盲導犬情報 第45号(2005年4月)



内容




海外で取得した盲導犬の認定について

現在、日本国内では、盲導犬の育成は「盲導犬の訓練を目的とする」法人で「国家公安委員会が指定したもの」が行うものと定められています。また、2002年10月1日から施行された身体障害者補助犬法では、盲導犬を含む身体障害者補助犬は

  1. その犬がどこで育成されたか
  2. いつ認定されたか
  3. どこの指定法人が認定したか
  4. 指定法人の連絡先はどこか

がわかるような表示を付けることを、使用者に義務づけています。

ところが、海外で盲導犬を取得したユーザーが日本に帰国した場合、あるいは海外の盲導犬ユーザーが日本に長期滞在する場合、当然のことながら海外の育成施設は国家公安委員会から指定された法人ではありませんから、この「身体障害者補助犬法」という法律からすると、盲導犬であるという表示ができません。海外では問題なく盲導犬として作業していた犬も「盲導犬という表示がしていないから盲導犬とは認められない」と言われてしまえば、公共交通機関やデパートやレストラン等の施設を利用するのにも支障をきたすことになりかねません。盲導犬でありながら法律的には盲導犬として認められない、これは実に奇妙な事態と言えるのではないでしょうか。

このような事態を回避するためには、国内の指定法人のどこかが海外の施設で育成された盲導犬を盲導犬として認定するという方法が考えられます。しかし、聴導犬や介助犬と違い、これまでの日本では、盲導犬を訓練した指定法人自身が育成した盲導犬を盲導犬として認定し目の不自由な方へ貸与しており、自分の法人以外が訓練した盲導犬を認定する、という事態は想定していませんでした。そこで、一部の法人では、他の訓練施設が育成した犬を盲導犬として認定する業務を行えるよう、事業計画の変更を国家公安委員会に届け出て受理されています。

その後、今年3月に、アメリカで育成された盲導犬の認定を(財)関西盲導犬協会が行ないました。ユーザーはアメリカ滞在時に盲導犬ユーザーとなった日本人で、帰国後の生活の中では「正規の盲導犬とは認められない犬だから」と施設の利用を拒否されそうになったこともあった、とのこと。

現在、海外で育成された盲導犬をお使いのユーザーは数人おられるようです。しかし、日本の指定法人が育成した盲導犬数および実働数は、日本盲人社会福祉施設協議会リハビリテーション部会盲導犬委員会から毎年報告されていますが、海外で育成して日本に入国、長期滞在している盲導犬の数は報告されていませんので、正確な数字はつかめていません。今後は、実数を把握し、日本の各指定法人が適切な対応を取ることが必要になってくるものと思われます。

また、(財)日本盲導犬協会では、海外から帰国または日本に長期滞在するユーザーの盲導犬だけでなく、短期滞在者に対しても3ヶ月という期限付きで認定を行なっています。

盲導犬ユーザーのコーナー

後に続く盲導犬ユーザーのために(ハーネスバック一杯の夢)

愛媛県 菊池 眞二

昭和61年3月、初代の盲導犬「シモーナ」は私に、風を切って自由に歩ける喜びを教えてくれました。当時のことは全日本盲導犬使用者の会発行『犬と歩いて(P.63)』で書いていますので、よろしければお読みになってください。
 しかしながら、その頃はまだまだ、盲導犬に対する理解など薄く、JRでも「犬に口輪をして下さい」と言われたり、レストランでも「他のお客様に迷惑ですから」などと言われて入店拒否を受けることも度々ありました。そんな無理解な時代でしたから、盲導犬を同伴して行動するには、もっと社会的に認知していただくとともに、理解し受け入れていただける必要性を強く感じていました。
 さらに、盲導犬そのものの犬としての幸せ(健康面、引退後の生活など)も地域格差が大きく、都会では医療費の補助が充実していますし、引退犬ボランティアさんも地元にいらっしゃいますので、引退後も交流が続いているケースもよく耳にしますが、訓練所から遠く離れた愛媛県では、地元で引退させることも不可能ですし、盲導犬に対する医療費なども何の補助もありません。そんな盲導犬が背負っている目には見えない重圧を、少しでも軽減してやることはできないものなのだろうかと常日頃から考えてきました。
 私の周りの視覚障害者の声を聞いておりますと、「盲導犬を持つと便利なことと、逆に不自由になることがあるから」と盲導犬の取得に対して二の足を踏むような発言をよく耳にします。それは、まさに盲導犬の置かれている環境が荊の道の様な感想を持ってしまっている人が多いからなのではないでしょうか。一般社会の人たちには、盲導犬に対して一定の評価をしていただく声を多く聞くのに対して、何という皮肉な事でしょう。

