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昨年は、<身体障害者補助犬法の改正に関する請願署名運動>に、御協力頂き有り難うございました。
お陰様で、「衆議院:102,012名、参議院:101,172名」の署名を、「身体障害者補助犬を推進する議員の会」へ提出できました。
署名活動など、皆さんのご協力のお陰で、補助犬法・改正法案がまとめられ、5月24日に開かれた補助犬議連・総会で承認され、委員長提案により、今国会中の成立を目指すこととなりました。
その後、各党の党内手続きが行われ、衆参の厚生労働委員会、本会議で審議・採決されれば全会一致で成立するところまで来ていました。
しかし、社会保険庁、年金などの問題により、国会が空転し、委員会や本会議が開催されない状態が続きました。
補改使連としては、補助犬議連、衆参の厚生労働委員の先生方への働きかけを続け、先生方の事務所へも直接にお願いに回りました。
会期が延長されたので、「なんとか成立するのでは!」という期待があったのですが、与野党の調整がつかず、衆議院の厚生労働委員会は、6月23日以降、閉会日(7月5日)まで開催されることはありませんでした。
6月末には、補改使連メンバーで、補助犬議連をはじめ、衆参の厚生労働委員の先生方の事務所を訪問し、「与野党対立の重要法案が強行採決されて成立し、超党派で合意している補助犬法・改正法案が今国会で実現しないのは、当事者の立場からすると納得できない」とお願いしたのですが、「厚生労働委員会・本会議の開催は、国会対策委員会や議院運営委員会で決めるのでどうにもならない」との回答で、今国会での成立を諦めるしかありませんでした。
この訪問の際、補改使連から補助犬議連へ「次の臨時国会の早い時期に提出し、成立させてください」と要望し、「首相の所信表明、補正予算の審議が終ったら、直ぐに提出する」との回答を得ています。
そのとおりになれば、10月末頃になるかと思いますが、次の臨時国会こそは、早期に成立するよう頑張りますので、よろしくお願いします。
改正の概要は
(1) 補助犬のトラブルに関する相談窓口を設置する。
(2) 民間の事業所(職場)の補助犬受入義務化する。
但し、障害者の法定雇用者数が1名以上となる「従業員56名以上の事業所に限る。
それ以外は、今までどおり努力義務。
(3) 民間の住居の受入義務化は見送る。ただし、住宅セーフティネット法により、受け入れがすすむように対応する。
です。
引き続き、アメリカ合衆国の盲導犬使用者の会(Guide Dog Users, Inc.以下「GDUI」)が合衆国内の盲導犬学校に対して行ったアンケート調査をご紹介いたします。今回は、各育成施設の設備や特別なサービスについてです。
今回も、この調査に回答した盲導犬学校10校と回答書中の略記号、それぞれの学校のホームページアドレスを最初にご紹介してから、調査結果について掲載しています。
あてはまる記述をチェックしてください。
(1) 部屋の状況
(2) 部屋ごとの電話………GDF、GDB、GEB、LDB、SGD、TSE
(3) 視覚障害者が利用可能なコンピュータ………GDF、GDA(使用者用コンピュータを1台設置している)、GDB、GBE、KSDS、LDB、SGD、TSE
(4) 学生が使用できる楽器………GDF、GDB、GBE、LDB、SGD、TSE
(5) 4トラック・カセット・プレーヤー………GDF、GDA、GBE、KSDS、LDB、SGD、TSE
(6) 点字本………GDF、GDB、GDA(書庫の冊数は限られるが、希望があれば用意する)、GBE、LDB、SGD、TSE
(7) プール………GDB
(8) その他利用可能な備品を挙げてください。
○はい………3
○いいえ………5
FID、GDF、GDB、KSDS、SGD
○記述なし………1
FREE
○はい………10
FID、FREE、GDF、GDB、GDA、GBE、KSDS、LDB、SGD、TSE
○いいえ………該当なし
○はい………7
GDF、GDB、GDA(他の学校の盲導犬でも受け入れる)、GBE、LDB、SGD、TSE
○いいえ………2
FID、KSDS
○該当なし………1
FREE
「這ってでも歩け」 つま(夫)の言葉に決意してアイメイトと歩み続けて20余年。
