盲導犬情報 第52号(2007年1月)



内容




都道府県・指定都市が実施する盲導犬育成事業について

盲導犬情報室では昨年11月、47都道府県と15政令指定都市(以下、指定都市という)で、身体障害者補助犬および盲導犬の育成事業がどのように取り組まれているのか、各身体障害者福祉主管課に問い合わせてみました。同様の調査は1996年、2002年にも行っていますが、昨年から障害者自立支援法が施行されたことによりどのような変化があったのでしょうか。

1.身体障害者補助犬育成事業実施の有無について

盲導犬育成事業の実施状況は、1県が「休止中」、11都市が「実施していない」と答えており、実施率は都道府県で97.9%、指定都市で26.7%、全体で80.6%となっています。2002年の実施率は都道府県で95.7%、指定都市で92.3%、全体で95%でしたから、盲導犬育成事業を実施している指定都市は4年前に比べると激減しているといえます。 これは、「障害者自立支援法」の施行により、「身体障害者補助犬育成事業」が都道府県が実施する地域生活支援事業に組み入れられたためと考えられます。しかし「実施している」と回答した指定都市も4都市あり、そのうち2指定都市は施設に対する運営費補助、1指定都市が育成費補助、1指定都市が委託契約により補助犬育成事業を実施しています。

2.実施の形態について

盲導犬育成事業を実施するにあたっては、都道府県・指定都市が特定の団体や盲導犬育成施設、または視覚障碍者が希望する盲導犬育成施設と委託契約を結ぶ方式と、運営費あるいは育成費について盲導犬育成施設や特定の団体に補助金を交付する方式があります。
 委託契約方式をとっているのは、36都府県1指定都市。補助金交付方式は、10道県3指定都市でした。

2-1.委託契約方式

委託を行っている36都県1指定都市のうち、盲導犬育成施設を委託先にあげたのは11都県。そのうち7県は委託先の施設を1施設に限っています。宮城県は日本盲導犬協会、栃木県は栃木盲導犬センター、石川県・宮崎県・鹿児島県はアイメイト協会、鳥取県・香川県は日本ライトハウスに委託先を限定しています。一方、複数の施設を委託先に上げたのは、4都県。神奈川県は北海道盲導犬協会・アイメイト協会・日本盲導犬協会、埼玉県・東京都はアイメイト協会・日本盲導犬協会、山口県は日本ライトハウス・九州盲導犬協会を委託先にあげています。
 また、視覚障碍者が希望する盲導犬育成施設に委託すると回答があったのは、青森県・岩手県・山形県・福島県・群馬県・千葉県・新潟県・山梨県・長野県・静岡県・滋賀県・京都府・兵庫県・愛媛県・沖縄県・さいたま市の15府県1指定都市。4年前に比べ「視覚障害者が希望する施設に委託する」と回答した自治体は若干増えています。
 委託先として盲導犬育成施設以外の団体をあげているのは7県。岐阜県は岐阜県視覚障害者福祉協会、三重県は三重県視覚障害者協会、島根県は島根ライトハウスライブラリー、岡山県は岡山県身体障害者連合会、広島県は広島県視覚障害者福祉協会と広島ハーネスの会、徳島県は徳島の盲導犬を育てる会、高知県は高知県盲導犬協会に委託し、盲導犬育成事業を実施しています(高知県盲導犬協会は盲導犬訓練施設をもたない法人です)。
 この他、秋田県は「積雪時の歩行訓練が可能な施設」、大阪府は「貸与候補者選考審査会において決定」と答えています。