平成14年(2002年)10月1日から「身体障害者補助犬法」が施行され、長年の夢であったアクセス権が、社会的に認められ、私たち盲導犬使用者もこの法律を完全実施させたいとの思いから、愛媛県内各地の盲導犬使用者の皆様のご理解をいただき、2003年3月30日、(財)愛媛県視覚障害者協会会長様の肝いりにより、身体障害者補助犬法の完全実施と、補助犬の愛護・啓発・普及を目的とした「愛媛パートナードッグの会」を設立することとなりました。
 しかしながら、立ち上げ当初は、素人集団の私たちには、どこから始めれば良いやら分からず、テレビや新聞などマスコミからの「補助犬法」のインタビューを受けるぐらいが関の山という状態でした。会員内部からも、会独自の何か活動ができないものかという声が沸き上がってきたのです。
 そんな暗中模索の中、ある関西地方のボランティアさんから、寝たきりの引退犬をケアするのに大量のタオルなどが必要だと聞きました。そこで、(財)愛媛県視覚障害者協会や(社)愛媛県鍼灸マッサージ師会の皆様にお願いして、古タオルや使用済みの紙製の枕カバーなどを集めて、寝たきりの引退犬をお世話いただいているボランティアさんに送る活動を始めました。といっても車など運転できるはずもない私たちにとって、皆様からご提供いただいた物資の輸送には限界があるのも事実でした。マイクロバスを利用して集会に参加する機会を利用して運んだり、手に持てる範囲の量をいろいろな集会に参加するたびに持ち帰るという、極めて非効率的な手法しかなかったのです。それでも、引退犬ボランティアさんから「重宝しているよ」といっていただくたびに、少しは役に立っているのかなあと思うのでした。
 その後、対外的な活動も強化したいということで、2004年5月23日、愛媛県今治市のしまなみ海道の来島(海峡を歩くイベント「ふれあいわんわんウォーク2004(しまなみ大会)」を計画し実施しました。
 このイベントにより、獣医師の先生やサポートボランティアさんなど多数の貴重なご支援をいただける皆様が集まりましたし、マスコミ各社も取り上げてくれ、毎日新聞などでは盲導犬の医療費そして引退犬等についても報道して下さいました。それがきっかけとなって、地方自治体として初めて私の住む愛媛県八幡浜市が、県内初の狂犬病予防接種の減免措置及び費用負担を決断する事となったのです。
 本当に僅かなことなのですが、全く何もなかった地方に、小さな運動の成果が形として見られた初の出来事として、とても嬉しく思いました。続いて県内の他の市にも交渉しておりますが、前向きに考えていただいている様です。
 さらに、つい先だって、地元のあいテレビがリタイヤ犬ボランティアについて取り上げ、結果一名ボランティアを希望される方の申し出がありました。誤解の無いよう申し添えますが、正式にリタイヤ犬ボランティアをしていただくには、あくまでも訓練所を通すことが必須だと考えております。
 その他、讃岐うどんを食べに高松市までみんなで出かけて、四国の他県のユーザーと交流したり、5000人規模で行われた日本福祉財団の「子供たちフェスティバル」や、セラピードッグの普及活動をしている、NPO法人ドッグコミュニケーションの「犬の運動会」などに出向いて、啓発運動を展開しております。
 さらに、昨年に続いて「第2回ふれあいワンワンウォーク2005(道後大会)」を4月24日に計画し準備しております。今年は、松山市の道後温泉の足湯巡りを中心としたイベントとなりました。道後温泉といえば夏目漱石の小説「坊ちゃん」が有名ですが、その時代の坊ちゃんやマドンナの衣装も用意して、着てみる事としました。私が坊ちゃんの衣装を着たら、坊ちゃんというより鹿児島の西郷さんだねぇとスタッフからひやかされております。この「ふれあいワンワンウォーク」は今後も県内各地を巡って行きながらその町の皆様とふれあい、盲導犬の実際を知っていただき、より理解者や支援者の増加をはかって会の拡大を進めていきたいと考えています。また、社会へのアピールと同時に私たち使用者自身も資質向上をはからなければ本末転倒ということになりかねません。
 そこで、今後私たち盲導犬使用者は盲導犬に対する管理能力を高める事が、急がれると考えております。訓練所を出るときには仮に80点の盲導犬もその後の使用者の努力で、良き相棒として、盲導犬らしい盲導犬と成長していくものもいる反面、管理の怠慢から70点、60点とペット化し、他人に迷惑をかけるものも出ています。そこで、せめて2年に一度は訓練所の応援をお願いして、卒後研修を開いて、盲導犬使用者としての意識を再認識していただき、盲導犬の管理レベルの底上げができないか?などと考えたりしております。