マメで優しい夫はわずかの視力で私を買い物や病院に連れて行ってくれました。でも勤めがあるのでいつもというわけにはいきませんでした。それを知りつつ勤めから帰る夫をアテにして手引きをしてもらっていました。
そんなある日、病院に連れて行ってもらおうと夫を待っていたのですが、時間になっても帰ってきません。そんな夫をイライラして待っていた私は
「遅くなってごめん」
と言う夫にいらだつ心をぶっつけてしまいました。いつも優しい夫は、その時ばかりは怒りました。
「人ばかり頼っていないで、白い杖を使うとか盲導犬の訓練を受けに行くとか、それでもダメだったら這ってでも歩け」
そんな夫の辛辣な言葉に、動物が苦手な私は盲導犬と歩くことを決心しました。そして今3頭目のアイメイトと共に歩いています。
犬もいろいろな個性や癖があって、1頭目のローナスはやんちゃで番犬も兼ねてくれました。おまけに脱走癖があって困りました。そのころ近くの老人保健施設にローナスのおかげでマッサージの仕事に行っていたのですが、これから出かけようとするときに脱走されると、職場に
「ローナスがどこかに行ってしまったので、帰り次第行きますから」
という電話を何度かかけたこともありました。
2頭目のエルフィンは引き癖があって体に負担がかかって大変でした。3頭目のジャネットは一番盲導犬らしい盲導犬です。私の盲導犬に対する心構えや接し方がやっとわかったからだと思います。
動物が苦手だった私がこうして盲導犬と歩み続けているのは、いつでも行きたい時に行きたい所へ出かけられる、そして止める自由も得られたということです。誰かに前もって手引きをお願いしていたら簡単に約束を止めることはできません。そんなわけで、私の心も体も解き放されて、開放感に満たされるようになりました。
長い間好きなコーラスに通っていましたが、老化のせいか声が出なくなってきたのでコーラスはやめました。そして最近は短歌の講座に通っています。
狭まったり
盛り上がったりの 雪道を
犬は律儀に 我を導く
犬にとっても雪の多い青森は大変だと思います。道路の境がなくなってしまうので空き地に迷い込んだり、段差が隠れてしまうので道を間違ったりします。でもだんだん慣れてくると快適に歩けるようになるのです。
握る手に ハーネスの動き 感じつつ
ダンスのごとく アイメイトと歩む
今年、国産初の盲導犬が誕生し、50年を迎えます。
体の一部とも言えるパートナーを、「荷物」として扱われていた当時から、時は流れて、身体障害者補助犬法の制定により、不特定多数の利用する公共の場における補助犬同伴の権利が保障されるまでになりました。
犬との共存生活の経験の乏しい我が国の無理解の中、良質な補助犬を育て、人々を納得させる結果をもたらすに至る功績をいただいたアイメイト協会をはじめとした多くの育成関係者の方々、そして、着実な啓発を身をもってなさった先輩ユーザーの皆様方には、心から敬意を示したいと常々思っていますし、私自身も今後に向けて恥ずかしくない補助犬使用者であり続けたいという思いをもっていたいと考えています。
補助犬法そのものも、法制定当時すでに800頭もの実働があり、社会的にもある程度認知されていた盲導犬の存在があったからこそ、十分な説得力を与えることができたものではないかと思います。
ところで、今まで我が国において全くもって認知されていなかったに等しい介助犬・聴導犬と違い、すでに国家公安委員会をはじめとした各方面からある程度認められていた盲導犬において、補助犬法制定は、どれだけの意味合いを持っていたのでしょうか?
事実、補助犬法の話が持ち上がった当初、盲導犬育成団体のほとんどが、冷ややかな反応を示していたとも聞きます。
しかし、実際に法律が運用されて見ると、やはりその意味合いは大きかったのだろうと感じられる場面が多々あります。
拒否事例に対しては、それまでは平に受け入れをお願いするしかなかったものが、法律に基づく権利を主張できるようにもなりましたし、行政からも指導してもらうこともできるようになりました。
その一方で、昨年数ヶ月の間にユーザーが中心となって補助犬法改正要請のために10万人以上もの署名が集められ、衆議院・参議院に提出されたことなどにより、現状努力義務に留められたままになっている、学校・職場・住宅における補助犬の受け入れにおいて、多くのユーザーが苦労していること、そして、そんな現状に対して、社会が理解を示してくれていることも表面化しつつあると思われます。
しかし、補助犬法の問題点は果たしてそれだけなのでしょうか?