2-2.補助金交付方式

1道9県3指定都市では、盲導犬育成施設または視覚障害者団体等に補助金を交付して盲導犬育成事業を実施しています。委託契約とは異なり、その地域の盲導犬育成施設に補助金を交付している自治体がほとんどで、北海道盲導犬協会には北海道、中部盲導犬協会には愛知県・名古屋市、日本ライトハウスには奈良県、九州盲導犬協会には、福岡県・福岡市のほか佐賀県・北九州市が補助金を交付しています。
 また、富山県は富山県視覚障害者協会、大分県は大分盲導犬協会に補助金を交付しています(大分盲導犬協会は訓練施設をもたない法人です)。その他、和歌山県・長崎県・熊本県は、「未定」と回答もしくは未記入でした。

3.実施内容について

3-1.委託・育成補助頭数

1年間に委託されている身体障害者補助犬の育成頭数の総数は 130頭(一部、昨年度の実績頭数でカウント・「未定」と回答した2自治体はカウントせず)。
 育成頭数の内訳を尋ねると、内訳に盲導犬以外の補助犬の育成頭数もあげている自治体は1都1府6県。1指定都市は「盲導犬以外の補助犬」と回答。1道11県2指定都市は、内訳に盲導犬のみの頭数をあげています。補助犬育成事業を行っている自治体のほぼ半数に当たる26府県1指定都市は、盲導犬・介助犬・聴導犬それぞれ何頭育成するかについて、その内訳は「未定」と答えています。
 内訳が未定とした頭数もすべて介助犬や聴導犬ではなく盲導犬の頭数としてカウントすると、1年間で育成される盲導犬の総数は最大で 119頭となります。介助犬や聴導犬の育成頭数が増えれば盲導犬の数は 119頭よりも少なくなるわけですが、2002年は 111頭でしたので、多くの指定都市が補助犬育成事業を実施しないようになったにも関わらず、育成頭数が大幅に減少することはなさそうです。

3-2.金額からみた実施内容

どれほどの金額が盲導犬育成事業に使われているかについてですが、委託契約の場合の1頭あたりの育成費は平均すると1,809,793円(2002年には1,833,253円)。最高金額は2,045,000円(2002年は2,100,000円)。最少金額は1,200,000円(2002年は800,000円)でした。
 補助金を交付している場合は、運営費補助の名目で補助金を交付しているのが1県2指定都市で、平均1,201,333円(2002年は1,210,000円)。また、育成費補助の名目で補助金を交付しているのは1道9県2指定都市で、1頭分の金額としては平均1,496,850円(2002年は1,263,129円)。最高金額は1,985,000円(2002年も同額)。最少金額は500,000円(2002年は405,200円)でした。ただし、最少金額の自治体は、育成費のほかに運営費も補助しています。

3-3.視覚障碍者の負担額について

ほとんどの自治体が盲導犬育成費に関する視覚障碍者の負担額を「無料」と答えていますが、2県のみが「所得に応じて決定する」と答えています。

3-4.その他の助成について

その他実施されている盲導犬に関する助成施策について尋ねたところ、「狂犬病予防法に基づく飼犬登録手数料、予防注射料等の減免を行っている」と回答のあったのは、福井県・岡山県・さいたま市・神戸市・福岡市の2県3指定都市。川崎市は獣医師会が実施しています。
 それ以外の「盲導犬の診療代・薬代の助成」を行っているのは福井県・横浜市・さいたま市・神戸市。「えさ代の助成」は愛知県・仙台市・名古屋市。「訓練にかかる旅費など、取得にかかる費用の助成」は鳥取県。「犬舎など飼育用品の購入費用の助成」は神戸市。その他、東京都は東京都獣医師会から無料診療券の寄付、長野県は補助犬の健康診断について助成を行っているとのことでした。
 ただし、これらの費用の減免・助成に関しては給付条件や金額の上限が決まっている場合があるようです。

4.都道府県・指定都市別 盲導犬育成事業実施状況 一覧

(都道府県名、実施の形態、育成する補助犬の種類と頭数、委託契約・補助金交付先の順に記載)