私たち、愛媛パートナードッグの会は、盲導犬使用者自身が中心となって活動している団体ですから、事務員さんがいるわけでもありません。チラシやポスターさらには県・市・マスコミなどの後援依頼などの書類も、手書きの書類はどうにもなりませんので、晴眼者ボランティアにもサポートしていただいていますが、音声パソコンで制作が可能な文書は自力で行っております。とにかく、全盲というハンディーに甘えることなくできるところまでは自力でやりたいと思っております。
 私たちの願いは後に続く盲導犬使用者の皆様が、盲導犬を持って良かったなあと思える環境を整備していきたいということと盲導犬自身が犬としても幸せに生活していける環境作りです。究極的な願いは、愛媛県地方に住む視覚障害者の皆様が、一度は盲導犬を持ってみたいと思える社会を作りたいという、夢の様な環境です。
 今日も、私の2代目となる盲導犬のカーディフのハーネスバックに、小さな夢を一杯詰め込んで、手を取り合ってともに活動する仲間たちとともに、明日に向かって歩いて行きたいと願っております。

地震体験

福岡県 栗田 陽子

3月20日に福岡を襲った地震の際に、私とレベッカ(盲導犬)が体験したことを書かせて頂きます。
 地震の大きさは、皆様もニュースでご存じのことと思いますが、福岡市内は、震度6強でした。天神は福岡でも一番の繁華街、沢山の商業ビルが建ち並ぶ中心都市です。
 私は、天神の岩田屋デパートの地下2階で買い物中に地震に遭遇しました。「ドドドド」と、言葉では表現しにくい大きな地響きと共に、激しい揺れが始まりました。後で教えて頂いたのですが、30秒も地震は続いたそうです。私も恐ろしくて、買い物を手伝って頂いていたデパートの男性スタッフにすがりついていました。立っていることが出来ず、しゃがみ込んでしまいました。そのスタッフの方は、他のお客様に「頭を抱えて姿勢を低くするように」とか、「火元を消して」など、叫びながら、私の体とレベッカの体を抱きかかえて、上に被さるようにしてかばって下さいました。盲導犬ユーザーとしては失格だと思いますが、ほんの一瞬、恐ろしさのあまり、レベッカのことに気を配ることが出来ませんでした。はっとしてリードを持ち直すのが精一杯でした。
 人の悲鳴と、デパートのスタッフの方の注意を呼びかける叫び声と、品物の転落する音で、私の周りは騒然となりました。30秒は、とても永く感じ、恐ろしく生きた心地はしませんでした。
 地震が収まった後も直ぐには立ち上がる事が出来ず、床に座り込んだままレベッカの体を撫でてあげましたが、レベッカも、とっても興奮してジタバタしていました。動物には地震を予知する能力があるとも聞きますが、レベッカは気がついていたのでしょうか?私がレベッカの合図に気がつかなかったのかな?
 それから、また揺れるかもしれないからと促され、「地下では危険なので地上へ上がりましょう」と声を掛けられ、漸く歩き始めました。品物は転落し、花瓶やガラス製品が割れ、入り口周辺の大きなガラスには何本も亀裂が走っていたそうです。けが人や気分が悪くなり救急車で搬送されるお客様も数名いらっしゃいました。従業員の誘導で、皆、1階の入り口付近に避難しました。そこでも、子どもの泣き声や、口々に「恐ろしかった」と話し合う声や、必死に家族へ連絡をするために携帯で電話をしようとする人たちの声でざわついていました。