私たちは、補助犬法制定によって得られた権利や義務にばかり目を向けている中で、法律の細かな部分についてつきつめ、問題提起をして行くことを怠っていたということはないでしょうか?
私自身、最近そのことを強く認識する事件に遭遇してしまいました。
実は法律制定当初から、読むたびに疑問に思い、自らの出身協会の職員をはじめ、いろいろな人に質問してはいたものの、明確な答えを得ないまま、私自身が曖昧にしていたことがあります。
それは、
第九条 前二条に定めるもののほか、不特定かつ多数の者が利用する施設を管理する者は、当該施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない。ただし、身体障害者補助犬の同伴により当該施設に著しい損害が発生し、又は当該施設を利用する者が著しい損害を受けるおそれがある場合その他のやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。
というものでした。
この中の、「不特定かつ多数の者が利用する施設」の定義について、最近思わぬトラブルを体験したのでした。
私たちは最近引越しをし、横浜でこどもを保育園に預けることにしました。私たちが選んだ保育園は、私立の認可保育園でした。
ところが、その保育園が、補助犬法について厚生労働省に問い合わせをすると、「保育園は不特定かつ多数の者が利用する施設には含まれないので、受け入れについては管理者の判断に任されます」という返答を得たのだそうです。
保育園側は、この回答により、管理者として私たちに園内における盲導犬同伴での行動に、いくつかの制限をかけてきました。
私は、保育園は当然不特定かつ多数の者が利用する施設であるという認識でしたので、この反応はとても意外でした。
保育園は入所にあたって審査があり、特定のこどもを受け入れる施設であることは確かですが、送り迎えをだれがするのかを厳格に定めてはおらず、父母でなくとも、祖父母が送迎をしたとしても当然その出入りを制限されることはありません。
つまるところ、出入りする人々を完全に限定しているわけではなく、この意味で、不特定多数の利用する施設であると考えます。
上記のような理解をしていたために、私は受け入れ交渉において不特定多数の出入りする施設における補助犬法による受け入れ義務を持ち出しました。しかし厚生労働省の園への見解は違いました。
厚生労働省の見解に沿えば、受験などによって選抜される方式の、主には私立の幼稚園・小学校・中学校・当然それ以上の学校において、補助犬を伴った保護者の出入りへの対応は施設管理者の見解に基づいて行われるものであり、補助犬法による受け入れ義務から除外されてしまうことになります。
難関のお受験を突破した我が子の授業参観に出かけたら、補助犬法による対象外施設管理者の権利を主張されて、社会的認知をすでに十分に受けているであろう盲導犬を伴っての行動に制限をかけられてしまうかも知れないのです。
この理屈からすれば、会員制をとっていれば、あらゆる施設において同じ理屈が通ってしまいます。
試しに施設経営者を装って、厚生労働省社会参加推進室に、「補助犬を受け入れたくありません。法律から解釈するに、うちの店において入店される方には会員証を発行し、発行を承諾いただけないお客様のご利用はお断りするようにすれば、不特定多数の利用する施設ではなく、限定された利用者による会員制施設と解釈できるため、受け入れ義務からは除外されますか?」と聞いてみると、厚生労働省としては受け入れを推進する立場であることを前置きした上で、「想定内の話です」と回答されました。
「拒否できるということですね」と確認しましたが、「そういうことになりますね」という返答が帰ってきました。
ついでに、「著しい損害」について確認する意味で、「経営者が犬が嫌い、というのは通りますか?」とも聞いて見ましたが、これに対する回答として、「補助犬使用者はガイドヘルパーなどのようなサポート手段の1つとして補助犬を自ら選んでいるわけですから、経営者が犬が嫌いというのは承服できるのではないでしょうか?」という返答を受けました。
これについても私は今まで、「経営者がこどもが嫌いだからという理由で子連れのお客さんを拒否できないのと同じではないか」という理屈を元に啓発や交渉において説明してきており、今回私が聞いた見解とは大きく違っていました。
補助犬法はその冒頭第一条で身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的とすると謳っていながら、実際には犬に関わる多方面の制限を記載するに留まり、使用者の人権を守ることができていないどころか、場合によっては法律の存在によって、新たなバリアの定義づけを可能にしてしまう可能性を持っている恐ろしい部分を持ち合わせていることを実感したのが現状の私の正直なところです。
法律によって受け入れが推進されたことは否定しません。
ただ、この法律の制定においては、一部の育成関係者の力が大きかったこと、法律制定を優先させるためにユーザーを含めた多方面にオープンに議論展開の機会をほとんど作らないままに内容を作り上げてしまったことなどが、今となっては影響しているのではないかと私には思えます。
それがゆえに、できてしまった法律が一番重要な使用者の人権を守れず、受け入れ側の権利を守る口実にだけなってしまったとしたらとても悲しいことだなと思います。日本の憲法は基本的人権を保障しています。
障害者であれ、補助犬使用者であれ、みんなに適用されます。
誇り高き憲法であってほしいと私は日本国民の一人として思っています。その、基本的人権を保障する法律の下に存在する補助犬法によって規定された内容によって、行動範囲に制限を受ける、もしくは制限を拡大解釈させてしまうような記載のあることは問題ではないのでしょうか?