 実施の有無内訳委託先
北海道補助金盲導犬9北海道盲導犬協会
札幌市実施しない  
青森県委託未定1希望施設
岩手県委託未定2希望施設
宮城県委託未定2日本盲導犬協会
仙台市実施しない  
秋田県委託盲導犬2積雪時の歩行訓練が可能な施設
山形県委託未定1希望施設
福島県委託未定1希望施設
茨城県委託未定3希望施設
栃木県委託盲導犬1栃木盲導犬センター
群馬県委託未定2未定
埼玉県委託盲導犬6/他1アイメイト協会/日本盲導犬協会
さいたま市委託盲導犬2希望施設
千葉県委託盲導犬2/他1希望施設
千葉市実施しない  
東京都委託盲導犬8/介助犬1/聴導犬1アイメイト協会/日本盲導犬協会
神奈川県委託盲導犬5/介助犬2/聴導犬1アイメイト協会/日本盲導犬協会/北海道盲導犬協会
横浜市実施しない  
川崎市実施しない  
新潟県委託盲導犬3希望施設
富山県補助金盲導犬1富山県視覚障害者協会
石川県委託盲導犬2アイメイト協会
福井県休止中  
山梨県委託未定2希望施設
長野県委託未定3希望施設
静岡県委託未定10希望施設
静岡市実施しない  
愛知県補助金盲導犬4中部盲導犬協会
名古屋市補助金盲導犬0/他1中部盲導犬協会
岐阜県委託未定2岐阜県視覚障害者福祉協会
三重県委託未定2三重県視覚障害者協会
滋賀県委託未定1希望施設
京都府委託盲導犬1/他1希望施設
京都市実施しない  
大阪府委託未定6貸与候補者選考審査会において決定
大阪市実施しない  
堺市実施しない  
兵庫県委託未定3希望施設
神戸市実施しない  
奈良県補助金盲導犬1/介助犬1日本ライトハウス
和歌山県補助金未定1未記入
鳥取県委託盲導犬1日本ライトハウス
島根県委託盲導犬1島根ライトハウスライブラリー
岡山県委託盲導犬1/他1岡山県身体障害者連合会
広島県委託盲導犬2/他2広島県視覚障害者団体連合会/広島ハーネスの会
広島市実施しない  
山口県委託未定2日本ライトハウス/九州盲導犬協会
徳島県委託未定1徳島盲導犬を育てる会(日本ライトハウス)
香川県委託未定2日本ライトハウス
愛媛県委託未定1希望施設
高知県委託盲導犬1高知県盲導犬協会
福岡県補助金盲導犬1九州盲導犬協会
福岡市補助金盲導犬2九州盲導犬協会
北九州市補助金未定九州盲導犬協会
佐賀県補助金未定九州盲導犬協会
長崎県補助金未定1未定
熊本県補助金未定2未記入
大分県補助金盲導犬2大分盲導犬協会
宮崎県委託未定2アイメイト協会
鹿児島県委託未定2アイメイト協会
沖縄県委託未定2希望施設

盲導犬使用者の会(Guide Dog Users, Inc.)による盲導犬学校に対する調査結果報告(6)

引き続き、アメリカ合衆国の盲導犬使用者の会(Guide Dog Users, Inc.以下「GDUI」)が合衆国内の盲導犬学校に対して行ったアンケート調査をご紹介いたします。今回は、卒業生(盲導犬使用者)に対するサービスについてです。
 今回も、この調査に回答した盲導犬学校10校と回答書中の略記号、それぞれの学校のホームページアドレスを最初にご紹介してから、調査結果について掲載しています。

【回答した盲導犬学校10校と回答書中の略記号。ホームページアドレス】

【卒業生(盲導犬使用者)に対するサービス】

貴校の卒業生に対するサービスで、最もよく記述している文章をチェックしてください。

1.卒業生は、卒業と同時に盲導犬を所有する。

FID、GDF、GDA、LDB、SGD、TSE

2.卒業生は、学校を卒業した1年後に、盲導犬の所有を申し込む。

FREE、GDB、KSDS (卒業生は、盲導犬とのチームワークに問題がなければ、1年後に所有権が与えられる。申し込むことはない。)

