運営を行っていただきたい」

    (3)運営の効率性について
      坂口厚生労働大臣「(育成に掛かる期間、費用について、盲導犬育成団体によって差がありすぎるのではないか、との指摘に対し)いずれの団体であるにしても、運営の在り方は透明性でなければならないことは、論をまたないというふうに思う。
      数を多くするのか、それとも質を良くするのかという話にもなるが、程度物であるから、できるだけその内容は透明にし、より多くの訓練された犬を作り上げていただくようお願いしたい。また指導をしたいというふうに思っている」

  4. 身体障害者補助犬の使用者について

    (1)年齢的要件について
      武山百合子衆議院議員「特に年齢要件は設けていない。第六条で「身体障害者補助犬を使用する身体障害者は、自らの身体障害者補助犬の行動を適切に管理することができる者でなければならない」と規定してあるだけである。
      幼児の場合は一般的に適切な行動管理能力を持っていないと考えられるが、一律に何歳以上でなければならないということではなく、使用者が適切な行動管理能力があるかないかを見ていくべきものと考えている」

    (2)補助犬の衛生の確保について
      武山百合子衆議院議員「第二十二条は公衆衛生上の危害を生じさせないようにすべき努力義務を課した規定である。その具体的な内容としては、その使用する身体障害者は、補助犬にブラッシングや身体を洗うことにより落ち毛やノミなどが付着するのを防ぎ身体を清潔に保つこと、狂犬病の予防注射や検診を受けることなどが考えられる」

  5. 社会の受入れ体制について

    (1)施設利用を拒否した場合の罰則規定、救済措置について
      児玉健次衆議院議員「施設利用を拒否した場合の罰則規定、救済措置に関して、補助犬に対する社会全体の理解と同意の前進に努めることが現在の主眼である、こういう考えから努力義務規定とし、罰則を設けることはしなかった。
      国等が管理する施設、公共交通機関等については本年十月一日から、不特定多数の方が利用する民間施設については明年十月一日から、当該施設を管理するものは補助犬の同伴を拒んではならないという法律上の義務を負う。民間施設について施行を一年遅らせたのは、民間の事業者でもあること、そして実際上も対応マニュアルの作成など一定の時間が掛かる、このことに配慮した結果である。受け入れ体制が整い次第、できるだけ速やかに身体障害者補助犬の受入れを認めていただけるようご協力を願いたいと思っている」
      坂口厚生労働大臣「(円滑な施設の利用ということについて、情報提供が大切になってくる。この法律を契機に総合的な窓口設置をしたらどうか、との質問に対して)各団体に対して徹底をするということはまず第一。そしていろいろのことが起きたときの窓口は、厚生労働省、都道府県にもつくり、それぞれの窓口でいろいろのことがあれば、それを厚生労働省が聞かせていただくということが大事。その両方で行きたいと思っている」

    (2)学校教育機関における受入れ体制について
      玉井文部科学大臣官房審議官「各学校における、補助犬を必要とする児童生徒の補助犬の受入れについて、一般的には児童生徒本人が補助犬を指導管理できること。その上で、教員の理解や支援はもちろん、周囲の児童生徒や保護者の理解が非常に重要になってくると思う。さらに教育委員会と学校間の十分な連携も大切だと考えている」

    (3)訓練中の犬に対する受入れについて
      岩村国土交通省総合政策局長「訓練犬を一人前の身体障害者補助犬と育てていくためには、実際の交通機関等、そういう公共の場で訓練をすることが重要であるというふうに思う。ただ、その際、交通機関等公共の場というのは不特定多数の多くの方が集まるわけで、その際、一つは受入れ側の同意が要るということ、それからもう一つは周囲の人とか施設に迷惑とか危害が及ぶことのないようにする必要があろうかと思う。
      今後、この法律成立後、訓練基準等を作っていくんだろうと思うが、その基準を作る際には、例えば周囲の人や施設に迷惑や危害を及ぼさない程度に十分なしつけが行われている訓練犬であること、また訓練を行う際には訓練者が周囲の人や施設に迷惑や危害を及ぼさないように責任を持ってかんりすること、そういった基準を盛り込むことによって、実際の場での訓練が円滑に、そして一般の方に迷惑が掛からないようにする必要があろうかと思っている」
      中川智子衆議院議員「厚生労働省内に設置されている訓練基準に関する検討会でも議論があると聞いているし、訓練が最終段階に入った訓練犬を訓練したトレーナーが責任を持って管理している状況の中でのみ訓練犬の表示をして社会参加の訓練をすべきだと考えている。
      その表示方法については、厚生労働省からの通知等に明記するとともに、十分な啓発活動を行い、社会での混乱のないようにしていただけるよう、議員連盟も継続して頑張っていきたいという思いもあるので、その辺りに関しては見届けていきたいと考えている」