行動の制限は、それこそ我々の人権そのものを脅かす重要な内容であると私は思います。
もちろん、他者の人権が尊重された上での我々の人権の保障を求める立場でなければならないことは重要ですが、他者の人権を保障するために容認して良い内容であるとは私には思えないのです。
現状では、これから補助犬法がもっともっと多くの人に知られて行く中で、法律があるがゆえの公然たる拒否を横行させる可能性を秘めていると私は感じたのですが、いかがでしょうか?
最近では小学校の教科書に補助犬が取り上げられており、こどもたちはむしろ大人たち以上に、補助犬についての知識を持ってくれているなと思えます。彼らが成長し、大人になってくれた時の社会に、大きな期待をもっています。
一方で、社会の理解が高まったからと言って、法律を軽んじてはいけないと私は思います。
表面的には私たちの生活は法律のできる前と変わってはいませんが、何かあった時にこれからは法律と言う良くも悪くももっとも効力を持つしばりを抱えているのだということを、しっかりと肝に銘ずる必要があるのだと思います。
むしろ社会の理解が高まってきている今だからこそ、法律についてもそれに追随できるものになるよう、きちんと追求して行くことこそ、我々当事者に必要なことではないかと私は考えます。
本来、補助犬法などというものは、障害者の人権を保障する十分な法制度が充実していれば必要ないのだと思います。
国連の障害者人権宣言をまだ批准していない先進国は、アメリカと日本ぐらいです。
アメリカにはすでにADA(障害を持つアメリカ人)法があり、それがゆえアメリカは批准の必要はないと主張しています。
日本が批准できない理由は、きっと公然と言えないものではなかろうかと私には思えます。
そんな現状の中で、補助犬法は生まれたのだと思います。
補助犬法によりユーザーの人権がきちんと守られるよう、充実を計ると共に、全ての障害者の人権を考える広い視点の1つとして、国連の人権宣言批准の視点も、我々は注目すべき視点ではないかと考えています。
アメリカにおいてはすでにIAADP(International Association of Assistance Dog Partners)という使用者団体が活動しています。必要があれば育成団体との協議も行われるシステムになっています。
我々日本においても、まずは今までどちらかと言うと育成団体を中心として行われてきた国に対する意見表明も、そろそろユーザーの手に渡され、育成団体の思惑に囚われない、本当の意味でのユーザーによるユーザーのための要求行動が開始できることを私は心から願っています。
盲導犬情報第50号(2006年7月)に掲載されている「中国でも始まる盲導犬育成事業」という記事の中で、大連医科大学の盲導犬訓練センターについてふれられています。筆者は、2007年6月に訓練センターの見学を行い、センター長と盲導犬ユーザーに対する面接調査を実施しました。ここでは、その調査結果を報告します。
(1) 対象者
調査の対象者は、中国盲導犬大連訓練センター(正式名称は中国導盲犬大連培訓基地、「盲導犬」を中国語で表記すると「導盲犬」になる)のセンター長1名(男性)と、大連市内でマッサージ治療院を開業している盲導犬ユーザー1名(男性)でした。センター長の王靖宇(ワン・ジン・ユ)氏は、広島大学に留学経験があり、現在は大連医科大学の教授を務めています(専門分野は動物行動学)。留学中に盲導犬のことを知り、中国において育成事業を立ち上げることを考えていたそうです。またユーザーの張徳宏(チャン・デ・ホン)氏は、6歳のときに病気が原因で失明をした中途失明者です。大連市金州区と中山区においてマッサージ治療院を開業しています。住まいは金州区にあり、妻、子ども2人、盲導犬と暮らしています。
(2) 手続き
センター長のワン氏に対しては大連医科大学の敷地内にある訓練センターにおいて、またユーザーのチャン氏に対しては金州区の自宅において面接調査を行いました。調査日は2007年6月2日であり、それぞれの調査時間は約1時間30分でした。