3.盲導犬は、卒業後も学校が所有する。

GDF

4.盲導犬は、卒業後一定期間学校が所有する。

FID、FREE

5.学校は、盲導犬の永続的または一定期間所有権があるので、虐待が明らかな場合、盲導犬を引き取る権利を持つ。

FID、FREE、GDB、KSDS

6.学校は、永続的または一時的な所有権があるので、指導員が盲導犬の使用が安全でないとみなした場合、盲導犬を引き取る権利を持つ。

FID、FREE、GDB、KSDS

7.卒業生が盲導犬を所有するので、学校は虐待が明らかな場合、盲導犬を引き取るために動物管理局、または他の適当な機関と協力する。

FID、GDF、GDB、GDA、LDB、SGD

8.卒業生が盲導犬を所有するので、指導員が盲導犬の使用が安全でないとみなした場合、盲導犬を引き取るために他の適当な機関と協力する。

LDB、SGD

9.卒業生は、卒業と同時に犬具を所有する。

KSDS

10.犬具は、卒業後も学校の所有である。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、LDB

11.犬具は、卒業後も学校が所有するので、指導員が盲導犬の使用が安全でないとみなした場合、犬具を引き取る。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、LDB

12.学校は、実費で犬具の交換に応じる。

FID、FREE、KSDS、LDB

13.学校は、犬具の交換に助成金を支給する。

GDB、LDB、TSE

14.学校は、無料で犬具の交換に応じる。

GDF、GDB、GDA

15.指導員は、卒業生からの電話に2〜4時間以内に対応する。

GDF、GDB、GDA(通常は、当日2時間以内)、GEB、KSDS、LDB

16.指導員は、卒業生からの電話に2〜4日以内に対応する。

FID、FREE

17.学校は、卒業生がアメリカ合衆国のどこに住んでいても、自宅での指導援助を提供する。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、LDB、TSE

18.学校は、卒業生が合衆国の特定の地域に住んでいる場合、自宅での指導援助を提供する。(地域を挙げてください。)

FREE(合衆国の北東地域)

19.学校は、卒業生の要請があった時から、1ヵ月以内に卒業生に自宅での指導援助を提供する。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA(必要と思われる場合には直ちに。安全は最優先)、GEB、LDB、TSE(卒業生の要請に迅速に応えるため、4人の地区担当指導員が配置されている)

20.学校は、卒業生の要請があった時から、3ヵ月以内に卒業生に自宅での指導援助を提供する。

GDA(必要と思われる場合には直ちに。安全は最優先)

21.卒業生の要請があった時から、6ヵ月以内に卒業生に自宅での指導援助を提供する。

該当する学校はない。

22.学校は、年に一定の獣医費用を給付する。

GDF、GDB、GEB

23.学校は、卒業後、最初の年に限り緊急の獣医費用を負担する。

FID、GDF、LDB、TSE

24.卒業生は、犬糸状虫とノミ、ダニの予防薬が無料で提供される。

GDB、KSDS (犬糸状虫予防薬を提供している。さらに、IAADP=国際補助犬使用者協会の会員はノミ、ダニの予防薬が支給される。)、LDB

25.犬糸状虫とノミ、ダニの予防薬が実費で提供される。

FID、GDF、GDA、GEB

26.必要とするとき、卒業生は学校の獣医師に相談することができる。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB

27.学校の獣医師は、卒業生の担当獣医師と連絡を取り合う。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

28.卒業時の面接は、卒業生が歩行指導中における見聞について、自由にコメントできるように行われる。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、LDB、TSE

29.卒業生が学校のプログラムや方針についてコメントする適切な手順がある。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

30.卒業生が生活の中で、ストレスがたまったり、情緒が不安定な状態のときに話し相手となる職員が配置されている。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