  6. 身体障害者補助犬法案の考え方と成立後について

    (1)法案の意義と基本理念について
      児玉健次衆議院議員「法案の名称が補助犬法案であるが、その内容、目的は障害者の社会参加の権利保障にあるとのご指摘には全く同感である。通常の人間的なニーズを満たすのに特別な困難を持つ、この特別な困難を除き、あるいは軽減する上で補助犬は生きた補助具として大きな役割を果たすのではないでしょうか」

    (2)法案の附則第六条における三年後の見直し規定について
      中川智子衆議院議員「本法案は、補助犬を使用されていらっしゃる方、待機されている方々にとっては悲願とも言える法律で、成立が待ち望まれていた。しかし法案の成立はゴールではなくスタートだと肝に銘じている。身体障害者補助犬を推進する議員の会においてしっかりと三年間の運用を見届けたい、それが大切だと思っている。
      具体的には、補助犬使用者の社会参加状況がどの程度改善したか、どのような問題があったか、受入れ側にどの程度本法案の啓発教育が浸透したか、また育成側や認定機関で実際どのような課題があり、どのような改善が必要か、そのようなことについて見直しの前に複数回の調査が必要だと考えている。
      その調査のために調査研究費などが助成されることについては、議員の会としてもしっかりと厚生労働省並びに関連の各省庁に働き掛けをしていき、この三年間しっかり頑張って、その後の見直しに生かしたいと思っている」

    これらの質疑の後、厚生労働委員会では、全会一致で身体障害者補助犬法案及び身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化のための障害者基本法等の一部を改正する法律案の両案が採択されました。
      この他、質疑の中で出てきた話として、介助犬ユーザーの中学生と同じクラスに喘息の子どもがいたそうで、学校側は介助犬ユーザーと喘息の子どもの席の位置を端と端に離して様子をみるという対応をしたとの話が紹介されていました。一方、気になる話としては、インターネットの情報による話として、JR東海が介助犬に対して乗車テストを行った際、ある個室に通されて、クリームパンを犬の鼻や口に押し付けられて、介助犬が顔を背けても、なお無理に押し付けられて介助犬も思わずくわえてしまった、さらに失礼しますと言って前足を革靴で踏んだり、頭などを二、三回たたいたりした、という話が出ました。公的認定制度があれば、独自の乗車テストなどする必要もなく介助犬の同伴は認められるとのことですが、誰がどんな考えで作ったテストマニュアルなのか、これがもし盲導犬でユーザーに対して何の説明もなくなされたとしたら、ちょっと心穏やかにはいられない話です。
      また、附則第六条にあるように、「身体障害者補助犬法」は、施行後三年が経過した後に検討が加えられ必要な措置が講ぜられる、とあります。今からがこの法律を本当に必要な法律に変えることができるチャンスでもあります。
      なお、厚生労働省では、様々な政策案に対してパブリックコメントを募集しています。パブリックコメントとは、行政機関が政策の立案等を行おうとする際にその案を公表し、この案に対して多くの国民や事業者などから意見や情報を提出してもらうというものです。10月1日の施行に向けて、この身体障害者補助犬法関連のパブリックコメントが募集されるかもしれません。コメントは電子メールでも郵送でも受け付けています。インターネットを利用される方は、厚生労働省ホームページの中のパブリックコメントを募集しているページ