(1) 盲導犬の育成の状況と課題
ワン氏が盲導犬の育成を始めたのは2004年10月からです。大連医科大学の動物実験センター内に盲導犬の育成に必要な人材と設備を整えました。これらはすべてワン氏が私費で負担したということです。中国障害者連合会や大連市障害者連合会の協力のもと、「中国導盲犬大連培訓基地」という名称で正式に設立されたのは2006年5月のことです。なお、2007年9月に大連医科大学が大連市沙河口区から同市の旅順口区に移転することになっており、移転地において盲導犬の育成に必要な設備が整った新しい施設が建設中でした。
訓練センターにはワン氏を含めて16名の職員がいます。獣医師と事務職員が1名ずつで、訓練士は13名です(訓練士のうち犬の訓練のみを行う者が8名、視覚障害者の歩行指導を行う者が4名)。訓練士になるための試験はなく、ワン氏が面接によって適性をみているそうです。これまでに、盲学校の教師を招いて講義を行ったり、オーストラリアや台湾から訓練士を招いて技術指導を行ったりしてきました。今後も国外の訓練士を講師として招いたり、訓練センターの訓練士を国外に留学させたいということです。職員以外には、訓練中の犬の世話をするボランティアが約40名、パピーウォーカーが46名います。
これまでに3頭の盲導犬を視覚障害者に無償貸与したそうです。ワクチン接種にかかる費用は訓練センターが負担しており、食費やその他の医療費はユーザーの負担になります。調査時点は16頭が訓練中であり、46頭がパピーウォーカーに預けられていました。
今後の課題としては、「盲導犬の社会的受け入れを保障する法律を作ること」、「訓練センターの財政基盤を整えること」の2点が挙げられました。調査時点において盲導犬の社会的受け入れを保障する法律がないため、ユーザーがどのような場所にも自由に盲導犬を連れていける状況ではありません。ワン氏は2008年の北京オリンピック(パラリンピック)までに法律を作る必要があると考えており、中国障害者連合会などと協力して国に働きかけています。また訓練センターの運営に関して、大連市や大学からわずかな資金援助を受けられるようになったものの、非常に厳しい状況が続いています。そのため育成事業を国の事業として、財政基盤を整えることが早急に必要であるとのことでした。
(2) 盲導犬の使用の状況と課題
チャン氏は、大連市に盲導犬訓練センターが設立されたことを伝えるテレビのニュース報道を見て、盲導犬を使用したいと思ったそうです。その後、大連市盲人協会が盲導犬使用を希望する視覚障害者を募っていることを知り応募しました。2006年12月8日に訓練センターを訪れて盲導犬(名前はブンブン、犬種はゴールデン・リトリバー)と対面し、約1ヶ月間の共同訓練を経て盲導犬が貸与されることになりました。
チャン氏は盲学校に通っていましたが歩行訓練を受けたことはなく、外出の際には家族や友人に手引きをしてもらっていたそうです。盲導犬を使用する前はほとんど家の中で過ごしていましたが、盲導犬と暮らし始めてからは1日に2回程度外出するようになり、身体が健康になったといいます。また盲導犬と一緒に歩いていると、街の人たちが声をかけたり犬にさわったりすることについて、「多くの人が犬をかわいがってくれるのでうれしい」と述べていました。
盲導犬を使用する上での大きな問題点として、交通機関や飲食店、宿泊施設などを犬同伴では利用できないことが挙げられました。以前、仕事で1週間ほど出かける機会があり、盲導犬は交通機関や宿泊施設を利用できないことから、家に置いて行かざるを得なかったそうです。「1週間後に家に帰ったら、犬がすぐになついてくれなかった」と述べていました。なお、日常生活でよく行くところ(スーパーマーケットや床屋など)については、店の経営者や従業員に盲導犬のことを説明して利用できるようになったそうです。