31.学校に、卒業生からなる団体(同窓会)がある。

FID、GDF、GDB、GEB

32.卒業生は、理事会のメンバーである。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、GEB、LDB、TSE

33.卒業生が、職員として働いている。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

34.盲導犬使用者のために、市民を啓発し、権利を擁護することを支援する職員がいる。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

35.盲導犬の働きや彼らの権利について、市民を啓発するために利用できるビデオや教材がある。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、LDB、TSE

36.学校は、盲導犬使用者とその市民権について、市民を啓発するためにテレビ局やラジオ局に公共放送するよう働きかけている。

FID、GDF、GDB、GDA、LDB、TSE

37.盲導犬使用者が住む地域において、盲導犬使用者が盲導犬学校と盲導犬について話す機会を与える派遣プログラムがある。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

38.卒業生は、ウォーカソン(長距離競歩)に参加して、積極的に盲導犬学校のために募金を集める機会がある。

FID、GDB、GEB、KSDS、LDB

39.卒業生は、盲導犬学校を支援する活動に参加することによって、積極的に盲導犬学校のために募金を集める機会がある。

FID、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

40.ウェブサイトがある。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

41.卒業生のためのメーリングリストがあり、学校に対する関心を持たせている。

GDB、GDA(学校ではなく、卒業生が主宰するメーリングリストがある。)、GEB、KSDS

42.はがきやシャツ、その他盲導犬に関連した商品を販売している。

FID、FREE、GDF、GDB、GDA、GEB、KSDS、LDB、TSE

43.卒業生が利用できるサービスで、上記に記載されていないものがあれば、どんなプログラムでも挙げてください。

GDB(白杖歩行訓練、ギフトショップでの割引、「大使プログラム」〜学校に盲導犬希望者を紹介すること。ギフトショップで使用できるギフト券がもらえる〜への参加。)
無記入:FID、FREE、GDF、GDA、KSDS、LDB、TSE

補助犬使用者の住居・職場(学校)における「補助犬の受入」に関する調査報告(2)

……身体障害者補助犬法改正対策使用者団体連絡協議会

7.調査結果

(1)住居について

設問1.住居の種類  持ち家一戸建ての割合:63.5%(=307人/455人)