    http://www.mhlw.go.jp/public/index.html

    をチェックしてみてください。

損害賠償を請求された盲導犬ユーザー

−控訴審の結果について−

「盲導犬情報」第32号の中で、神奈川県内に住む76才の女性が、盲導犬ユーザーに衝突されたことによって転倒、足を骨折するけがをした、と主張し約850万円の損害賠償を求めた裁判についてお伝えしました。昨年12月、横浜地方裁判所川崎支部は、請求を棄却する判断を下したものの、原告側はこれを控訴。この訴訟の行方が気になるところでしたが、6月5日、東京高等裁判所においても原告の請求は棄却され、原告側は控訴せず結審しました。
  原審では、女性に衝突したのはユーザーかどうか、ユーザーに過失はあるかどうか、といった点で争われました。これに対し裁判所は、原告(女性)が倒れていた地点と被告(ユーザー)が通行人と接触したため立ち止まった地点との間の距離は2メートル以上あり、接触地点から2メートル以上離れた地点に転倒するというのは不自然であることや、他に目撃者がいないことなどから、女性に衝突したのはユーザーではないと判断し、訴えを退けました。
  しかし、東京高等裁判所では、原審と異なり、ユーザーがこの女性に「衝突したと認められる」と事実経過を訂正しました。その上で、ユーザーには「前方確認義務違反等の過失があるとまでは認められないと判断」し、「結論としては、原審と同様に」女性の請求を「棄却すべきものと判断」しました。
  ユーザーは、相手にぶつかったのは自分ではない、と思ったからこそ、和解にも応じず事実を争ってきましたが、裁判所は、ユーザーがぶつかったものと判断しました。その上で、
「(1)視覚障害者も、社会の一員として、健常者と同様に、歩行する際は、人との衝突を避けるため、前方を確認する義務を負い、道路を通行するときは、政令で定めるつえ(白杖等)を携え、又は政令で定める盲導犬(白色などのハーネスをつけ、一定の訓練を経た犬をいう。)を連れていなければならない(道路交通法第14条1項)。この法律の趣旨は、もとより、視覚障害者のみに対し、白杖や盲導犬の使用を義務づけ、自己及び他人の安全に配慮させようとするにあるのではなく、白杖や盲導犬により視覚障害者であることを容易に識別させ、健常者においても相応の注意を払うことを期待し、これにより、社会一般の通行の安全を維持しようとするにあると解するのが相当である。(略)
(2)(略)白杖の使用や盲導犬に対する指示について不適切な点があったことを窺わせるに足りる証拠もない以上、前方注視義務に違反したと認めるには足りないというべきである。
(3)白杖による前方の確認には死角がないわけではなく、白杖により控訴人の存在を確認できなかったとしても、確認義務を怠っていたということまではできない。
  また(略)被控訴人の盲導犬に対する指示について不適切な点があったと認めることもできない。
(4)控訴人は、(略)衝突されて転倒し、重大な傷害を負ったのであるが、駅構内の通行人が多かった事情の下では、他人の通行を妨げないようにし、かつ自己の身を守るという配慮がやや希薄であったと推認され、(略)真に不幸な事故に遭遇したと認められる。しかしながら、(略)被控訴人が控訴人と衝突したことについて、被控訴人に過失があると認めることはできない」
と判断し、ユーザーに対して損害賠償を求め原判決の取り消しと損害賠償金の支払いを求めた控訴を棄却する、と結論付けました。
  白杖や盲導犬を使用するのは、視覚障害者だけが自分自身と周囲の安全に配慮すべきだからではなく、周囲に自分が視覚障害者であることを知らせ、周囲の人にも注意を払うことを促し、どちらも安全に通行できるようにするという意味がある、という点や、今回のケースのように白杖や盲導犬の使用に不適切な点が認められない場合は、通行人に衝突してもそのユーザーに過失があるとは認められない、とした裁判所の判断は評価できるものだと思われますが、視覚的に相手や状況を確認することができない人に対して、公平な裁判を展開する難しさも感じられた一件でした。
  また、白杖や盲導犬を適切に使用して歩いている視覚障害者だけでなく周囲の人の方も注意を払わなければならないからといっても、歩いているとき誰かにぶつかったら、まず「ごめんなさい」という言葉が出てしまいがちです。このとき「見える人がちゃんと気をつけてくださいよ」なんて言ってしまえば、丸く収まる話もカドが立ってしまうかもしれません。でも、もし裁判になったとき「ごめんなさい」を口にしたことで自分の加害性を認めたと受け取られてしまうとしたら、気軽に謝るのも怖くなってきます。「ごめんなさい」より「大丈夫ですか」という質問形にすべきなのでしょうか。
  こうなると、普段から自分が加害者になる危機感をもっておき、その対策をたてておいた方がいいかもしれません。犬の入院や通院の際に見舞金が出たり、犬が何かを壊したときの損害賠償をするペットを対象にした保険もいくつかあるようですが、視覚障害者自身が加害者・被害者になった場合を想定しての保険もあります。6月中旬に横浜で開催された福祉機器展示会(視覚障害リハビリテーション協会主催)に出展していた企業の中に、有限会社ピー・アール・エフという総合保険コンサルティング会社がありました。会場で配布されていた資料によれば、例えば「ホームで他人にぶつかってしまい、その人が線路に落ち、ケガをしてしまった」「商品の陳列物に誤ってぶつかってしまい、壊してしまった」といった場合や「段差・階段等でつまづいて転んでしまった」とか「赤信号に気付かず道路を横断してしまい、交通事故に遭ってしまった」といった場合などにも適用される傷害保険があるようです。保険内容にもよりますが、掛け金は月払いで1,000円〜4,000円のものがチラシには載っていました。日常生活を取り巻く様々な危険に対して、こういった傷害保険の利用も考えてみてはいかがでしょうか。