盲導犬の使用の有無にかかわらず外出する際に困ることとしては、「歩道上に車が停めてあるとそれを避けて車道を歩かなくてはならない」、「点字ブロックが敷設されていない」、「点字ブロック上に障害物がある」、「歩行者ではなく車が優先であるため、交差点を渡る際に車が進入してくる」などの交通環境の悪さが挙げられました。
盲導犬育成事業の財源の確保、訓練士の教育カリキュラムの作成、盲導犬の受け入れを保障する法律の整備、交通環境の物理的なバリアの解消、一般市民の理解促進など、中国本土で盲導犬を育成・普及させるにはさまざまな課題があるようです。今後も、激安ツアーを利用しながら、中国の盲導犬事情を探っていこうと思います。
全国盲導犬施設連合会では、全国盲導犬普及キャンペーンの一環として、毎年ポスターと『デュエット』という機関誌を作成しています。
今年のポスターは、上半分に子犬の寝顔、その下に青い円があり、「ボクを待っている人が、たくさんいるんだよ。 盲導犬候補のパピーたちも、どうぞ応援してください。」の文字。その円の右横にはハーネスをつけた成犬のラブラドール・リトリーバーとダボダボのハーネスを肩からかけた子犬が座っています。そして「全国各地の盲導犬育成団体で、パピーウォーカーを募集しています。お気軽にお問い合わせください。」と書いてあります。
ポスターも機関誌『デュエット』も、今年度の特集は「パピーウォーカー」。『デュエット』第16号の表紙の写真は、黒いラブラドール・リトリーバーの子犬がぬいぐるみをくわえて遊んでいる写真になっています。
内容は、パピーウォーカーとして6頭目の子犬を育てていらっしゃる水谷さんご家族が、パピーウォーカーとしての思いなどを語っておられます。また別のページでは、全国盲導犬施設連合会加盟8団体でパピーウォーカーをしておられる8人の方と8頭のパピーが紹介されています。
この他、「盲導犬ユーザーからのメッセージ」では、二人の盲導犬ユーザーがも盲導犬との暮らしぶりを紹介している他、2006年に全国盲導犬施設連合会が全国の盲導犬ユーザーを対象におこなった「住宅、職場、学校における補助犬の同伴状況に関するアンケート調査」の簡単な報告が掲載されています。
これによると回答者のうち賃貸住宅等に居住している102人のうち、10人が「現在の住まいに入居するにあたって、トラブルがあった」と答え、12人が「入居後にトラブルがあった」と答えています。入居前のトラブルとしては「視覚障害者と盲導犬の二人暮らしを認めるところがほとんどなかった」「自治会から苦情を言われ、県の窓口や協会に話したら、自治会に指導がなされて解決した」、入居後のトラブルとしては「ペット禁止マンションに入居したが、ペットが敷地やエレベーターなどで排泄し、誤解を受けることがある」「入居当初、毛が飛ぶとか臭いとか言われた。5年経ち理解されて、今では盲導犬を住民の人たちもかわいがってくれる」といった例が挙げられています。
これらの機関誌・ポスターは、全国盲導犬施設連合会の募金箱を置いてくださっているスーパーなどで手にすることができます。機関誌は無料で配布していますが、置いてあるお店が近くにないという場合は、連合会事務局または連合会加盟施設に問い合わせてみてください。なお、郵送を希望される場合には、郵送料を申し受けることになりますが、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会リハビリテーション部会盲導犬委員会の「2006年度盲導犬訓練施設年次報告書」を参考にして2007年3月31日現在の日本の盲導犬使用者数を出すと、次のようになりました(報告書は都道府県政令指定都市別に盲導犬実働数をまとめていますが、ここでは都道府県別に盲導犬使用者数でまとめています)。
| 北海道 | 56 |
| 青森県 | 3 |
| 岩手県 | 16 |
| 宮城県 | 9 |
| 秋田県 | 17 |
| 山形県 | 4 |
| 福島県 | 13 |
| 茨城県 | 19 |