a.集合住宅

b.一戸建て住宅

以下の設問は、「持家一戸建て」以外と回答した149人が回答。各設問のパーセント表示は、無回答を除いた数を母数にしています。

設問2.補助犬との入居について
設問3.入居時期
設問4.入居(交渉)にあたって、トラブルは?
<トラブルの具体例>
  1. 民間、公営、賃貸ともに、視覚障害者と盲導犬との二人暮らしを認めるところがほとんどなかった(ペット可のマンションでさえも)。(集合・民賃)
  2. 前例がないからと言われた。(集合・公賃)
  3. 補助犬と同居ということで、住宅を探すのに30軒近く探すことになった。(集合・民賃)
  4. 家主がすぐには許可をくれず困った。(集合・民賃)
  5. 自治会長から「県に、補助犬の許可を得ているのか」と尋ねられ、報告書を提出したが、自治会長が納得しなかったので、県や育成団体に連絡し、自治会長へ指導があった。(集合・公賃)
  6. 賃貸契約時に、「補助犬と生活する予定」と伝えると、契約を拒否された。(集合・民賃)
  7. 補助犬同居について、周りの15世帯の同意書を取るように管理者から言われた。(集合・公賃)
  8. 分譲マンションで、家主との契約後、理事会で、委員半数から反対され、契約解消に至った。理事会への参加が許されず、説明や交渉もできなかった。(集合・民譲)
  9. 補助犬の入居が初めてだという事で、住人に犬アレルギーの検査をした(集合・公賃)
  10. 犬アレルギーの人がいるということで、「エレベーター2基のうちの小さい方のみを使用するよう」に言われた(集合・公賃)
  11. 「問題が発生した場合は、退去」と言われた。(集合・公賃)
  12. 補助犬を理由に、中古マンションが購入できなかった。売主は、補助犬法のコピーを配布して全住民に働きかけてくれたが、1戸がガンとして応じず、反対運動を始めたため。(集合・民譲)
  13. 「犬の臭いが付く、家が傷む」などの理由により入居を断られた。(集合・民譲)
設問5.入居に際して
5-1.補助犬のための特別な設備は設けられましたか?
<具体例>
  1. 補助犬用排泄場(戸建・公賃1件、集合・公賃4件)
  2. ベランダに犬用トイレを設置し、排水口を設けた(集合・民譲)
  3. 部屋全体が畳なので、上敷きを敷き詰めた。
  4. クッションフロアーをひいて、床を傷つけないようにした(集合・公賃1件、集合・民賃1件)
5-2.補助犬の同居にあたって、家主・管理者の特別な配慮がありましたか?
<具体例>
  1. 「資料配布」や「掲示板」で、住民に知らせてくれた。(集合・公賃2件、集合・民譲2件)
  2. ペットOKのマンションで、ペット料金月5,000円が免除された。(集合・民賃)
  3. ペットOKのマンションで、ペットに対する規則が、盲導犬は対象外。(集合・民譲)
設問6.入居後に、トラブルはありましたか?
<具体例>
  1. 排泄(排便の臭いや取り残し)によるトラブル(戸建・公賃1件、集合・公賃3件、集合・民賃1件、集合・民譲3件)
  2. 毛によるトラブル(集合・公賃2件、集合・民賃2件、集合・民譲1件)
  3. 犬嫌いの人とのトラブル(集合・公賃2件、集合・民賃1件)
  4. アパートを出る際、「床が、犬の爪で傷つきそれを弁償せよ」と言われた。(集合・民賃)
設問7.住居に関する自由意見
  1. 不動産関係者(家主・管理人等)へ、補助犬及び補助犬法に対する正しい理解の促進
  2. 都市と地方では、補助犬の受入に大きな格差があると思う。
  3. 衣食住は、生活の基盤であり、補助犬を理由に断られるのでは、生活できない。(集合・分譲)
  4. 分譲でも、補助犬を伴う入居は難しく、賃貸はさらに難しいと感じる。(集合・民間分譲)

(2)職場(学校)について

設問1.職場(学校)へ補助犬を同伴していますか?