盲導犬との生活をもっと楽しくするテクニック

「新幹線で隣席の人に気がねしないためのテクニック」

広島市 清水 和行

私自身できているかどうかはなはだ疑問ですが、盲導犬と共に「さりげなく」、「スマートに」、「のんびり」、「楽しく」というのを理想と思っていて、そのために工夫していることがいくつかあります。こういった工夫やテクニックをお持ちのユーザーは他にもおられると思いますが、今回は私が新幹線に乗るときのテクニックをご紹介しましょう。

東京から大阪方面へ行く下りの新幹線に乗るときは、奇数号車の最後尾の座席を取ります。奇数号車の最後尾の席だと、他人の目を借りることなく自分の座席を見つけられること、トイレやごみばこが最も近いこと、リクライニングを遠慮せずめいっぱい倒せることなど、いいことがたくさんあります。
  そして、盲導犬を座席の後ろと壁の間にあるスペースにダウン・ステイさせておきます。使用者は通路側の席がいいです。大きめの荷物があるときは、網棚にのせず、盲導犬の出口をふさぐように座席の後ろにおいておきます。座席の後ろにステイさせた盲導犬の動きが気になるときは、リードを長くして自分の座席の背もたれと隣の座席の背もたれの間からリードの端を出して、肘かけにひっかけたり、手で持っておくなどします。
  というのも、実は一番後ろの座席と壁との間は、想像以上に広いスペースがあるのです。初めて発見したときは驚きました。ここなら、盲導犬は手足を充分伸ばしてゆっくり休めます。荷物を通路側に置くことで、盲導犬が通路に出ることを抑制できますので、車内販売のワゴン車などの通行のじゃまになることはありませんし、第一盲導犬が安全です。また、通路側の席に座っていれば、盲導犬の様子を確認するのに便利です。
  4人とか6人で旅行するときは、座席を回して向かい合わせに座ることがありますが、そうすると盲導犬を足元におく十分なスペースがなくなってしまいます。でも、座席の後ろのスペースにステイさせておけば、向かい合わせの席にしても大丈夫です。3人がけの席の後ろなら、2頭は楽勝です。
  もちろん大阪方面から東京方面に行く上りの新幹線に乗るときは、座席の向きが逆になりますから、偶数号車の最後尾の座席ということになります。
  念のために書き添えておきますが、これはこうしなければならないというのではなく、こんな方法もあるよというものです。一度、お試しあれ。

この原稿は、全日本盲導犬使用者の会メーリングリストに投稿されたものをご本人の許可を得て「盲導犬情報」に転載させていただきました。メーリングリストとは、登録されたメンバー同士が、電子メールを利用して意見交換ができる場です。全日本盲導犬使用者の会では、ホームページを運営しており、メーリングリストに参加を希望される場合は、このホームページから登録ができます。ホームページアドレスは以下の通りです。
   http://www.o-h.co.jp/~zenken/
  また、こういったちょっとした工夫やテクニックをお持ちの方は、ぜひ「盲導犬情報」に投稿してくださいませんか。一人一人の持っている技を一人でも多くのユーザーで共有できれば、盲導犬との生活ももっと快適なものになるかもしれません。