初めの大きな地震の後も、数分から数十分おきに体に感じる余震が繰り返し襲い、揺れる度に心臓が締め付けられるようでした。デパートの営業は中止となりましたが、買い物を手伝って下さっていた方をはじめスタッフの方が続けてサポートして下さいました。デパートの方のご厚意に甘えて、交通機関の回復を待つことにしました。  家族や友人に無事を知らせたいと思い、携帯電話を握りしめ何度もダイヤルしました。電話が混線し数十回に一度しか繋がらず、このような緊急事態では直ぐには役に立たないことを知りました。

地震の恐怖、これからどうなるんだろうという不安、それに加えて、人間のトイレの心配がありました。岩田屋デパートではトイレが使用出来なくなり、それが数時間続き、私は二度「トイレを使いたい」と申し出をしましたが、「使えない、スタッフも我慢しておりますので」と断られてしまい、とうとう三度目のお願いをしてしまいました。すると従業員トイレへ案内して下さったのですが、使用を禁止されているトイレですから申し訳ない気がしました。11時少し前に地震が起こり、14時ぐらいになると、「このまま交通機関が回復しなければ、今日は、デパートに泊まる事になるのかな?」と心配になり、レベッカのドッグフードはどうしようかと真剣に悩み始めていました。

時間が経つにつれ、地震の激しさと被害の大きさを知ることになりました。  デパートの本館と新館を繋ぐ6階の通路の床が浮き上がり、連結部が壊れ、今にも崩れ落ちそうだとも聞かされました。その空中廊下は、1年前に完成したばかりのものでした。  私が帰宅する際に利用する高速バスの運行状況を尋ねるために、バスセンターの周辺へ行ってみました。街頭に立つ西鉄バスの職員の方が三越デパート3階のバスセンターのガラスと壁が壊れ利用出来ないこと、私が乗車する小倉方面行きの高速バスの発着場所が「中洲」に変更され、「何時とは言えないが徐々に動き始めているので、バスが来るでしょう」と教えて下さいました。通常、長距離バスが発着しているバスセンターから中洲のバス停までは、1.5キロ以上離れています。レベッカのトイレを済ませ、バス停まで歩くことにしました。中洲のバス停へ向かう途中、街の様子を伺い、更に恐ろしくなりました。歩道や車道の陥没している様子、皆様もニュースでご覧になったと思いますが、福ビルの数百枚のガラス、その隣の天神コアのガラスも粉々になり歩道に散乱している様子、その他にもビルの外壁が落ちている所などをデパートのスタッフの方に説明して頂きながらゆっくりと歩きました。  地震により、高速道路の陥没による通行止めや公共交通機関が全てストップしました。街は高速道が通行止めになったので、一般道に車が溢れ、渋滞し、公園やデパートの広場には人だかりができ、特に街頭テレビが設置されている所は通れませんでした。歩道には当てなく歩く人々が溢れていました。パチンコ店とマクドナルドは営業を続けていましたが、ほとんどの施設は営業を中止していました。街並みの状況を伺うと、レベッカと一緒に移動することも困難だろうと感じました。バスの停留所で待っていても、私が乗車するバスはやってきませんでした。  そんな時、午後から話し合いを行う予定だった福岡盲導犬協会の事務局から、私の安否を気遣い携帯へ電話を頂きました。「自宅まで送るから事務局までタクシーでいらっしゃい」とのご親切なお言葉でした。其処から20分ほどタクシーに乗り協会の事務局へ向かい、自宅まで車で送っていただきました。タクシーは空車がなく、呼び止めることはとても大変でしたし、自宅までは普段の3倍以上の時間が掛かりました。