a.職場

b. 学校

c. 同伴せず 138

d. 無回答 138

以下の設問は、「職場(学校)へ同伴」と回答した169人が対象。各設問のパーセント表示は、無回答を除いた数を母数にしています。

設問2.補助犬同伴の申請について
設問4.申請した時期
設問5.申請時にトラブルは?
<具体例>
  1. 補助犬を使用して建物内を移動することを禁じ、補助犬は屋外で待機させられた。
  2. 犬の口輪をつけてほしいと言われた。
  3. 職場の敷地内でのトイレ制限があった為、実質不可となった。
  4. 職員周知の為、職場へ補助犬を同伴できるまでに、3ヶ月待たされた。
  5. 不潔、衛生上問題があると言われた。
  6. 勤務場所に入れてもらえず、屋外に置くように言われた。
  7. 補助犬が正しく理解されていなかったため、管理部門の許可を得るのに、9ヶ月かかった。
  8. 職場に介助犬を受け入れてもらえなかった為、何度も受け入れの交渉を行ったが、何度も断られた。上司に「わがまま言うな」「公私混同するな」など言われた。
設問6.補助犬同伴の勤務(就学)について
6-1.補助犬の同伴にあたって、特別な設備は設けられましたか?
<具体例>
  1. 排泄場の確保:15件(うち、排泄用の水道を新設3件)
  2. 待機場所の確保:18件(うち、ケージ等の設置:11件)
  3. 補助犬用のカーペットを準備してくれた:4件
  4. 空気清浄機や消臭剤の設置:2件
  5. 机下の横棒を切断してくれた:1件
6-2.補助犬の同伴にあたって、雇用主や管理者の特別な配慮がありましたか?
<具体例>
  1. 回覧や掲示板による職場への啓発:4件
  2. 補助犬との接し方に関するマニュアルを作成:1件
  3. 出張の際は、補助犬を自宅へ置きに行く時間をもらっている。
設問7.勤務(就学)に、補助犬を同伴してトラブルはありましたか?
<具体例>
  1. 毛・臭いに関するクレーム(犬の嫌いな人):2件
  2. 周囲の人が、補助犬の知識・接し方が無かった。
  3. 転勤の際、上司から執務室に盲導犬を入れない様に言われた。
  4. 経営者が、補助犬のことを理解してくれなかった。
  5. 仕事以外の会合に出席させてくれない。
補助犬使用者の住宅分類
一戸建住宅307件(70%) 持家289件(63.5%)
民間賃貸16件(3.5%)
公的賃貸1件(0.2%)
社宅1件(0.2%)
集合住宅131件(28.2%) 公的賃貸52件(11.4%)
民間分譲46件(10.1%)
民間賃貸33件(7.3%)
官舎1件(0.2%)
不明7件(1.5%)

身体障害者補助犬法改正対策使用者団体連絡協議会(補改使連)・事務局の連絡先
〒261-0001 千葉市美浜区幸町1-1-1-1901 TEL&FAX 043-243-3445
Mail:hokaishiren@yahoo.co.jp
http://www.geocities.jp/hokaishiren/

盲導犬ユーザーのコーナー

盲導犬賛歌 慈愛の天使に捧げる ……… 山形県  武田 英司

君と出会ったあの日から 僕は嬉しくなりました
 夕焼け空を見上げれば 楽しい日々を想い出す
 君の温もり 優しさを マーシ ほんとにありがとう

平成4年6月、栃木盲導犬センターで訓練が開始された。パートナーのマーシ(慈愛)はブラックの雄で、36キロの勇姿で僕を圧倒していたが、合宿所では僕のベッドに上がりこみ、スヤスヤと寝ている寂しがりやで、甘えん坊だった。

君と過ごしたあの日から 僕は元気になりました
 いつも歩いた馬見ヶ崎(まみがさき) ハーネス握れば想い出す
 君の腕白 無邪気さを マーシ ほんとにありがとう

山形県第1号の盲導犬として、郷里の山形市で過ごすことになり、散歩コースの「馬見ヶ崎川」は、秋には直径4,5メートルの大鍋で、日本一の芋煮会が開かれる。
 前年に事故で命拾いをした僕にとって、蔵王おろしの清流で癒され、天真爛漫な天使と遊ぶことで、新たな世界が開かれる思いがした。

君と暮らしたあの日から 僕は喜び知りました  あれから幾年過ぎたろう 瞼閉じれば想い出す  君の真心 純情を マーシ ほんとにありがとう

マーシの縁で50歳半ばで妻と知り合い、息子8歳、娘5歳、母92歳、ダイナマイト娘ウラル6歳と、わいわい軍団を結成し、感謝と喜びの日々を過ごしている。

君と別れたあの日から 僕は真実知りました
 夜空に輝く金の星 口笛吹けば想い出す
 君の気高さ 輝きを
 マーシ ほんとにありがとう
 マーシ ほんとにありがとう