| 栃木県 | 13 |
| 群馬県 | 5 |
| 埼玉県 | 53 |
| 千葉県 | 32 |
| 東京都 | 86 |
| 神奈川県 | 56 |
| 新潟県 | 24 |
| 富山県 | 5 |
| 石川県 | 26 |
| 福井県 | 5 |
| 山梨県 | 13 |
| 長野県 | 33 |
| 静岡県 | 40 |
| 愛知県 | 38 |
| 岐阜県 | 13 |
| 三重県 | 11 |
| 滋賀県 | 10 |
| 京都府 | 20 |
| 大阪府 | 56 |
| 兵庫県 | 63 |
| 奈良県 | 12 |
| 和歌山県 | 12 |
| 鳥取県 | 10 |
| 島根県 | 10 |
| 岡山県 | 18 |
| 広島県 | 32 |
| 山口県 | 16 |
| 徳島県 | 7 |
| 香川県 | 7 |
| 愛媛県 | 16 |
| 高知県 | 9 |
| 福岡県 | 24 |
| 佐賀県 | 7 |
| 長崎県 | 5 |
| 熊本県 | 19 |
| 大分県 | 10 |
| 宮崎県 | 14 |
| 鹿児島県 | 18 |
| 沖縄県 | 6 |
| 合計 | 991 |
本年3月末日現在、全国の盲導犬実働数は認定された盲導犬も含めると970頭。また、この実働数を元に各都道府県別に盲導犬使用者数を出してみると、日本国内で盲導犬を使用している視覚障碍者は991人になりました。
日本に在住の盲導犬使用者は、991名。前年度に比べると16名増えています。また、991名のうち5名は、海外など他の盲導犬訓練施設で育成された盲導犬を使用している方で、それぞれの盲導犬について、北海道盲導犬協会、日本盲導犬協会、中部盲導犬協会、関西盲導犬協会が認定をしています。
なお、1頭の盲導犬を夫婦二人で使用するタンデム方式の盲導犬使用者は昨年度より4組多く21組になっています。したがって使用者数は991名ですが、盲導犬実働数は970頭(認定した盲導犬を含む)、昨年度より12頭多くなっています。
タンデム使用者を育成施設別にみると、北海道盲導犬協会1組、日本盲導犬協会3組、関西盲導犬協会3組、日本ライトハウス10組、兵庫盲導犬協会1組、福岡盲導犬協会3組となっています。都道府県別では、北海道1組、福島県1組、東京都1組、長野県1組、愛知県1組、大阪府2組、兵庫県3組、和歌山県2組、岡山県1組、広島県1組、山口県2組、島根県1組、福岡県2組、熊本県1組、宮崎県1組となっています。
1年間の育成頭数でみると、2005年度より11頭多い139頭。このうち新規の使用者のパートナーとなったのは55頭、代替えは84頭で、年間育成頭数の60.4%が代替えとなっています。育成頭数のうち代替えの占める割合が半数以上という状況はこの4年間ずっと続いている状況です。
それでも昨年度は、42頭の盲導犬の使用者は、盲導犬が死亡または引退したが年度末までに代替えの盲導犬を得られなかったか、代替えの盲導犬を希望しなかったのではないかと考えられます。
また、年間の訓練犬総数は369頭。その8割以上の307頭がラブラドール・リトリーバーで、次いで多いのはラブラドール・リトリーバーとゴールデン・リトリーバーの一代雑種が52頭、ゴールデン・リトリーバーは9頭、他の犬種が1種でした。
一方、盲導犬訓練施設で働いている職員の数は、盲導犬歩行指導員30名(他有資格者が7名)、盲導犬訓練士12名(他有資格者が2名)、研修生30名、ケンネルスタッフ16名、その他の職員70名。合計167名が盲導犬育成施設で働いているようです。
いろいろなアクシデントが重なり、またもや発行が大幅に遅れてしまい、申し訳ありません。一番大きいアクシデントはなんと言っても、「盲導犬情報」発送作業のために大活躍していたDOSのノートパソコンが壊れてしまったことでしょうか。今時DOS!?と言われそうですが、結構使い勝手がよかっただけに残念、というより、ちょっと寂しい…。(久保)