今回は、地震が起こった時にデパートで買い物中でスタッフの方が気遣って下さいましたし、協会の事務局の方に自宅まで送っていただきましたが、もし、町中を一人きりで歩いていた時に地震に襲われたらどうなっていただろうと考えると怖くなります。夕方には、交通機関は徐々に回復し動き始めましたが、長距離バスのようにバスセンターではなく発着場所が行き先によって数カ所に振り分けられると、一般の方には、混雑を避けられメリットが多いかもしれませんが、私たちには乗り場を確認することが難しく、更に乗り場までたどり着くことが困難になると感じました。  私は、災害の状況や交通機関の情報がなかなか取れずに困りました。これからは携帯ラジオを持ち歩こうと思います。  地震に遭遇する前は、考えたこともなかったのですが、「一人きりの時に地震や水害などの災害に遭遇したら、どう対処すればいいのだろう?」と、自問自答を繰り返してしまいます。  私は、少し過敏になってしまっているようで、夜は熟睡できず、揺れると直ぐに目がさめます。それに、突風や雷の音がすると、「えっ、地震だ」と勘違いし、心臓がドキッとするのを感じます。レベッカを伴い一人で出かけることが怖くなり、外出を控えています。

私は、地震が起こってから自宅にたどり着くまでの間、どれぐらいレベッカの事を気遣ってあげられただろうか?と振り返ると、レベッカの方がどっしりと落ち着いていたように感じます。  地震後のレベッカの様子ですが、初めの地震が起こった時には、興奮してはいましたがその後は落ち着きを取り戻し、余震に動揺を見せることなく、私の指示に従いおとなしく寄り添ってくれていました。20時近くに帰宅してからは、非常に疲れていたようで、夕食のフードを食べてからずっと爆睡しているように見えましたが、余震があると、立ち上がる事はありませんがキョロキョロ頭を上げて落ち着かない様子が数日続きました。それから、緊張のせいかワンツーに今まで以上に時間が掛かり、便が軟らかくなっていました。  やはり怖い思いをし、ストレスをかけたのだと思います。  地震から2週間が過ぎた現在では、体に感じる地震の回数は数日に1回程度と少なくなり、それに伴ってレベッカの様子は落ち着きを取り戻しつつあるように見えます。ワンツーのペースも整って来ているようです。私もホッとしています。  地震の激しかった福岡の中心部、天神で体験したことを書かせて頂きました。

私はケガや家屋の損壊など表面的には被害は受けませんでしたが、現在も時々余震があり、その度に不安になり精神的には健康とは言えません。  「備えあれば、憂いなし」と言いますが、我が家では、避難用具を全く準備しておりませんでしたし、避難場所の確認もしておりませんでした。今回、とても慌てて地震に備えて準備をしました。  自然災害は突然襲って来るので気を付ける方法が少ないですが、皆様もお気をつけ下さい。  この地震のニュースをご覧になってご心配下さった皆様、ありがとうございました。福岡のユーザーとパートナーのケガや被害のニュースは、今の所、私の耳には届いていないことも、重ねてご報告しておきます。

この原稿は、全日本盲導犬使用者の会メーリングリストに投稿されたものをご本人の許可を得、一部加筆していただき「盲導犬情報」に転載させていただきました。メーリングリストとは、登録されたメンバー同士が、電子メールを利用して意見交換ができる場です。全日本盲導犬使用者の会では、ホームページを運営しており、メーリングリストに参加を希望される場合は、このホームページから登録ができます。ホームページアドレスは以下の通りです。   http://www.e-guidedog.net