全国盲導犬施設連合会からのお知らせ

「盲導犬ハンドブック」ができました

盲導犬ユーザーが社会にもっとスムーズに受け入れられるように、このほど日本財団の助成を受けて「盲導犬ハンドブック」を作成しました。B5版31ページのもので、各場面における具体的な盲導犬ユーザー受け入れの留意点や資料などを載せています。

資料的なものとして掲載されているのは、

具体的な対応については、

といった項目に分け、写真や絵を入れて説明しています。

主に上記の職種に従事されている方を対象にしたハンドブックですので、墨字版しか作成していませんが、このハンドブックをご希望の場合は、連合会事務局または連合会加盟施設に問い合わせてみてください。なお、郵送を希望される場合には、郵送料を申し受けることになりますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

盲導犬情報ボックス

日本の盲導犬使用者数

社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会リハビリテーション部会盲導犬委員会の「2001年度盲導犬訓練施設年次報告書」を参考にして2002年度3月31日現在の日本の盲導犬使用者数を出すと、次のようになりました。

北海道:60 青森県:2 岩手県:9 宮城県:10 秋田県:16 山形県:5
福島県:9 茨城県:18 栃木県:15 群馬県:8 埼玉県:46 千葉県:24
東京都:71 神奈川県:41 新潟県:19 富山県:8 石川県:27 福井県:5
山梨県:13 長野県:27 静岡県:29 愛知県:38 岐阜県:12 三重県:10
滋賀県:7 京都府:21 大阪府:54 兵庫県:52 奈良県:11 和歌山県:12
鳥取県:6 島根県:9 岡山県:14 広島県:31 山口県:19 徳島県:7
香川県:6 愛媛県:15 高知県:8 福岡県:27 佐賀県:11 長崎県:10
熊本県:21 大分県:13 宮崎県:13 鹿児島県:20 沖縄県:6  
合計 915          

日本に在住の盲導犬使用者は、915名。前年度に比べると23名増えています。1頭の盲導犬を夫婦・親子の二人で使用するタンデム方式の盲導犬使用者が前年度より3組多く20組いますので、盲導犬の頭数で数えると895頭。昨年より20頭増えています。
  タンデム使用者を育成施設別にみると、北海道盲導犬協会2組、日本盲導犬協会1組、関西盲導犬協会7組、日本ライトハウス8組、福岡盲導犬協会2組となっています。都道府県別では、北海道2組、山梨県1組、三重県1組、京都府1組、兵庫県3組、和歌山県2組、島根県1組、広島県3組、山口県3組、福岡県1組、熊本県2組、と地域的には広がっているようです。
  1年間の育成頭数でみると、2001年度は120頭で、前年度に比べると4頭少なくなっています。その内、都道府県など公的助成を受けて育成された盲導犬は73頭。あとの47頭は、各盲導犬育成施設が独自に得た寄付などにより育成されています。
  また、新規の使用者のパートナーとなったのは67頭、代替えは53頭で、新規の方が55.8%と代替えよりやや多くなっています。また、2001年度中に引退あるいは死亡した盲導犬は100頭、その内の47頭の盲導犬の使用者は代替えの盲導犬を希望しなかったか、希望しても代替えの盲導犬を得られなかったのではないかと考えられます。

お詫びと訂正

前号の「編集後記」で人工授精により北海道盲導犬協会の繁殖犬が子犬を出産したことをお伝えしました。この中で「冷蔵精子を使った人工授精」とありますが、「冷蔵精子」は誤りで、正しくは「冷蔵精液を使った人工授精」でした。お詫びして訂正します。

編集後記

身体障害者補助犬法案が成立してから、どうも一般の方からの苦情が増えたような気がします。「どこそこ町にいる盲導犬は庭に鎖につながれっぱなしでかわいそう」
「通勤の時よく同じ車両に乗り合わせる盲導犬が汚くてくさい」など。中には「電車の中でブルブルって身体をゆすった。そんなことを盲導犬がしていいのか」といったような返答に困る苦情もあります。
  身体障害者補助犬法によって、完全にユーザーの権利が保障されたわけではないのに、ユーザーの義務だけが一般の方々に強調されて受け止められてしまったのでしょうか。市民一人一人がユーザーのチェックマンになってしまったとしたら・・・。そのうち「赤い顔をして盲導犬と歩いている。飲酒運転ではないのか」なんて苦情が舞い込んでくるかもしれません。(久保)