21世紀の初頭、全犬使会理事として、山形県で交流会を引き受けたが、その計画途上、マーシは僕の業(カルマ)を背負って、早々に天国へ召されてしまった。
 僕が真理に目覚め、次元上昇するべく、神様から遣わされた天使に、無限なる感謝。
先日、「信じよう音楽の力、伝えよう君の思い」をテーマに、エリアフリーフォーラム2006・夢のまんま音楽祭が東北芸工大で開催され、これをきっかけに僕も歌作りに挑戦した。
 思いは届く、願いは叶う、夢のまんま。その可能性を信じ、「障害の種別を超え、歌い、思いを語ろう。差別偏見のない地域社会を目指し、共に歩もう」
 そのスローガンのまま、初めて作詞作曲した盲導犬賛歌を、山形交響楽団の演奏に引き続き、僕が歌うという夢のまんまにが実現してしまった。
 この音楽祭で私たちが伝えたかったことは、障害があろうとなかろうとに関わらず、一人一人がつながりあうことで、地域に存在する障害に対する差別、偏見、誤解、バリアーをなくし、共に生きる社会の実現を目指していこうということである。
無償の愛で献身する盲導犬天使を通じ、命の尊厳、愛と、許しと、慈しみの心が伝わるような音楽作りをしてみたい。
それでは、訓練関係者の方々のご労苦に、深甚なる感謝の意を表しながら失礼します。 なお、音楽祭のCDが制作されており、関心のある方は当方へご連絡ください。

〒616-8226 京都市右京区常盤段ノ上町2 (財)関西盲導犬協会内
   盲導犬情報室気付   武田 英司
   電話:075(881)4618

盲導犬情報ボックス

2006年に出版された盲導犬に関する文献

昨年1年間に出版された盲導犬に関する書籍を調べてみました。昨年は、すでに出版された単行本が文庫本として出版されたものが多く、新刊は少なかったようです。
 大学や学会などで発表された論文については、分かる範囲でピックアップしましたが漏れているものが多いと思います。他の文献をご存じの方はぜひ盲導犬情報室までお知らせください。

<書籍>
「がんばれ!キミは盲導犬 トシ子さんの盲導犬飼育日記 (ポプラポケット文庫 ) 」
長谷島妙子(ポプラ社) 2006.11
「最後のパートナー 盲導犬を引退した犬たち (幻冬舎文庫 ) 」
西田深雪/西田章(幻冬舎) 2006.06
「犬と歩いて……盲導犬ユ-ザ-の詩 (幻冬舎文庫 ) 」
全日本盲導犬使用者の会/石黒謙吾(幻冬舎) 2006.06
「犬と話をつけるには(文春新書)」
多和田悟(文藝春秋) 2006.06
「生きものと働きたい!( 盲導犬・競走馬・サ-カス ) 3」
(学習研究社) 2006.02
<漫画>
「ハッピ-!(講談社漫画文庫 ) 9 信頼のかたまり・盲導犬」
波間信子(講談社) 2006.11
「ハッピ-!(講談社漫画文庫 ) 10 盲導犬ハッピーと心の歌」
波間信子(講談社) 2006.11
<研究論文>
石上智美,徳田克己(日本特殊教育学会第44回大会),2006
「盲導犬に関する絵本の内容の分析」
石上智美(障害理解研究)2006,8
「盲導犬使用者のQOLに影響を与える要因」
石上智美,田端良美(アジア障害社会学研究)2006,6
「障害に関する幼児の認識-盲導犬と車いすを中心に-」

訃報

全国盲導犬施設連合会会長(財団法人関西盲導犬協会会長)塩靂鰭彁瓩、本年1月4日、予て病気療養中のところ、ご逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

編集後記

2回にわたって、身体障害者補助犬法改正対策使用者団体連絡協議会が調査された『補助犬使用者の住居・職場(学校)における「補助犬の受入」に関する調査』の結果を掲載させていただきました。この結果を見て「補助犬の受け入れ拒否の割合はそれほど高くないじゃないか」との感想をもった国会議員がおられたそうです。「少ないからさほど大きな問題ではない」と思うのか、「まだこれだけの事例があるということが問題なのだ」と思うのか、同じ数字を見ていても受け手によって認識は大きく異なるということを実感しました。(久保)