「身体障害者補助犬法改正対策使用者団体連絡協議会(補改使連)」が発足

2005年1月30日、身体障害者補助犬法改正対策使用者団体連絡協議会(以下、補改使連)が設立されました。漢字で23文字という長さの団体名ですが、「身体障害者補助犬法の改正に向けて、盲導犬・聴導犬・介助犬使用者の立場から現行の身体障害者補助犬法の課題を明らかにするとともに、盲導犬・聴導犬・介助犬使用者の意見を集約・調整し関係諸機関に対して働きかけて行くことで、身体障害者補助犬法の主旨・目的に基づいてその実効性を高め、もって身体障害者の自立と社会参加を実現すること」を目的として設立されました。会長は盲導犬ユーザーである竹前栄治氏、副会長に介助犬ユーザーの木村佳友氏、聴導犬ユーザーの松本江理氏、事務局長に盲導犬ユーザー渡辺宏氏が就任されています。
 日本で訓練されるようになって半世紀近い盲導犬と1990年代に訓練が始まった聴導犬・介助犬。一般社会での認知度も違いますし、身体障害者補助犬法の中でも認定方法など盲導犬と聴導犬・介助犬を取り巻く状況にはいろいろと異なる点があります。そのような状況の中で、それぞれの身体障害者補助犬ユーザーがそれぞれに要望していたのでは、要望の内容もまちまちになり、改正に向けて充分な力を発揮することが難しいこともあると思います。しかし補改使連の発足によって、盲導犬・聴導犬・介助犬ユーザーが一堂に会し改正に向け足並みをそろえて取り組んでいく基礎ができたのではないでしょうか。
 「身体障害者補助犬法がより実効性の高いものに改正されるよう、補助犬使用者の声をまとめて社会にアピールしていきたい」と、補改使連では、設立されて間もない2月4日に厚生労働省へ身体障害者補助犬法改正についての要望書を提出。同月25日には「身体障害者補助犬を推進する議員の会」へ要望書を提出、橋本龍太郎議員など7名の議員と面会し要望書を提出するなど、積極的に活動を開始されています。
 また、すでにホームページも開設しています。アドレスは以下の通りですので、アクセスしてみてください。

http://www.geocities.jp/hokaishiren/

全国盲導犬施設連合会からのお知らせ

全国盲導犬施設連合会では、全国盲導犬普及キャンペーンの一環として、毎年度ポスターと「デュエット」という機関誌を作成しています。  今年は全国盲導犬施設連合会発足10周年記念特別号ということで、機関誌「デュエット」第14号の表紙を元大関のKONISHIKIさんが飾っています。脚を広げて座っているKONISHIKIさんの前にハーネスをつけたラブラドールの成犬が座り、座っているKONISHIKIさんの胸の前には子犬が抱かれています。KONISHIKIさんの顔に写真のピントが合っているため手前のラブラドールはちょっとピントが甘い感じ・・・。それだけKONISHIKIさんが大きいということでしょうか。KONISHIKIさんに抱かれた子犬も、突き出たおなかの上に乗ってクッションは良さそうですが、ちょっとビックリしているふうにも見えます。
 さて、その中身はというと、巻頭は特別座談会としてKONISHIKIさんと3人の盲導犬ユーザーのフリートーク。盲導犬よりは大好きな家族のことが話題の中心になっていますが、家族を想う気持ちも盲導犬を想う気持ちも同じ。その盲導犬と共に楽しく暮らせる社会が実現できるようにがんばろう、と言うユーザーに
「がんばりすぎて、ムリしないで。がんばりすぎると、負担になっちゃうからね」
と声をかけるKONISHIKIさん。彼のあたたかな人柄が感じられる座談会だったようです。
 ポスターの方は、連合会のマークがついた青いTシャツを着たKONISHIKIさんがラブラドールの盲導犬のハーネスを持って立っている姿。犬の横幅の4倍はありそうなKONISHIKIさんですが、その右横には「この子たちの愛は、ボクよりでっかいよ。」という文字が入っています。
 これらのポスター・機関誌は、全国盲導犬施設連合会の募金箱を置いてくださっているスーパーなどで手にすることができます。機関誌は無料で配布していますが、置いてあるお店が近くにないという場合は、連合会事務局または連合会加盟施設に問い合わせてみてください。なお、郵送を希望される場合には、郵送料を申し受けることになりますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

見直すならこんなトコ<身体障害者補助犬法・私の意見(2)>

No.3 盲導犬ユーザーの入店を拒否した飲食チェーン店・A社社員・男性

身体障害者補助犬法に関しても、当然遵守し、補助犬の同伴を認めさせていただきたいと考えています。店舗への指導徹底不足により、今回のような不手際があり、ご迷惑をおかけしました。今回の反省を踏まえ、店舗へは補助犬法の趣旨を伝達し、指導強化していきます。また該当の店舗には対応を改めてもらう約束を取り付けましたことをご報告します。

No.4 盲導犬ユーザーの入店を拒否した飲食チェーン店・B社社員・男性

該当の店舗からまだ報告を聞いていないので、(補助犬ユーザーの入店を拒否したということは)知りませんでした。本社としてどういう方針を立てるべきか、検討して、結果をご報告いたします。

歩行ガイド補助具 DOGSIM(ドッグシム)のご紹介

日本テレソフト社は、オランダに本社のあるKOM社と提携し、DOGSIMという歩行補助具の発売を始めるそうです(販売価格はおよそ20万円の予定)。DOGSIMは4つの車輪と金属フレームからできています。前輪のフレームの上にハーネスのハンドルがついていて、利用者はこのハンドルを持ちます。後輪から上に伸びたフレームが腰のあたりぐらいから後ろに伸び、この後ろに伸びた持ち手(一輪車の持ち手の片方だけのものによく似ています)をガイドする人が持ちます。

この補助具の利点としては、

  1. 盲導犬歩行の疑似体験ができ、それによって利用者が歩行手段を選択する上での情報とすることができる
  2. 共同訓練前に盲導犬との歩きを疑似体験することで、犬との歩きに慣れておくことができる

といったことが挙げられています。また、盲導犬ユーザーが新しいルートを学ぶ時や、指導員を訓練するためのツールにもなる、とのこと。

白い杖での歩行では障害物にあたることが自分のいる位置、周囲の状況を知るために大事な手がかりになりますが、盲導犬は障害物を避けるという歩き方になり、両者の歩き方には大きな違いがあります。また、スピードも大きく違います。その上、新しく訓練された盲導犬の誘導は、慣れないユーザーにとってなかなか難しいこともあります。その点、DOGSIMは盲導犬との歩行をより容易に疑似体験でき、白杖から盲導犬への移行をスムーズにするものとのことで、昨年5月にスイスで開かれた国際盲導犬連盟主催のセミナーでも「白杖と盲導犬の間で」との演題で報告されています。
 さて、実際の使い心地はどのようなものでしょうか?体験された方がおられたら、是非感想をお聞かせください。

盲導犬情報ボックス

介助犬・聴導犬の訓練事業者について

前回、介助犬・聴導犬に関する身体障害者補助犬法第15条に基づく指定法人が5団体とご紹介しましたが、今回は、2005年2月15日現在で介助犬・聴導犬の訓練事業者として届け出をすませている事業者をご紹介します。

1.介助犬訓練事業関係 (計21事業者)
2.聴導犬訓練事業関係 (計17事業者)

編集後記

現在の「身体障害者補助犬法」では、海外からの旅行者が快適に盲導犬と旅行を楽しもうと思うなら認定を受けることが必要なのかもしれません。では、逆の場合はどうでしょう。盲導犬を同伴し海外旅行を楽しんだ日本人ユーザーは、それぞれの国で認定を受けていたでしょうか?その犬が盲導犬として相応しいかどうかは、それぞれの国の盲導犬育成施設が判断していることなのだから、海外旅行者の盲導犬を盲導犬として社会が受け入れるぐらいの度量は、日本にもあっていいんじゃないかなぁと思ってしまうのですが・・・。
 ところで、中越地震の後、福岡、千葉と大きな地震が続いています。「災害は忘れた頃に・・・」なんて言いますが、忘れる間すらありません。防災グッズとして人用と犬用の両方を備えておきたいものです。(久保)